季節を生きる/秋分

2022年9月21日

 

秋分

 

秋分の時期と由来

秋分(しゅうぶん)は、白露の後に続く仲秋の季節です。

「陰陽の中分となれば也」・・・『暦便覧』 -太玄斎

秋分の時期:新暦9月23日~10月7日頃

秋分(しゅうぶん)は春分と同じく、昼夜の長さがほぼ等しくなる日。つまり、秋分を過ぎると次第に日が短くなり、季節は冬へと向かい始めます。

残暑も過ぎ去り、吹く風にも秋を感じる日々。地域によっては夜には鈴虫の声が聞こえてくる時期、秋の夜長をゆっくり楽しみたいですね。

 

秋分の行事・イベント

■秋分の日

9月23日頃は、秋分の日で国民の休日です。春分と同じように、太陽が真東から昇り真西に沈み、昼と夜の長さがほぼ等しくなります。この世とあの世がもっとも近くなるとか。

 

■彼岸

彼岸は、秋分の日を中心にした前後3日間、合計7日間の期間を指します。春と秋の年に二回あり、先祖の供養をしておはぎを食べます。(彼岸入り:9/20~)

 

■衣替え

10月1日は秋の衣替え。夏服から冬服に代わり、一気に季節が変わったような気分になります。クリーニングから戻ってきた服にかぶせてあるビニールは、外してからクローゼットに入れるのが吉。

6月と10月に衣替えをするようになったのは明治時代から。江戸時代には年に4回も衣替えをしていたそうです。

 

秋分の七十二候

秋分をさらに約5日毎に初候、次候、末候の3つに季節を分けたのが七十二候です。

 

■第四十六候 雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)

秋分の初候

新暦9月23日~9月27日頃

雷が鳴らなくなる時期という意味

 

■第四十七候 蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)

秋分の次候

新暦9月28日~10月2日頃

虫が支度を始める時期という意味

 

■第四十八候 水始涸(みずはじめてかるる)

秋分の末候

新暦10月3日~10月7日頃

水田を干し、稲刈りに備える時期という意味

 

秋分の草花

■葛(くず)

花言葉:「活力」「芯の強さ」

開花時期:8月~9月

秋の七草のひとつ。葛の根は、葛粉として和菓子の原料や漢方の生薬としても古くから活用されてきました。

生薬としての葛根の効能

葛の根の外側の皮を取り除き乾燥させたもの。発熱による筋肉の痛みや、頭痛を緩和する働きがあります。

※風邪の引き始めには葛根湯!

 

■竜胆(りんどう)

花言葉:「誠実」「正義」

開花時期:9月~11月

竜胆(りんどう)は代表的な秋の山野草です。鐘型の青紫色の美しい花を咲かせます。

生薬としての竜胆の効能

竜胆の根を乾燥させたもの。生薬としては「りゅうたん」と読みます。炎症や食欲不振の緩和に効果的。

代表的な漢方薬は竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)。残尿感や頻尿などの改善に役立ちます。

 

■金木犀(きんもくせい)

花言葉:「謙虚」「初恋」

開花時期:9月~10月

別名:「九里香」

秋といえば金木犀(きんもくせい)!甘く強い香りに秋の訪れを感じます。その芳香が九里先まで届くことから、「九里香」とも書きます。

※金木犀の花びらを烏龍茶に混ぜた花茶、桂花烏龍茶もおいしい!

 

■彼岸花(ひがんばな)

花言葉:「悲しい思い出」

開花時期:9月~10月

別名:「死人花(しびとばな)」「地獄花(じごくばな)」

もとは曼珠沙華(まんじゅしゃげ)、梵語で「赤い花」という意味を持つ花ですが、秋の彼岸の時期に咲くので彼岸花と呼ばれるようになりました。外側に反りかえる放射線状の花が特徴。

血のような赤色のために墓の側に植えられることが多く、死人花、地獄花との異名もあります。

 

秋分に食べたい!旬の食べ物

■鯖(さば)

秋から冬にかけて旬を迎える鯖(さば)。日本で一般的に流通しているのはマサバ。EPAとDHAを豊富に含み、脳を活性化させます。手ごろに食べれるさば缶が便利。

さばの薬膳的効能

さばは気血を補い消化機能を高め、疲労回復に効果的です。疲れやすい人や小食の人にオススメ。

 

■椎茸(しいたけ)

抗がん作用のあるβグルカン、免疫力を高めるレンチナン、コレステロール値を下げるエリタデニンなど特有成分が豊富なしいたけ。生活習慣病の予防にも効果的です。生よりも干ししいたけの方が、旨味も栄養価も高くなります。

しいたけの薬膳的効能

しいたけは気血を補い胃腸の働きを助けます。胃もたれや食欲不振など胃のトラブル改善に効果的。

 

■しょうが

薬味としてなじみ深い生姜(しょうが)は、薬効の高い食材です。皮の近くに有効成分が多く含まれているため、皮ごと使うのがおすすめです。

しょうがの薬膳的効能

生姜は身体を温める作用が強いので、寒気を感じる風邪の初期段階に食べると効果的。血行も改善するため、冷え性改善にも役立ちます。

また、乾燥させたしょうがは乾姜(カンキョウ)といい、冷えによる腹痛や消化不良、咳などを改善する生薬として使われています。

 

■棗(なつめ)

棗(なつめ)は約3000年前から栽培されていたといわれ、中国では現在でもポピュラーな果物です。ドライフルーツ状にしたものはお茶請けにもぴったり。

「1日3個のなつめを食べれば、年をとっても老いが現れない(一天食三枣,红颜永不老)」というほど滋養強壮に効果的です。

なつめの薬膳的効能

棗(なつめ)は気血を補い、疲労回復、滋養強壮の効果があります。また、ストレスによる不眠や気分の落ち込みなど心の疲れにも有効です。

 

■ぶどう

ぶどうは紀元前4000~3000年と古くから栽培され、現在では食用からワイン用まで世界で1万もの品種があるといわれています。

主成分のブドウ糖は身体への吸収が早いため、すばやく疲労回復することができます。色の濃いぶどうの皮にはアントシアニンが多く含まれており、老化防止や血圧降下などさまざまな効果あります。

ぶどうの薬膳的効能

ぶどうは気血を補い、水分代謝を円滑にする作用があります。むくみやのどの渇き、疲労回復に効果的です。

 

→9/23の秋分の日以降、いよいよ2023年の"気"が入ってきます。秋分から冬至にかけては、少しづつ2023年の"気"が入ってくる時期となります。

年初に書きましたが、2022年は"ギリギリまで弓を引いた状態"になり、2023年はいよいよ"その弓が放たれます"。

来年は、今年以上に激動となることでしょう。冬至までの期間に、その為の準備をしましょう。

 

9/23は、瞑想をして心を整えるのも良いかもしれません。

国立天文台(NAOJ)が発表している2022年の秋分は、9月23日午前10時04分になります。
これは日本独自の中央標準時による時間です。世界基準になると、秋分は9月23日午前1時04分になります。