中国の「最も危険な男」だと評価されている人物/共産党委員会委員で三代の国士と呼ばれる男
2021年12月21日


(ソース:Harano Times 2021/12/21)
皆さん、こんにちは。12月16日ワシントンポストに、或るオピニオン記事が掲載されました。
その記事では、中国の最も危険な男について話をしました。その記事を見て、欧米の主流メディアで、この中国の危険な男についてこの様な記事が出る事から、中国共産党をしっかりと見ている人が増えている感じがしました。
今回、このオピニオン記事を出したのは、アメリカの有名なラジオホスト・弁護士・作家であるヒュー・ヒューイットです。彼はこの記事で、中国共産党のトップに立つ共産党委員会の7名の委員の1人、中国のイデオロギー宣伝等をメインに担当している、王滬寧(おおこねい)について話をしました。
彼のこの記事から分かるのは、アメリカの国家安全部門の中で、王滬寧に関する記事が流れている様です。
又、今回、このオピニオン記事を書いた人は、この王滬寧は中国の最も危険な男と評価しています。

今、中国共産党と言うと、自然と習近平を思い出します。彼は中国共産党のトップで、彼の独裁は強くなっていることから、共産党=習近平という感じになりつつあります。だから、習近平を思い出す事は極自然な事です。
でも、中国共産党をずっと見てきている人なら、この王滬寧を見逃す事は無いと思います。

彼はとても控え目な人で、外国人と会談しないという自己流のルールもありますので、国際メディアで報道される事が少ない中国共産党委員会委員です。
今回のオピニオン記事で、彼を最も危険な男として書いたのは、かなり鋭いと思いました。
彼を取り上げたアメリカの国家安全部門の中で流れている記事は、パラジウムというメディアに掲載された、王滬寧に関する長い記事です。2つの記事を一番下に貼付しておきますので、ご興味のある方はご確認下さい。



※この記事に使われている写真は、胡錦涛とオバマが会っている写真で、王滬寧はその後ろに立っています。

何故、国家安全部門や政治家が彼を研究しているかと言うと、中国のこれからの方向性を知るには、王滬寧を知らないといけないと思っているからです。
今まで中国国内、及び海外で宣伝されている習近平の代表的な思想の全ては、この王滬寧が作ったモノになります。
中国ドリーム、反腐敗、一帯一路、戦狼外交、共同裕福、習近平思想等、我々が最近よく聞く事のほとんどは、彼が考えたモノだと言われています。
王滬寧の凄い所はこれだけではありません。王滬寧は、三代の国師と言われています。彼は江沢民時代、胡錦涛時代、習近平時代の最も重要な政治理論家です。
この三代のトップの近くに居ながら、今迄生き残る事が出来るのは、誰でも出来る事ではありません。この事から、彼は相当柔軟性がある人で、もっと厳密に厳しく言うと、彼は相当狡い人です。
彼の元同僚は、彼は内向きでとても慎重な人だと評価しています。中国共産党の事をある程度長い期間見てきた人なら、江沢民の3つの代表、胡錦涛の多角的発展観・和解社会等を知っていると思います。
それは、その2人のリーダーが彼らの時代で打ち出した、彼らの所謂「重要な思想」です。これらの思想を打ち出したのも、この王滬寧です。だから彼は、三世代の国師と言われています。

皆さんがご存知の様に、この三代のリーダーの関係は悪いです。胡錦涛は江沢民が指定した人ではなく、鄧小平が指定した人だから、江沢民は胡錦涛に権力を渡しながらも、裏で胡錦涛を抑圧していたし、解放軍の指揮権をかなりの期間握っていました。だから、胡錦涛と江沢民の関係は悪いです。
又、胡錦涛は改革開放を支持していて、習近平は毛沢東時代に戻りたいから、習近平と胡錦涛の関係も良くありません。
習近平と江沢民の関係が悪いのは明らかで、今の権力闘争は、基本この2つの派閥の間でメインに行われています。
ですので、この3人が同じテーブルに座ると、お互いを包丁で切りつけたいと考えているはずです。この様な3人の為に、彼らに合う思想を打ち出して、中国共産党委員会委員まで昇りつめた事から、彼の「実力」が分かります。

パラジウムというメディアに掲載された記事で、ある彼の昔話について話をしました。

彼は1988年に奨学金で、アメリカのアイオワ大学で半年間訪問学者として勉強しました。
彼はその間、30を超えるアメリカの都市と、20を超えるアメリカの大学を訪問しました。彼はその時、アメリカでは止められない危険な流れがあると判断しました。
彼の根拠は、アメリカは極端な個人主義の国で、集団意識がない。だから人々はニヒリズム、虚無主義に陥る。又、何でもお金で買える商品化社会になっている。これらの事は社会を浸食し、社会の崩壊に繋がると判断しました。
彼が帰国した後、1991年「アメリカがアメリカを反対する」という本を書きました。その30年前の本は、今のアメリカ社会を予言した本だと言われて、1月6日の国会事件が起きた後、この本は中古本のサイトで元々5元の価格が、1万7千元弱まで値上がりしました。
彼が当時判断した、"アメリカ社会は崩壊する"という結論が正しいかどうかを取り敢えず置いておいて、30年前のアメリカ社会に対する観察から、彼にはとても鋭い感覚がある事が分かります。
彼がアメリカ留学を終えて1989年中国に戻った後、北京で天安門事件が起きました。中国共産党が自分の政権を守る新しい方法を探している時代で、彼は中国共産党の中で、世界の自由主義と対抗する重要な学者の1人になりました。
彼は、中国を管理する強力な中央集権の政党が必要と考えて、中国の文化で統一化と自信が必要と考え始めました。彼は、この統一された文化と自信の基礎になる価値観を作る事を、ずっと考えてきました。

ワシントンポストの話によると、彼はマルクス主義、儒教、法家(政治思想)3つの思想を融合させ、それに国家の主権、民族の概念を入れて、中国のベースの価値観を作り、欧米の自由主義と闘う事を考えてきたそうです。
しかし、彼が当時アメリカで見た事は、今中国でも起きています。その記事の内容によりますと、当時彼が考えていたアメリカのその止められない流れは、太平洋を飛び越えて、過去十数年間中国の社会を大きく変えました。
中国特色の社会主義は、中国をこの世界の経済面で最も不平等な社会の1つにしました。又、中国の大手IT企業は、アメリカの同業他社よりも更なる特性の地位を獲得し、従業員は疲れ果てています。
中国は若者の失業問題、高齢化問題に直面し、社会で人と人との不信感も深刻化しています。だから、中国内部の競争があまりにも激化して、絶望感が蔓延しています。
もし、選挙、新聞(報道)の自由、人権等を自由だと考えると、中国は自由な社会ではありません。しかし、伝統文化、宗教、道徳等の関係から人を解放して、何も配慮が無い事を自由と言えば、中国は既に徹底的に自由化して、王滬寧が心配していた個人の虚無主義と商品化社会になっています。


この大きな背景の基で、王滬寧は、今は中国の経済と文化の自由主義を終わらせるタイミングが来たと考えています。ウィキリークスで公開された話によると、習近平も彼と同じく、今の中国社会はあんまりにも商業化している。それと同時に、新しい富裕階層、腐敗した官僚が生まれ、価値観を失っていると考えている様です。
習近平のこの考え方は、王滬寧と似ています。ですので、作者は、王滬寧は既に習近平を、もっと強硬な手段を使って欧米の経済・文化の自由主義・資本主義の社会に与える被害を止める必要があると説得したそうです。
この考え方から習近平の共同裕福の政策が生まれ、巨大IT企業に対する制限が出て、IT企業の過度な残業の禁止、塾の禁止、高過ぎる収入の調整等の政策が生まれました。
だから、有名な芸能人が次から次と抑圧され、青少年がゲームをする時間が制限され、LGBTのグループがネット上から消されています。
記事の最後に、今中国で起きている事は、彼の勝利であり、彼が怖がっている事でもある。

中国で、アメリカと似たような社会問題が起きた時、共産党は王滬寧の違うやり方で対策をとっていると言いました。

結構長い記事になりますので、ここで簡単に纏めて皆さんに紹介しました。この記事は、彼について、比較的深く分析している記事になります。
彼の思想が中国に与える影響からも、何故、今、アメリカの政治家、又は国家安全機関が彼の研究をしているのかが分かります。
今迄は、習近平が中国でやってきた事を、習近平と反習近平勢力の間の権力闘争という視点で見る事が多かったです。でも、この記事は又違うイデオロギーという視点で、今起きている事を説明しています。
この視点はとても重要で、無視する事が出来ないと思います。過去、中国共産党という左翼と、アメリカの左翼にはとても大きな違いがあって、お互いがイデオロギー面で共存出来ないという話をした事があります。
当時、その動画に、イデオロギーはそこ迄重要ではないというコメントもありました。人の思想というのはとても重要なモノで、その思想は人の行動に繋がります。特に国のリーダーになっている人の思想は、その国の方向性を決める事もありますので、イデオロギーにはとても重要な影響力があります。
習近平をヒットラーに例えるなら、この王滬寧は、ナチスのプロパガンダを仕切っていたヨーゼフ・ゲッベルスです。ヒットラーの演説だけでは国民を動員・洗脳する事が出来ないので、ゲッベルスの様な人がトップに立って、プロパガンダを積極的に進める必要があります。
王滬寧は共産党のリーダーに合うプロパガンダを作って、徐々に自分の思想もその中に入れていく人です。だから、彼が考えている事は、いつか中国の将来の方向性に影響を与えますので、やっと彼が注目される様になりました。

今回の話は少し分かり難い話になっていると思いますので、又、それに関連する話があれば、今後機会がある時に少しずつ紹介する様にします。


オピニオン|中国では、王Huningは見る人です - ワシントンポスト (washingtonpost.com)

 

王揚の勝利と恐怖 (palladiummag.com)

 

【動画】

中国の「最も〇〇な男」だと評価されている人、外国人と会談しない神秘な共産党委員会委員、三代の国士

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【追記】

大紀元 エポックタイムズ・ジャパン 2020/09/15

王滬寧は江沢民の手下です。王滬寧は江沢民に抜擢され、江の専属広報官を務めました。胡錦涛政権の10年間、江は常に中国共産党の主要な内外情勢をすべて担当し、この江の下で王滬寧は実際に働いていた。その後、習近平が政権に就くと、王はいわゆる「習近平思想」を利用して習近平の信頼を得て、政治部常任委員会の委員となった。彼がウイルス対応、米中外交、香港政策など、習近平のために書いている筋書きは、習近平を総加速師たらしめており、中共を滅亡に向かわせている。

 

【参考動画】

チャイナセブンの獅子身中の虫 中共崩壊の黒幕・王滬寧の暗躍

 

真実の報道 エポックメディアNEWS 2021/10/25

富豪層、民営企業、エンターテインメント業界などに対する中国の習近平国家主席の一連の出撃は、世界を揺るがしています。しかし実は、これらは習氏のオリジナルではありません。すべては彼の背後にいる、狂気の国師(指南役)「王滬寧(おう こねい)」氏によって生み出されたものなのです。共産党きっての理論家として知られる共産党序列五位の政治局常務委員でもある王氏は、暗闇に隠れることが好きで、慎重で目立たず、その上狡猾で、その鋭い爪を隠しています。
この「三代国師」と呼ばれる王氏の恐怖と、その狂気の大実験、さらには彼の中国改造の計画について解析します。
 

【参考動画】

【唐青看时事】「三代国師」王滬寧の恐怖と狂気の大実験