ファーストアセンショナーへの道/仏弟子の方法論その28 苦しみの根源を探求する第一段階「名色分離智」
2021年5月7日

【はじめに】
イシュター・アンタレス著「意識の量子飛躍11:11アンタリオン転換」によると、イベント後にまずアセンションのファーストウェーブが起きるとされます。このアセンションのファーストウェーブを起こすには、アセンションへの準備が整っている1,000〜2,000人のボランティアが必要とされます。
当然、自らの内に大量のネガティブエネルギーを抱えている状況では、波動が重過ぎ、ファーストアセンションは困難です。自らの内のネガティブエネルギーを一掃し、光の存在としての準備が整っている必要があります。
ブッダは、自らの内のネガティブエネルギー(煩悩)を一掃して、悟りを得た存在(アセンデッドマスター)に至る方法を見出し、アセンデッドマスターとなりました。そして、悟りに至る道を体系化して、その方法論を仏弟子たちに伝えました。
本連載では、ファーストアセンショナーを目指す皆さんに、ミャンマーの仏弟子ウ・ジョーティカ氏が記述した悟りに至る方法を紹介し、皆さんの内のネガティブエネルギーを一掃するお手伝いをしたいと思います。

 

【第28回のテーマ】

苦しみの根源を探求する第一段階「名色分離智」です。

以下に、ウ・ジョーティカ氏の文章を引用します。
 
ナーマ()は、「~を意味する」、もしくは「~と呼ばれる」の意味です。ですから、「見解の浄化、見清浄は、ナーマをありのままに、本当に、適切に、正しく、精神的現象のプロセスと見て、そしてルーパ()をありのままに、本当に、適切に、正しく、物質的現象のプロセスと見ることを意味する。」ということになります。
私たちが瞑想して、この名色分離智を育てるという時、それは私たちが名称と形態を知ることを意味しているのではありません。それが意味しているのは、私たちが精神的と物質的のプロセスを見ることです。
ゆっくりゆっくり、私たちはこうした全ての形状と名称の想像を克服していきます。そして私たちは、純粋な感覚の気づきに至る。何かが流れ込んできて、触れており、押している。この触れており、押しているというのがプロセス、とてもシンプルなプロセスです。このシンプルなプロセスの中にさえ、私たちは誤った見解をもってしまいます。
この誤った見解を除くために、私たちはこのシンプルなプロセスを、他の何ものとも混ぜることなく観察します。
私たちは、それをただ純粋な感覚であると見るのです。
(ウ・ジョーティカ著、魚川祐司訳「自由への旅「マインドフル瞑想」実践講義」の208~210頁から抜粋して引用)

皆さん、ニュースではよく、自分の最愛の娘を殺されてしまったご両親のインタビューが報じられていて、大概、ご両親がこう言っているのを耳にしていると思います。「犯人が憎い。できることなら私の手で殺してやりたい。絶対に死刑にして欲しい。」
これが普通です。そして視聴者の反応も。「本当だよね。分かりますその気持ち!この犯人、絶対に殺さないと気が済まない!」
こうやって、怒りに駆られた視聴者が犯人の親兄弟を探し出して、嫌がらせの電話をしたり、その住居の塀に「こいつが殺人犯○○の親です!みんなでこの人でなしを懲らしめましょう!」とか、スプレーペンキで落書きしたりするのです。
実によくある話です。
 
ここで、下にイエス・キリストが弟子に向かってお話した説教を載せてみます。引用元は、日本聖書協会発行の新共同訳聖書のマタイによる福音書の第5章38節から48節までです。
 
05:38 「あなたがたも聞いているとおり、『目には目を、歯には歯を』と命じられている。
05:39 しかし、わたしは言っておく。悪人に手向かってはならない。だれかがあなたの右の頬を打つなら、左の頬をも向けなさい。 
05:40 あなたを訴えて下着を取ろうとする者には、上着をも取らせなさい。 
05:41 だれかが、一ミリオン行くように強いるなら、一緒に二ミリオン行きなさい。 
05:42 求める者には与えなさい。あなたから借りようとする者に、背を向けてはならない。」 
05:43 「あなたがたも聞いているとおり、『隣人を愛し、敵を憎め』と命じられている。 
05:44 しかし、わたしは言っておく。敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい。 
05:45 あなたがたの天の父の子となるためである。父は悪人にも善人にも太陽を昇らせ、正しい者にも正しくない者にも雨を降らせてくださるからである。 
05:46 自分を愛してくれる人を愛したところで、あなたがたにどんな報いがあろうか。徴税人でも、同じことをしているではないか。 
05:47 自分の兄弟にだけ挨拶したところで、どんな優れたことをしたことになろうか。異邦人でさえ、同じことをしているではないか。 
05:48 だから、あなたがたの天の父が完全であられるように、あなたがたも完全な者となりなさい。」
 
全然違いますね。どうして無条件の愛の体現者、アセンデッドマスターサナンダが、かつて地球上で活躍されていたころのイエス・キリストが、普通の人がおよそ不可能なこのような命令を弟子に下したのかを、ブッダの瞑想で通過する初期段階での境地「名色分離智」の視点から解析してみましょう。
名色分離智というのは、名と色を個別に検討していくという境地なのです。

色は、私が対峙している対象物という現象です。一方、名は、色と対峙してその色に対して反応している私という現象です。
さあ、私たちの常識では犯人が悪人、つまり闇の勢力であって、娘を殺されたご両親や犯人に憎悪する視聴者は世正義の味方、つまり光の勢力です。
 
こんなのわかり切ったことですよね?当たり前の真ん中ですよね?
 
でも、名色分離智の境地で、綿密に犯人と娘を殺されたご両親と犯人に怒ってる視聴者との相互作用を検証していくと、さらには、犯人と殺された娘さんのとの相互作用を検証していくと意外な結末が待っています。
まずは、犯人と両親や視聴者の関係から見ていきます。まずは色の方を検証していきます。ここでは、名の作用が一切混じらないように注意しながら検証していくのが、名色分離智の極意です。
犯人は娘さんを殺しました。そこに展開される色、厳密な色はこれしかないんです。波長に由来する何らかの光の動きがある。そして、何らかの音があるだけです。厳密に色を検証すると、たったこれだけがまぎれもない事実なんです。これがパラマッタ(勝義諦)で捉えた色の真実です。そこには善も悪もないのです。殺意も悲しみも苦しみも何もないのです。
 
一方で、名の方を検証してみましょう。娘さんを殺されたご両親、ニュースを見た視聴者の心の中には、色を視覚や聴覚で受信した結果生じた苦々しさ、深い悲しみ、怒りが発生しています。
人間は哺乳動物の一種です。動物は、延々と生殖活動を行って子孫を増やしていくという本能で動いています。哺乳動物の場合、ごく少数の子供を大切に育てることにより、子供の生存率を著しく高め、増殖効率を上げるという選択をしました。
大量の卵を産んで、そのうち数個体が親になれば御の字という選択をした昆虫類や魚類とは、まるで違う戦略を採用したのです。昆虫や魚類でも、比較的少数の卵しか産まない種では卵を守る習性があるものも存在しますが、基本的には産みっぱなしで、卵や生まれてくる子に愛情をかけることはまずありません。
一方、哺乳類の場合は本当に少数の子しか産まないので、その子がいつも捕食者に食べられてしまったら種が滅びてしまいます。ですから、哺乳類の親は少なくとも雄雌のどちらか一頭が子に対して強い愛着を示して、子を外敵から必死に守る本能が備わっています。
 
このエネルギーが、私たちが一般的に認識している愛なのです。これは本能に由来する愛なので、種族を維持するという限定的な条件下でのみ作動する条件付きの愛なのです。ですから、ソースに由来する無条件の愛とは全く異なるものです。ブッダは、この条件付きの愛を渇愛と呼び、煩悩の一種だとみなしました。
こういう風に名を解析していくと、色に対して条件付きの愛という本能が発動して、両親や視聴者に犯人に対する憎しみや怒りが起こっているのです。
 
エネルギーを見てみると、色の方にはなんらネガティブなエネルギーは発生していないのです。名の方にのみ、ネガティブなエネルギーが発生している。
そして、そのネガティブなエネルギーの原因は、条件付き愛という哺乳動物が発達させてきた本能、つまり、太古の産物なのです。
 
今度は犯人と娘さんとの関係を見てみましょう。この場合、娘さんが犯人にとっての色、犯人自身が名になります。
娘さんは、犯人の視覚と聴覚にある種の波動を送っただけです。そこには何らネガティブなエネルギーは発生していない。
一方、犯人の方には、そのネガティブでもなんでもない色の波動に反応して、犯人の過去のデータベースから殺意というネガティブなエネルギーが発生したのです。
 
こうやって、名色分離智で名と色の相互作用を、色と名とで厳密に分けて検証していくと、ネガティブなエネルギーというのは例外なく、名の側で起こっているのです。
 
私たちの一般常識では、私たちが憎しみや怒りを抱くのはすべて色のせいだと思っていますが、名色分離智で厳密に検証してみるとそうではなくて、全て名の方で起こっているのです。責任は全て我に在りなのです。
パラマッタ(勝義諦)でエネルギーそのものを見ると、犯人という名も、娘さんのご両親という名も、ニュースの視聴者という名も、ネガティブなエネルギーを発しているという点で“同じ”なのです。色の方では、実は何らネガティブなエネルギーを発していない点で“同じ”なのです。
 
どうです?犯人も娘さんのご両親も視聴者も、ネガティブなエネルギーを発しているという点で同罪なのです。
世俗の法律では、犯人のみが有罪であって、ご両親も視聴者も無罪です。ご両親も視聴者も正義の味方で通ります。
 
しかし、パラマッタ(勝義諦)と名色分離智を駆使して、エネルギーレベルで見ているサナンダビジョンやブッダビジョンでは、犯人もご両親も視聴者も、みすみす闇の支配者アルコンやキメラに彼らが大好きなネガティブエネルギーを供給しているという点で、まぎれもなく同じ罪人なのです。同罪なのです。
 
パラマッタ(勝義諦)と名色分離智を駆使した視点で、先程引用したイエス・キリストの言動を検証してみるならば、実は至極真っ当なことを言っていることが理解できると思います。
ブッダやイエス・キリストが習得しているような、自分の中の名の働きを、常に思考や感情としてではなく「エネルギー」として見る視点を確立しないと、目には目を歯には歯を、の惨たらしい負の連鎖を断ち切ることは出来ないのです。いつまでたっても平和な世の中は訪れないのです。
 
人間ですから、身内が殺されて怒りを覚えるのは仕方がないとして、できる限りこのパラマッタ(勝義諦)と名色分離智を身につけていただいて、怒りや憎しみの炎が際限なく燃え広がらないようにしてください。ニュースを見て、自分の身内とは関係のない世界にまで怒りの炎を広げるのだけは、やめにしましょう。

せめて、いらぬお節介の怒りをなくさないと、戦争はいつまでたってもなくなりません。
ネガティブなエネルギーが私たち地球人の心から立ち上り続ける限り、いくら銀河連合が闇の宇宙人を退治してくれても、また新たなアルコン、キメラが蘇ってくることになります。
どうかよろしくお願いします!
 

by spiritual-lightさん

ファーストアセンショナーへの道 仏弟子の方法論28 苦しみの根源を探求する第一段階「名色分離智」

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※ これが、仏の智慧ですね!