霊界の諸相<その10> スターシードあるいはワンダラー

2020年12月30日

宇宙スピリチュアリズムでは、スターシードあるいはワンダラーという言葉で、私たち地球人のことが表現されています。
私たちのソウルは地球外の異星人に由来するものであり、地球人の物質的身体に転生してきて、この物質的身体を使ってミッションを行う存在がいる。これが、スターシードあるいはワンダラーと呼ばれる存在だと言われています。

本日はスピリチュアリズムの世界でも、このようなスターシードあるいはワンダラーの存在が仄めかされていることを、お伝えしたいと思います。

 

【抜粋】
「スピリチュアリズムが言わんとするのは、人間においては、理性が他の二種(知能や本能)の能力から完全に独立した能力として存在し、それは、動物界から携えて来たものでもないし、動物的知能や本能が発達したものでもない。知性と本能を具えた動物それなりに十二分に発達進化した段階において、そこへ理性を具えたすスピリットが入ってきた。それが人としての新たな進化の道を歩み、今日に至ったというものである。

スピリチュアリズムによれば、スピリットは無始無終の永遠なる存在として、人体に宿る以前から存在していたのである。それが有限の人体に宿ったのは、そうすることによって限りある器官による体験を積み、それを無限の個性に加えていくためなのである。

 

理性が動物に見られないのは、理性というものが自我意識に直接根差したものだからであり、その自我意識がまたスピリットの存在と活動の直接の表現なのである。自我意識があると、精神がその活動の世界から一歩退いて、いわば自分が出場しているゲームを観客席から観戦しているような状態になれるのである。

そうした自我意識の特質は、精神の二重性から出ている。つまりスピリット又は意志と、それが活動するための媒体・・・脳と記憶の層・・・である。前者が人間で、後者が動物と言ってもよい。」

以上、国書刊行会、ジョン・レナード著、近藤千雄訳「スピリチュアリズムの真髄」p.350-351

 

要は、人間の精神というものは、永遠の高次の世界からやってきた人間精神と、この地上の物質世界で発達して来た動物精神の二重構造となっていると、スピリチュアリズムは主張しているのです。

また、人間精神というものは「精神がその活動の世界から一歩退いて、いわば自分が出場しているゲームを観客席から観戦している」ものだと述べています。

しかし、人間社会の現状を見てみると、ほとんどの人間の人間精神は動物精神に乗っ取られてしまって、チンパンジーと何ら変わりない状態になってしまっています。

ライバルが現れるとすぐにマウントを取ろうとして、あいつは闇だ低次元だとこき下ろして、あいつは神の裁きを受けてセントラルサンで分解処分を受けることになる。と勝利宣言してしまうわけです。
これが、チンパンジーのオスとどこが違うのでしょうか?


一方では、こういったリーダー格のチンパンジーのオス的な人間にひたすら隷属して機械的に従い、チンパンジーの群れの他の個体群のようになってしまっています。カリスマリーダーの言うことなら、自分の理性で判断することなく無条件で従ってしまうのですね。

このような悲惨な状況を脱するには、人間精神を動物精神の隷属から脱出させて、「精神がその活動の世界から一歩退いて、いわば自分が出場しているゲームを観客席から観戦している。」を取り戻すしかないのです。

 

インドの哲学者シャンカラ(700-750)も、その主著「ウパデーシャ・サーハスリー」の中で、以下のように語っています。

「統覚機能にのぼった一切のものは、認識の起きるすべての場合に、つねに私によって見られる。それゆえに、私は最高のブラフマン(梵)である。私は全知者であり、一切に遍在している。

私は自分自身の統覚機能の中の動きの目撃者であるように、他人の統覚機能の動きの目撃者でもある。私は捨てることも、取ることもできない。それゆえに、私は実に最高のアートマン(我)である。

アートマンは変化することなく、不浄性もなく、物質的なものでもない。そして、全ての統覚機能の目撃者であるから、統覚機能の認識とは異なって、その認識は限定されたものではない。」

以上、岩波文庫、シャンカラ著、前田専学訳「ウパデーシャ・サーハスリー」p.31-32

 

自分自身という現象、および自分と他者他物との相互作用という現象を、一歩離れたところから観客席からゲームを見るように、常に客観的に観察できるようになっている精神こそ、本当の人間精神であり、このような人間精神が確立された状態こそ、ヴェーダ哲学の言う最高の境地“梵我一如”達成のための必要条件なのです。

このような状態を維持できるようになって初めて、その人はスターシードあるいはワンダラーとしての活動が出来るようになるのです。

 

by spiritual-light

霊界の諸相その10 スターシードあるいはワンダラー

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※ 「精神がその活動の世界から一歩退いて、いわば自分が出場しているゲームを観客席から観戦している」状態

→ よく、"俯瞰で自分自身を見られるようになる"と言いますが、それに近いかもしれません。

スターシードあるいはワンダラーとしての活動が出来るようになるために、さらに精進したいですね。