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岐阜のはずれに家を建てる

岐阜の工務店エムズアソシエイツで建てる家づくり。

完成してから1年以上が経過しました。

1年点検では大きな問題は見当たらず、多少の補修で終わったのですが、いまだに今林さんにはちょくちょくわが家に来てもらっています。

なぜかと言うと、住み始めてから「やっぱりこうすれば良かった」という部分がいくつかできてしまい、その修正工事をお願いしているからなのです。

以下は、そういった後悔ポイントをまとめたものです。完成後に直せたものと、そうでないものがあります。


①コンセントの位置と数は変えられない

これは本当によく言われることですが、案の定わが家でも最大の後悔ポイントになってしまいました。

コンセントの位置と数については、完成後に変更したり増設するには基本的に制約が多いらしく、もっとよく検討しておけば良かったと思っているところです。

どうしても不便に感じる場所だけは、完成後に増設工事をしましたが、本来なら余計な費用ですし、何より増設等ができないことがわかった時のガッカリ度も非常に高いため、これから家を建てられる人には、検討事項の中でも優先順位を今より高くしておいた方がいいですよと言っておきたいです。ある意味では、何処其処の色がどうとか、質感がどうとかよりも、よっぽど大切なことだと思います。

大げさではなく、可能であれば面積に関係なく壁1面につきコンセント1個くらいに考えておいた方が絶対にいいです。特に強く感じたのは、ダイニング周辺のコンセントは思っていたよりも必要性が高かったです。


②照明はできるだけ人感センサーに

わが家では、設計の早い段階から、照明スイッチについては人感センサーを設置することを決めていました。理由は消し忘れを防ぐためではなく、いちいち点けるのが面倒だったからです。

センサーの設置場所は、人が移動してあまり留まることのない空間だけで良いだろうという考えから、玄関ホールと廊下と階段だけにして、そのまま完成を迎えました。

けれども、住み始めてから、トイレと洗面所の電気の消し忘れがあまりに多く(主に僕が)、これらの場所もセンサーの方が便利だと遅ればせながら気付いてしまい、変更工事をすることになりました。

元々が消し忘れを防ぐのためではなく、点けるのが面倒だからという理由の人感センサーですし、トイレや洗面所なら在室中は常に電気が点いていたとしても困ることはないため、工事の決断は案外早かった覚えです。それに、センサーのオンオフは、部屋の明るさや点灯時間でも調節できることが予めわかっていたのも大きかったです。

ということで、変更工事をおこなった結果、わが家の照明スイッチは、リビングダイニングキッチンと各寝室、そして風呂を除いて、ほぼ全て人感センサーとなったわけですが、これも設計段階でもっと十分な検討を加えていれば、余計な費用はかかりませんでしたし、センサーの位置ももっと最適化できたはずだったので、その点については今でも少し後悔しているところではあります。


③換気システムは絶対に第一種が良い

わが家の換気システムは第三種です。

大きな理由は、予算とメンテナンス性からだったのですが、今では絶対に第一種全熱交換型にすべきだったと思っています。

わが家の完成後に、僕の職場も建て替えをしたのですが、そこが第一種の換気システムを採用しており、その威力をまざまざと体感してしまったのが理由です。

各々の理屈からすれば当たり前なのを承知で書けば、第一種と第三種とでは、室温の維持能力がまったく違います。能力ではなく維持できる時間と言った方が正しいかも知れません。理屈はある程度わかっていたものの、実際に長期間そこで過ごしてみて体感してみると、本当によく理解できます。

第三種の優位性として、換気扇の電気料金がどうのこうのというのをよく目にしますが、おそらく両者の室温を同等に維持するための空調費だけで、十分相殺できると思います。

いくら高気密高断熱の家を謳っていても、所詮エアコンで作られた空気に頼った話ですから、それを長時間維持できなければ、いつまで経ってもエアコンはフル稼働のままです。

第一種を有効に稼働させるためには高気密が大前提であることを抜きにしても、第三種では常に空気の入れ換えをし続けている状態なわけですから、室温(湿度も含めて)の維持能力は断熱性よりもはるかに換気システムに依存しているのではないかとすら思えてきます。

なので、第三種の環境下で「無暖房でも暖かい」とか「無冷房でも涼しい」という売り文句には非常に懐疑的というのが、僕の立場です。実際に第三種の家に1年以上住んでみた者としては、やっぱりエアコンなしでは冬は寒いし夏は暑いというのが率直な感想です。

僕の考えが正しいかどうかはさておき、実感として、たとえ高気密高断熱の家だとしても、第三種の場合は、エアコンを止めてからの温度変化は思っていたよりも早く大きかったというのが正直なところですし、それがはじめからわかっていれば、予算やメンテナンス性をある程度犠牲にしてでも、第一種を選んでいたと断言できます。

とは言え、色々な意味で完成後に換気システムを変更できるわけもなく、諦めて我満するほかないというのが現実です。
 

④廊下や階段などの壁は汚れにくい素材に

エムズアソシエイツでは、屋内の壁は「ダイアトーマス」を標準仕様としています。

この素材は、質感が良いとか吸湿性がある(実際の効果は未確認)というメリットはありますが、その反面、非常に汚れやすいという大きなデメリットがあります。

そもそも、乾くと表面がザラザラと非常に摩擦性が高くなる素材であるため、特に白などの明るい色を壁に使っている場合は、デニムが少し擦っただけで確実に青くなります。

僕が仕事で使っている黒の革製ブリーフケースでも、少し当たっただけでその部分は必ず黒く色移りしますので、帰宅後に壁に立て掛けておくことすらできません。

汚れた場合はスポンジで軽く拭けば綺麗になるとされていますが、汚れの種類によってはその方法では落ちませんし、スポンジで拭くと言っても実質的には壁ごと削り取っているだけなので、何回も拭いたり力を加えたりすれば、その部分だけ明らかに壁が薄くなっているのがわかります。

ただ、ここで僕が言いたいのはデメリットがあるから避けようということではなく、そういった特性を理解したうえで、使う場所を考えた方が良かったということです。ちなみに、わが家の壁はほぼ全部「ダイアトーマス」です。

子どもは、とにかく歩く時に階段や廊下の壁を触りたがります。手摺があっても、なぜか壁を触りながら移動します。

わが家も、息子が手を真っ黒に汚したまま階段を駆け下りたおかげで、その触った部分に黒い手形が残りました。少しだけスポンジで拭きましたが、範囲も広く、かなりの深さまで削り取る必要があると判断したため、目立つのを承知でそのままにしてあります。

というわけで、普段から壁に触ることが少ないリビングや寝室には「ダイアトーマス」を、廊下や階段などの手を付きやすい、あるいは比較的狭い場所の壁には汚れにくい素材を使った方が良かったと思っています。

エムズアソシエイツは基本的に壁紙を使わないようなので、汚れにくい素材としては板壁なんかが良いかも知れません。今から思えば、モデルハウスも板壁の方が多かったような気がします。

ここまでだと「ダイアトーマス」があまり良くない素材に思えてしまうかも知れませんが、少しだけ書き加えておくと、わが家では、季節外れの履き物は全て扉付きの下駄箱に収めています。

ご存じのとおり、今年は夏になっても雨天が続き、湿度の高い日が長かったのですが、その間一度も下駄箱から出すことのなかったビルケンシュトックのサンダルや、表皮がスエードのブーツなどでも、カビが生えたものは一足もありませんでした。

以前住んでいたアパートでも下駄箱に履き物を収めていたのですが、何回かカビが生えてしまいましたし、今年のような天候だったら間違いなくまた同じようにカビが生えていたと思います。

わが家の玄関は特別日当たりが良いわけでもないので、下駄箱の構造による可能性や、高気密による計画換気の影響も考えられなくもないでもないのですが、もし仮に、カビの抑制に「ダイアトーマス」が一役買っているとしたならば、それはそれで素晴らしい性能であると思います。玄関に限らず、余程の悪条件でなければ、家中どこでもカビの心配はないと言えると思います。


以上のとおり、現時点で思い付くままの後悔ポイントを挙げてきました。

価値観や優先順位は人それぞれなので、僕の考えは読み流していただければ十分なのですが、コンセントの位置と数だけは、今よりももっと検討を加えて絶対に損はないと思います。

また別の後悔ポイントがまとまったら、違う機会で紹介したいと思っています。

ちなみに今は、キッチンと風呂の窓の目隠しについて、今林さんに相談中です。これもどうして設計段階で気付かなかったのか、いまだによくわかりませんが、たとえ余計な費用がかかったとしても、不満な点を少しずつ解消していくのもそれはそれで楽しみになったりもします。



余談ですが、わが家は基本的に見える場所にはあまり物を置いていないので、どちらかと言えば殺風景な感じです。

玄関もそうだとさすがに寂しいので、少し前に下駄箱の上に置ける植物を買って、飾ることにしました。

画像の植物を買ったのは、大垣市の小林植物店さんで、多肉植物を中心に感じの良い品揃えをされている店です。