EDFニュード・フォトン汚染対策本部 -27ページ目

EDFニュード・フォトン汚染対策本部

EDFの小説モドキが主で、ボーダーブレイクの戦果報告や単発SSをあげてます。PSO2も追加されました

※今回はタイトル通りSSとなっております。BB、ステクロを求めるお客様は回れ右をお願いします。


ではどうぞ。



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『総司令より、基地内の各員へ。吉崎元准将の行方を知っている人は、僕に連絡して欲しい。繰り返す…』


EDF極東本部の全てに、同じ放送が流れていた。

総司令が、過去3度の英雄である吉崎隊員(男)を捜しているのだ。

理由としては、約束の時間になってもこないことが挙げられるらしい。


「…これだけ呼びかけても無駄ってことは、基地にはいないようだな」


司令が総司令に声をかける。


「ヤツは何だかんだ言って約束に遅れることは少ない」

「分かってるよ」

「ということは、何かのトラブルに巻き込まれた恐れがあるが…」

「トラブルか…」


それだって、彼が巻き込まれることは少ない。

むしろ通りすがりで解決するくらいなのだから、トラブルの恐れはほぼ無い。

ならば何が起こったというのか。


「事故は…」

「無い。ヤツが衝突くらいで死んだら笑いものだ」

「そりゃそうだけどさ、司令…」

「それはともかくとして、時空関係のゴタゴタに巻き込まれた恐れはあるだろうな」

「あー…」


総司令は声を濁した。

前回の大戦で起こった出来事などを考えると、否定できないのだ。


「…実際どうなんだろうね」

「そんなの私が知るはずがない」

「そうだよね」

「…まぁ」

「?」


司令が立ち上がり、総司令に向かって言う。


「ヤツも私も、もうここにいるべきではないと考えているかも知れない」

「どういう事だい?」

「…私はもう年齢が年齢だ。それならまだ分かりやすいだろう?」

「でも司令は、まだ隊員達に絶大な支持を受けて…」

「私はそのうち、士官学校の教頭でもするだろう」

「…じゃあ、吉崎さんは何故?」

「何故って…そうだな」


司令は少し考える素振りをした後、ふと顔を上げて言った。


「生きすぎた、のかも知れない」

「…え?」


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そう、俺は生き過ぎた。ホントならもう既に死んでいる。

死にそうになった経験ならいくらでもある。

一次大戦の最初はな、実は…いや、そうじゃない。


「どうした、英雄殿?」

「…その呼び方をするな。カレーの女王殿」

「……」

「……」

「…ふぅ。全く、私も暇では無いのだぞ」

「じゃあ手短に頼む」

「…結論から言うと、不可能ではない。要はお前の存在を消すだけだからな」

「そうか。なら頼む」

「だが、この件に関してはそう簡単にいくものではない」

「…どういうこったよ」


そう聞くと、その女…もといシオンは、呆れたような顔をする。

ホント良く表情が出るようになったな。こういう時は昔の仏頂面の方が良かった気はする。

ちなみにここは海岸だ。インベーダーが攻めてくることで有名な海岸なので、戦争中の今は封鎖されている。


「お前も分かっているだろう?自分の持つ歪みの特殊性くらい」

「だから、お前に頼んだんだよ。何度もお前を呼んだしな」

「…全く、定時パトロールでお前に見つかったのが運の尽きだったな」


シオンは深い溜息を吐いた。

大変だな。俺も分かってて無理難題を言ってるんだが。


「お前の存在をこの世界から消すことはできる。だが、お前自体を消すことはできない」

「どういうことだよ?」

「だから言っているだろう。お前は特殊なのだと」

「…悲劇の主人公なんてまっぴら御免だぜ?」

「お前がどんなに嫌だろうと、これは決まっている。…概要はとりあえずこんな所だな」


シオンは一呼吸置くと、またしゃべり始めた。


「お前の存在を歪みと共に消せないのは、この世界に負荷がかかり過ぎるからだ」

「…そうだよな」

「ああ。この世界で『死ぬ』のなら歪みを消してお前を殺せば良い。だが、存在を消すのは別問題だ」

「俺は中々死なないしな」

「ゴキブリ以上の生命力だ。その筋の人なら喜んで調査するだろうな」

「誰がガースー黒光りGだ。誰が」

「冗談はともかくとして、だ。仮にお前を殺すとしよう」

「…お前に殺されるのも何か嫌だな」

「あたしだってそうだ。…その場合、お前の存在は消える」

「…つまりどういう事だってばよ?」

「要するに、お前が死ぬと言う事は、存在の消失だ」

「…記憶に残らない、って事だな」


俺だってソレは分かっている。

だが、このままじゃこの世界が危ないのも事実なんだろ?


「そりゃそうだ。本来存在しえないものが存在しているわけだからな」

「それもそう……ぐ…」

「…?どうした?ゴキブリでも食べたか?」

「違う…」

「……!」



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シオンが咄嗟に後ろへ飛ぶと、リクの周りにはピントの合わない空間のようなものが出来ていた。


「…時限断層か?どうしたんだ、吉崎陸生」

「……フゥ。この体は居心地がいいな」

「……」


シオンはどこからか、この世界に無い兵器を出して構えた。

名をスタンピードXMと言う。当然コレは対侵略者用兵器である。本来は別世界で存在する兵器だ。 


「貴様は誰だ?」

「…私に向かって言っているのか?この薄汚い機械人形が…」

「…貴様は誰だ?」


リクの様子がおかしいのは端から見ても明らかだ。

しかしながら、こうなった原因は分からない。


「機械人形如きに貴様呼ばわりを受けるとは、復活の時点からご挨拶な待遇だな…」

「良いから名乗れ。場合によってはその体ごと焼き払う」

「私の名前はアポ・クリプトン。この世界でお前らがインベーダーと呼ぶ者の総指揮者だ」

「……」


シオンは無言でスタンピードの引き金を引く。

目の前で爆発が起こり、膨大な熱が発せられる。


「…素晴らしいな。この断層は」


爆発が晴れた時、そこには相変わらず時限断層の中で立っているリクの体があった。


「フフフ、素晴らしい。素晴らしいぞ…!あんな大立ち回りを演じた見返りがあったというものだ!!」

「あの時とは、どういう事だ?」

「…ふん。今の私は気分が良いから教えてやろう」


彼はどこからか兵器を出し、周りに浮かべながら続ける。

全て見覚えがあるもの、つまりリクが一度は使った事のあるものばかりだ。


「この体の持ち主が一度消えたのは知っているな?」

「その消えかかっていた精神体をあたしが回収したんだ。忘れているはずが無い」

「それが間違いだったのだ。私にとっては勝った賭けだったがな」

「……」

「この体を復活させた張本人が『なんか異物が入っている』ような事を言ってなかったのか?」

「…その異物がお前か」

「その通りだ。しかし良くお膳立てしてくれたものだな。このような素晴らしい力を…」

「…それ以上、そいつの口で喋るな」


シオンがそう呟いた瞬間、彼の首がシオンの手で締められる。


「時限断層は生命体の侵入を拒めないのか。主に射撃防御だな。…どうした?そんなものか?」

「なっ…」


シオンの顔が意外そうな表情になる。

巨大生物(黒蟻)の頭部なら粉砕できる程度には力を入れているのだ。

しかし、アポと名乗る彼が乗っ取ったリクの顔は実に涼しげだ。


「確かに貴様は速い。速度的にこの体で追いつくのは不可能だ。…だが、こうなってしまうと動けないだろう?」

「…!」


実にゆったりとした動きで、シオンの手を首から引きはがす彼。

手首をしっかりと掴まれ、彼女は彼を引っぱたこうとするような体勢になった。


「逃げられないだろう?それはそうだ。何せ、私はあの化け物の精神を封じ込んだわけだからな」

「念力…?あたしの精神力が低いとでも?」

「そうは言わない。ただ、私の精神力が強い。その力の前で動けない。それだけだ」


シオンは取られている左手ではなく、右手に力を込める。

そして、そのままの体勢で殴りかかる。


「はぁっ!」


2人のいる場所で大きな爆発が起こる。

綺麗な砂がある海岸にクレーターのようなものが出現する程の爆発だったが…


「…ふん、威力が分散し過ぎだ。その程度ではこの体を揺らすことすらできん」


シオンの手をしっかりと左手で受け止めていた。何を思ったのか、彼は右手でシオンを投げる。

投げられた彼女は受け身を取り、いつでも動ける体勢を作った。


「…今日は顔見せ程度だ。そもそもここで貴様と会うのは誤算だったのだよ」

「ま、待て!」

「また会おうじゃないか。機械生命体の亜種よ」


そう言うと彼は狭間を自分で作り、どこかへ消えた。

シオンは周辺の状態をサーチし、自分の在籍する場所へ連絡を試みる。


「…応答しない?何故だ?」


と、別の場所から通信が入った。通信元はこの世界のEDF極東本部。

シオンは疑わしげにしながらも、その通信を繋いだ。


「誰だ?あたしは今イライラしている。悪戯電話なら今すぐ貴様を燃やしてやろう」

『相当イライラしてらっしゃるようですね。まぁ落ち着いて下さい』

「…お前は光輝か?」

『おや、下の名前で呼ばれるとは驚きです』

「別の世界にも『結城』と名乗る人物は多い。…それはともかく、何の用だ?」


あたしはすぐにでも奴を追わなければ、という言葉を彼女は飲み込む。

実際のところ、狭間に入った後は完全にどこへ行ったか分からなくなっていたのだ。


『一度こちらへいらして下さい。お茶でもしてのんびり過ごしましょう』

「こっちはそれどころじゃ…」

『分かっています。リクさんが乗っ取られたんですよね?』

「…何故ソレを知っている?」

『歪曲空間倉庫にアクセスできないんです。となればコレは…と言った具合で。前に一度言われましたしね』

「…だが、そちらに行っても仕方がないだろう?」

『それもそうですが…詩焔さんの元いた世界との繋がりが途絶えてしまっています』

「…どうしてソレが分かる?」

『それは黙秘で。繋がりが途絶えているとなれば、つまり貴方も自分の本部へアクセスできないのでは?』

「…どうやってこの回線を割り出した?」

『ただの道楽ですよ。…色々話したい事もありますので、どうぞこちらへ』

「……」

『必ず来て下さいね。私だってリクさんがいなくなるのは嫌なんですから』




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作者コメント♪


RRは、最初から書いていたもののシリーズ最終章です(確認

全部のフラグ回収とか「ちょっと無理かな~」←


ちなみにこの第35話、RRになって書いてて一番悩みました。

フラグ回収とかじゃなくて、設定がゴチャゴチャになってたからなのですがね。