インベーダー側だけに限らず「何故このタイミングで?」と思われる、EDF極東本部突然の反撃。
この多くは成功、成功と言わずとも敵部隊の侵攻を食い止める事ができていた。
とはいえ、地球規模で見るとやはり状況は良くない。
「司令!CG部隊が九州の上半分を制圧したとの報告が!」
「流石は開発部といったところか。しかし機動兵器とはいえまったく…」
司令が半分呆れ顔で呟き、更なる情報を求める。
「それで、地下巣穴は確認できたか?」
「待って下さい。…戦闘中、幾つかのネストを散見したとの報告があります」
「やはり巣穴があるか」
「ただ、携帯レーダーで常に反応を拾えていると報告が」
「…何?」
「恐らく、三次大戦まで使っていた巣穴は地形の変化で使えなくなったのだと思われます」
「マグマとかだったか。だからといって、わざわざ地表近くに巣穴を…?」
司令は思う。これでは簡単に攻め入られるのは明白のハズだと。
となれば答えは自ずと見える。
「…罠、なのか?」
「CGは地下に侵攻しにくいでしょう。となれば生身の歩兵で攻め入るしかない。…罠ですね、恐らく」
ヒナが冷静に答える。
伊達に何度も「罠です!」と絶望的な通信をした人間ではない。
「しかし、そこまで簡単な罠を奴らが仕掛けるのか? ところで、合流できた部隊はあるか?」
「九州で消息を絶った隊員とほぼ合流できたようです。多かった台詞は『遅かったじゃないか…』です」
「…元ネタ知ってるわけないだろう、この時代…」
「どうしたのですか、司令」
「何でもない。それより、ヤツの件は…いや、無理なら無理で構わんのだがな。」
「…司令としては戦力が欲しい、しかし個人的にはもう休めと?」
「そういう事になる。…まあ、そう簡単にくたばるとも考えられないがな」
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「ふーん、この血だらけのナイフにね…」
結城が訪れていたのは、神谷薫のもとである。
何故彼女かと言えば、結城の知り合いに人体などに詳しそうなのが彼女くらいしかいないためだ。
他に心当たりがあるのは透とイセだが、透は用事でおらず、イセに任せるとどうなったものか分からない。
そういうわけでここにいる。
「人としての肉体に必要なものは割と簡単に揃うわよ。水25L、炭素20kg、アンモニア4L…」
「いえ、そうではなくてですね」
結城は言いにくそうにしていたが、ようやく言葉を見つけたのか口に出す。
「リクさんの成分表を持っていませんか?」
「…何故?」
「薫さんならあり得るかと」
「……」
薫は結城の顔を見る。そこには割と真剣な表情の結城がいた。
リクを復活させたいのは「戦友として」なのか「興味があって」なのかは分からない。両方かも知れない。
「……」
「……ふぅ」
10秒ほどが経過すると、薫が微笑んだ。
彼女は後ろに振り向き、箪笥のようなものを横にズラす。
すると結城の目の前に紙切れが出てきた。
「暇だったから以前調べてみたけど、かなりカオスな成分だったわ」
「…成る程、カオスどころかコレで構成されているのか疑問になる成分ですね」
「一番近いのは兄さんの体なんだろうけど、近いって言っても異質な成分ばかりよ」
「まぁ、透さんもかなり異質ですからね。最初会った時はホントに人間なのかと思いましたよ」
「…人の事言えるのかしらねー」
「最狂の結城という称号は、まだ私には早いのですよ。
「素直にもらっておけばいいのに、相変わらず変な人ね」
「何を今更。そしてそれは私にとって褒め言葉です」
では、と立ち去ろうとする結城が思い出したように振り向く。
「灼來、あまりいぢめないであげて下さいね」
「何のことかしら?」
「既に感づいていて遊んでいるのは分かりますがね」
「試しているだけよ?」
「焦らしプレイをですか?」
しばらく微笑みながら見つめ合う2人。やがて結城は今度こそ立ち去る。
立ち去る彼を眺めながら、ふと薫は呟く。
「…ホントに、あのナイフの中身は本物なのかしら?」
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作者コメント♪
お久しぶりです。ACfAやらPSO2やらに現を抜かして未更新だったキセノです。
リハビリを含めて以前書いていたものを修正しながら書いてみましたが…というところですね。
伏線?張るだけ張って回収の計画なんぞありません←