最近よくテレビに登場する戦場カメラマンの渡部陽一さん、特にあの喋りのインパクトは強烈ですね。
あの喋り、何だかどこかで聞いたことがあるような気がずーっとしてたんですが、この頃になってやっと思い出しました。話せばかなり長くなりますが、以下のようなことでございます。
約20年前、私が大学4年生の時に、ゼミの古田龍助先生がアメリカの経営学の学会で研究発表するというので、その旅行にゼミの学生の中から優秀な2人とおとぼけ代表幹事(もちろん、これが私)を連れて行って下さることになりました。あ、もちろん旅費は自腹ですよ。私の場合は、先生の研究の資料収集を手伝ったら旅費を肩代わりして下さるということになり、夏休みの間じゅう、大学の図書館で本をコピーしまくり、それを切り貼りしました。ま、カノジョいなかったから、夏休みなんかどーでも良かったんです(爆)。
旅行は10月中~下旬の約2週間。ちょうど今頃出発したので、冒頭の「謎の喋り」について思い出したわけです。いよいよ旅行の準備が進み始めた頃、私は「優秀な学生」の片一方の山下君と一緒に、県庁にパスポートの申請に行きました。この山下君、私とは小・中・高・大すべて一緒という、まさに腐れ縁の間柄。常にミョーに冷静なクールガイです。
書類に記入を終えた私は、先に窓口に行きました。その時に受け付けを担当したおねーさん(そこそこ若かったとは思うんですが、ちょっと年齢不詳気味)の喋りが、あまりにも異様だったのです。マニュアル通りの棒読みだったら「ケッ!」の一言で済んでしまうのですが、このおねーさん、丁寧な喋り方と言うか中途半端に感情がこもった「ナレーター口調」と言うのか、とにかく滅多に遭遇しないような喋り方だったのです。渡部さんの喋り方そっくりだったというわけではないとは思うのですが、何だか同じ系統と言うか同じ匂いのする喋り方だった、という印象が強いのです。
長椅子に戻った私は、山下君に「あのねーちゃんには気をつけろ!」と意味深な警告を発しました。果たして、同じおなーさんに書類を提出した山下君の後姿を見ていたら、必死に笑いをこらえて肩を震わせているのがはっきり見てとれました。あのクールガイをあんな状態に追い込むとは…恐るべきねーちゃん!
窓口から戻ってきた山下君の虚脱したような表情が、いまだに忘れられません。
…という、どーでもいい話でした。お粗末。