今日、娘と一緒に『午前十時の映画祭』で観てきました。
いやあ、この映画をスクリーンで観れるとは!この作品が『午前十時』のラインナップに入っていると知った時、正直言って、喜ぶ前に「何で?」と思ったぐらいです(恥)。
1970年代前半。劇作家を目指す大学生リチャードの前に一人の見知らぬ老婦人が現れ、年代物の懐中時計を手渡すと、「私のところへ帰ってきて」と言い残して去ります。呆然とするリチャードですが、8年後、劇作家となったもののスランプに悩んでいた彼は、あてもなく出た旅の途中で訪れた老舗のグランド・ホテルで、史料室に飾られていた一人の女性の70年前の写真に心を奪われます。彼女について調べたリチャードは、彼女が舞台女優のエリーズであること、そして以前彼の前に現れたあの老婦人であることを突き止めます。なぜエリーズはリチャードのことを知っていたのかを知るため、そして何より、この写真の頃の彼女に会いたいという思いに駆られたリチャードは、何とタイムトラベルに挑戦…。
リチャード役は、当時スーパーマンでブレイクしていた故クリストファー・リーヴ、エリーズには、近年ではテレビの『大西部の女医物語 ドクター・クイン』のジェーン・シーモア。二人とも80年代の俳優としてはちょっとクラシカルな雰囲気が強い正統派の美形、しかもリーヴはスーパーマンのイメージが強過ぎて、今ひとつ活躍できずにいましたが、この作品はまさに彼らの雰囲気にうってつけ。
他に、二人の仲を裂こうとするマネージャーに『サウンド・オブ・ミュージック』のトラップ大佐ことクリストファー・プラマーも出てますが、わたし的に注目したいのは、晩年のエリーズの秘書に扮していたテレサ・ライト。ヒッチコックの傑作『疑惑の影』のヒロインを演じた人です。
そして監督はヤノット・シュワルツ。この人、どうしても代表作として挙げられるのが、『ジョーズ2』とか高熱を発して人を襲うゴキブリ系昆虫の群れが暴れまわる『燃える昆虫軍団』だったりする人ですが、この映画は彼の作品の中でも異色です。そうそう、リーヴつながりで、スーパーマンの従兄妹が活躍する『スーパーガール』もありました。ちなみにこの人、資料によってはまったく違う発音の表記になっていてややこしい、ということでも映画ファンの間で有名です(苦笑)。
しかし、何だかんだ言って、この映画の最大の魅力は、やはりジョン・バリーによる音楽。あまりに切ないこの物語にハマり過ぎのメインテーマは、この映画が好きな人なら曲を聞いただけで涙腺が緩んでしまうほどの名曲です。今回、改めてこの映画を観て思いました。無敵の名曲!
ちなみに、『タイタニック』はこの映画のパ●リではないかという指摘が、特にこの映画の熱狂的なファンを中心になされていますが、私も間違いないと思います。
で、今日は、座席を振動させるほど嗚咽してしまいました(恥)。