現在の大まかな外国人犯罪における分析は
1.起訴率は外国人のほうが日本人より多い
2.外国人の検挙件数は外国人人口が増えているのにも関わらずは減少傾向にある
3.外国人の犯罪率は平均して日本人より多いがこれはより若年層だからである
といったのが主な主張です。
ただ比較的すべての分析が外国人の犯罪は誇張されており問題ではないと主張する内容でしたのでそれが本当に正しいか確かめるためにこのブログを書こうと思います。個人的な見解としては
1.外国人の方は日本語や日本の文化などに日本人ほどなれていないので社会に同化するのは比較的難しい
2.ベトナム人の方々のように借金を背負わされ、転職できない環境で日本に来る方たちもいるので文化に関係なくきつい立場でいる方々もいる
3. アメリカに住んだことがありますが明確な罰則がない限りマナー違反や犯罪行為など気にしない風習が一般的にありました。例えば電車の無賃乗車はほぼ気にされません。これはアメリカ独自の風習かも知れませんが日本ほど配慮や法律への遵守を重要視する国風や文化は個人的にはあまり知りません。
なので外国人の方々、特に低賃金の方々の犯罪率が日本人と大差ないという分析には少々違和感があります。なので自分にはこの記事を書くに当たりバイアスがあります。
追加に言っておきますがもしこの分析で外国人の方々の方が一般的な日本人と比べて犯罪をする傾向があると結論したとしても次の分析するべき質問は外国人の方々が来ることによる経済的な恩恵です。ただこれは正確に測るのが結構難しいと思います。
ここで主に見ていきたいものは
1.日本人の犯罪率に比べて外国人の方の犯罪率はどのように違うか
2.外国人の方は国籍別に日本人と比べてどのような犯罪をする傾向にあるか。またどの種類の犯罪が減少傾向でどの種類の犯罪が増加傾向にあるか
3.司法において外国人の方と日本人を裁くときにおいて執行猶予において違いはあるか
です。
犯罪において統計やデータが欲しい場合一番引用されている場所は法務省が出している犯罪白書です。なのでこれを主に参照しますが同時に外国人犯罪についてのブログも引用するかも知れません。
では見ていきましょう。
日本人の犯罪率に比べて外国人の方の犯罪率はどのように違うか
まず、このテーマを議論する前にブログや記事を結構拝見しました。ここにおいてほぼすべての記事は統計的に見れば外国人の犯罪率増加などは存在しないという結論になっていました。ですが個人的に面白かったのは同じ統計や確率を見ても人によっては違う結論を出し得るものが所々にあるように感じました。
例えばほぼすべての記事やブログに引用されている「外国人が増加すると治安が悪化するのか?犯罪統計による検証」を見ていきましょう。
「外国人が増加すると治安が悪化するのか?犯罪統計による検証」
ここにおいては2023年までの外国人犯罪と日本人犯罪の比較が警察庁の犯罪の資料 から行われています。
ここにおいて最初に事実としてあるのが「人口当たりの交通業過を除く刑法犯の検挙人員を見ると日本人が1,000人当たり1.47人,及び外国人が2.39人となっている。また,殺人などの凶悪犯罪については,日本人が0.04人,外国人が0.08人となっている」です。
なので単純計算で言いますと普通の検挙数は日本人の1.6倍程度で凶悪犯の数は2倍程度となります。ここでまず指摘したいのはアメリカなどですと移民の方はアメリカに住んでいる方たちより検挙される確率が低いです。なのでここからの理論は正直他の国で移民政策の犯罪増加を否定する際にあまり見たことがないです。
「外国人が増加すると治安が悪化するのか?犯罪統計による検証」の主張はこれらの犯罪率の増加は日本人が高齢化社会によって極端に老人化し犯罪をしなくなる傾向があるのに対し入ってくる外国人の方は若年層だから犯罪率が高いと言ったものです。これを考慮し筆者がやったことは
1.日本人の年齢別犯罪率を計算する。
2.外国人の方の年齢別の人口がわかるので1から推定の犯罪数を計算する。
3.実際の外国人の犯罪総数と比べる
これによってできたものが以下の文章です。
「 その結果,外国人の検挙人員の推定は6,870人となり,実績値は推定値の約1.3倍の9,004人となった(図5 )。また,凶悪犯については推定値が234人であるのに対して,実績値は314人であり,推定値の約1.3倍であった。このことは,外国人の犯罪率は若年人口が日本人よりも多いという年齢構成の違いを考慮しても,なお日本人よりも高いことを示している。」
ここにおいて重要になってくるのはこの値が高いか低いかです。筆者の方はこの犯罪率より犯罪率が高い都道府県、または年齢層があることからこれは「誤差の範囲」と主張しています。個人的にはここまでの統計には異論はないですがここの結論への論理は反対です。
そもそもなのですが犯罪する確率が同じ年齢層でも30%高くなる人口が増えることは問題がないと主張するのは個人的には苦しいと思います。
アメリカに住んでいましたがシカゴやフィラデルフィアなどの都市はアメリカ全体に比べて犯罪率が高いです。シカゴなどは一つの都市、2.7百万人程度でほぼ日本と同じくらいの殺人件数があります。
これは仮定の話ですがもし入ってくる人口が年々増えシカゴの方たちとほぼ似たような犯罪率の傾向があるとしたらアメリカの治安は確実に悪くなります。一番治安が悪い場所と比べて誤差の範囲と主張するのは難しいと思います。(これは完全に仮定の話で、アメリカの場合ですと日本とは違い入ってくる移民の方々のほうが治安はいいです。)
ですがここで「外国人が増加すると治安が悪化するのか?犯罪統計による検証」も一つの反論があります。これは年々外国人犯罪の検挙数が減っているということです。現在の日本に住む外国人の方たちの総数「在留外国人の年末人員(中長期在留者と特別永住者の合計数)」は2023年には「341万992人」と外国人の方たちが増えているのに対し犯罪件数は犯罪白書から見れる通り減少傾向です。

(この部分は令和6年犯罪白書出典です。リンクはここです)
ではどのような犯罪が増加傾向でどのような犯罪が減少傾向にあるか見ていきましょう。
外国人の方は国籍別に日本人と比べてどのような犯罪をする傾向にあるか。またどの種類の犯罪が減少傾向でどの種類の犯罪が増加傾向にあるか
これは以下の2つのグラフで見れます。これは令和6年の犯罪白書からです。


ここにあるように窃盗などが減少傾向なのに反して薬物、傷害暴行、詐欺、不同意性交などの犯罪が増加警告にあり、外国人の方たちによるレイプや暴力、ドラッグによる視点によってはより凶悪な犯罪が増加傾向だということがわかります。実際に凶悪な犯罪件数と外国人人口の増加を比べてみると面白いかも知れません。
国籍別にはどうでしょうか?「窃盗は、ベトナムが3,130件(検挙人員836人)と最も多く、次いで、中国1,039件(同571人)、ブラジル229件(同122人)、フィリピン203件(同148人)の順であった。傷害・暴行は、中国が294件(同329人)と最も多く、次いで、ベトナム166件(同181人)、ブラジル113件(同113人)、フィリピン100件(同116人)の順であった」とあり、国別によって犯罪の傾向が変わっているようです。

は令和3年の資料です。

は令和4年です。
不同意性交における国別のグラフはないので作れるか見てみますが大まかな傾向として傷害、暴行、詐欺は中国の方で万引きや窃盗、侵入窃盗など上で減少傾向に見られる犯罪はベトナムの方が多いという傾向でしょうか?
このブログでは更に在留資格別の犯罪率のグラフが出されています。

ここで面白いのが検挙が大きく減っている在留資格は留学や短期滞在と言った一時に入国している外国人の方たちで技能実習、特定活動、技能・人文知識・国際業務の方たちの検挙数は増加しています。
特定活動、技能・人文知識・国際業務はよくわかりませんが技能実習制度はブラック、低賃金かつベトナムの方たちがこの制度を使う際には100万円もしくはそれ以上の借金が背負わされると聞いています。もちろん犯罪をする免罪符ではないですが経済的困窮をここまでさせてから入国する制度の理由がよくわかりませんでした。
後に時間が空けばデータをもとに分析などを進めていく予定ですが主に減少した犯罪は窃盗や万引きなどで増加傾向の犯罪は性犯罪、詐欺、傷害暴行です。技能実習生による犯罪が令和二年の段階では一番多く短期滞在の方々による犯罪は減少傾向です。ここにおいて詐欺、傷害暴行は中国の方たちが高い比率を持っているので在日中国人の増加と比例しているのか見て見る価値があるかも知れません。ですが単純に「中国(台湾を除く。82万1,838人)が最も多く、次いで、ベトナム(56万5,026人)、韓国(41万156人)の順であった」とあるように中国の方たちの在日の人口が極端に国籍別に高いので犯罪の総数も多く見られているのかも知れません。後で犯罪率も国籍別に見てみたいです。
なのでここでは正直より分析が必要で安易な結論は難しいので時間が空けば後でやってみます。ですが正直安易に犯罪件数が減っているから外国人犯罪は問題がないと言えないと思います。
司法において外国人の方と日本人を裁くときにおいて執行猶予において違いはあるか
最後に外国人と日本人を裁く際にどのような違いがあるか見ていきたいと思います。
以下は令和6年の資料です。ここにあるように

ここではほとんど無罪でないので無罪の確率を無視することとしました。ここで面白かったのは薬物関係の犯罪は全部執行猶予の確率が結構高く、入管法においてはほとんど必ず全部執行猶予、刑務所に入らなくていいようになってます。ここにおいて日本人の「全部執行猶予率は65.3%」です。では外国人の方はどうでしょうか?犯罪白書の令和6年ではこのリンクにあるように86.1%と日本人と比べ執行猶予になる確率が極端に高いです。正直なぜこうなのか結構興味があります。入管法を除くと78%ですがそれでも結構日本人と比べ高い執行猶予の確率と見て取れます。
かんたんに言えば日本人より外国人の方たちのほうが犯罪し刑務所に行く確率は低いです。
もしこの理由をわかる方がいたら教えてください。
安易に外国人を優遇しているとは思いませんがより犯罪などの立証や動機の証明が難しいのでしょうか?もしくは単純に執行猶予になりやすい犯罪をする傾向が外国人にはあるのでしょうか?
もし何か明らかに間違っている箇所などあったらお知らせください!後で不足の分析をたしていこうと思います。