ミセス厭世のブログ

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うつではありません。厭世です。

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そう天気も悪くない今朝の話。


朝風呂で優雅なひと時を過ごした私。

のぼせ気味だったため、湯上りにほぼ全裸で、風通しの良い居間へ足を向けた。

地上数十階の我が家は、窓を開け放てば結構な勢いの風が室内に入り込んでくる。

近隣には家やマンションが少なく、覗かれる心配も少ないため、基本的に天気のいい日は窓を開け放ち、

ロールカーテンも上げきっているのが常なのだ。そう、こんな風呂上りなどは殊、気持ちが良い。

(安心してください。腰にバスタオル巻いてますよ。)


冷蔵庫から牛乳パックとアイスコーヒーのボトルを取り出しグラスになみなみと注ぐ。

尋常が無く喉が乾いているので、なんでもいいから早く飲みたい。

グラスに口づけ、まずまず冷えたミルクコーヒーを味わいながら、涼風を送り出し続ける窓のほうを眺めた。

そこで、不穏な気配に気づく。


……ん? 何か窓の外に見える。


窓の外には、天空から垂れ下がる一本のロープ。

それは前ぶれだ。そう、この一本のロープはもう間もなくこの階が容赦ない監視下に置かれることを示していた。

久々のお出ましか……!

まったく、毎回不意をついてくるじゃないですか、マンション外壁清掃の方々。


ちょうどひとつ上の階辺りで留まり、今にも降下してきそうな気配を漂わせる清掃ゴンドラ。

この窓全開の状態で清掃員の方たちが下りてきたら、ほぼ全裸の私が見られてしまう。


隣室に逃げるか? いや、それにしても部屋が汚い――汚すぎる!


 ほぼ全裸の私の背後には、片づけていない朝ごはんの食器と、畳んでいない洗濯物の山、さっきまで着ていた服と下着が無残に散らばっていた。

羞恥レベルでいえば、この状態の部屋を見られるのは全裸を見られるのとあまり変わらない。防ぐ方法はただ一つ。「清掃員の方たち側の窓のロールカーテンを直ちに降ろすこと」。


慌ててロールカーテンを降ろしに窓へ駆け寄る。

今まさに清掃員の方たちが降下してくるところだ。ちょ、ちょ、待って! 危ない!

紐を引くと、シャッ、という勢いのよい音とともにロールカーテンが下りた。少し暗くなる室内。


直後、左右に揺れるゴンドラのシルエットがロールカーテン越しに見えてきた。腰に巻いたバスタオルがけっこう前に床に落ち、完全に裸となった私は、ニキータの如く窓の下で息をひそめる。ゴンドラに乗った二名の作業員の方たちはワイプ作業でごとごととゴンドラを揺らしながら、ゆっくりと下の階へと下りて行った。


どうにか全裸と汚い部屋を隠し切り、安堵する私……。


―-―とはいえ、こんな上空で作業とは……本当に頭が下がるよなぁ。


高所恐怖症の私から見れば神の偉業とも取れるマンション外壁清掃。彼らのおかげで毎日きれいな景色を拝めるのだ。

この気持ちも込みで、出来事をブログに書き留めないとな、そうだすぐやろう、と、全裸のままPCを開く私。高揚感と、安堵感の急激な上がりさがりに脳が活性化しているからか、筆がサクサク進む。再びミルクコーヒーのおかわりも用意する。よし、集中して書き物ができそうだ。


そうして東側の外壁清掃を終え、今度は西側窓の清掃で再びゴンドラが自分の背後を通過するということを忘れ、西側の窓を完全に開けたまま、私は全裸で作業を進めたのであった。