現代を生きる私たちの前には、100年前、200年前に生きた先人たちが自身の人生を記録として残しています。
いわば、自伝という形で自らの経験や学びを後世に伝えているのです。
これらの記録を読むことや、そこに記された人生の原則に触れることで、ある重要な真理に気づくことができます。
ハーバード大学やケンブリッジ大学などの研究においても、脳科学の分野から同様の結論が導かれています。
それは、「やらなければならないこと」をこなすだけでは、
人は“生きている実感”を得ることができない、という点です。
すなわち、生き残るための行為と、人生を生きるという体験は異なるのです。
人生の最後に「やるべきこと」だけを果たしてきた人々は、多くの場合、
「自分は最高に生き切った」という感覚を得にくいといいます。
一方で、「やらなくてもよいこと」にも積極的に挑戦し、そこに時間と情熱を注いだ人こそが、
真に“生きた”という実感を味わうことができるのです。
この「やらなくてもいいのにやる」という行為こそ、人間らしさ=ヒューマニティの根幹にあります。
ロボットが与えられた指令を淡々とこなす存在であるのに対し、
人間は感情をもち、自由意志によって行動する存在です。
したがって、私たちが人間として生きるうえで大切にすべきキーワードは
“人間らしさ”であり、そこにこそ「生きている実感」が宿ります。
一方で、「やらなければならないこと」だけを追い続けると、
人生の軸は“損得”や“効率”といった基準に偏っていきます。
そうした世界では、最終的に「生きた」という感覚が薄れてしまいます。
逆に、「やらなくてもいいこと」に取り組むことで、人は“愛・貢献・感謝”の世界へと
生き方の質を移行させることができます。
これらは損得の尺度では説明できない、人間らしい生の本質に関わる価値観なのです。![]()