昨日、一緒に『関心領域』を観に行った友人が勧めてくれたのがこの作品。

 

 

『縞模様のパジャマの少年』"The Boy in the Striped Pajamas"(小説はイギリス英語なので、パジャマのスペルが "Pyjamas"です)

 

 

映画は小説を元に、2008年アメリカ・イギリス合作で製作されました。

 

 

 

 

Amazon Primeでレンタル400円のところ、99円になっていたので早速昨夜のうちに観てみました。

 

 

とてもきれいな分かりやすいイギリス英語で気持ちが入り込めました。(ナチの軍服を着た人たちが英語でしゃべるのは最初違和感がありますが、日本語吹替と同じ。じき慣れます)ほんわか

 

 

『関心領域』と同じく収容所の指揮官一家の話です。指揮官の父親役は、映画『ハリー・ポッター』シリーズで狼人間リーマス・ルーピンを演じたデヴィッド・シューリス

 

 

 

 

主人公はその8歳の息子ブルーノ。この子がまた純粋な目をしてて、とてもかわいい💗

 

 

 

 

演技も自然で上手です。演じているのはエイサ・バターフィールドという俳優さん。ググったところ今の写真が出てきて、だいぶ太って印象変わってたのでビックリしました驚き『セックス・エデュケーション』に出演中)

 

 

『禁じられた遊び』もよかったけど、こちらの「禁じられた友情」も泣ける。

 

 

軍人である父親の都合で、友人が多く楽しく暮らしていたベルリンから、人里離れた収容所の近くに越してきた一家。

 

 

ブルーノは学校にも行けず、寂しい日々を過ごしていたが、ある日家を抜け出して窓から見えていた農場(収容所なんだけど)に遊びに行く。

 

 

だが、農場だと思った所には鉄条網があって入れない。そばにすわっていた少年シュムエルに話しかけるブルーノ。

 

 

「なぜ、昼間なのにパジャマを着ているの?」

 

 

ブルーノには、それが囚人服だということや、なぜ彼らが外に出られないか理由も分からないが、知らない土地で初めて見る同年の少年と交流を持つことが楽しくなっていく。

 

 

やがて、収容所からの煙の臭いに気づいた母親は、何が起きているかを知って心を痛め病んでいく。彼女の状態や子供たちの環境を考えて、また別の場所に引っ越すことになるのだが、その別れの日に悲劇は起きた。。。

 

 

という心を揺さぶられる問題作でした。こちらは、もういっぺん観たくなるほどよかったです。ライフ・イズ・ビューティフルと同じくらいオススメ。

 

 

で、これを観て、やっぱり昨日の映画のヘスの奥さんが死んだユダヤ人の毛皮をうれしそうに着ているのは異常なことだと思いました。

 

 

確かに、家族には大虐殺のことは知らされなかったそうだけど、銃声や(人を焼く)煙と臭いから、何か恐ろしいことが起きてるのは分かりそうなものです。

 

 

あんな中で、自然の環境が子供たちにいいとか(確かに周りはきれいな所だけど)、庭を自分の好きなようにアレンジしたから出て行きたくないとか、変でしょ!

 

 

実際、ヘスの奥さんが連れてきた母親は、だんだんいたたまれなくなって書き置きして出て行ったんだから。あの母親や、ブルーノのお母さんみたいに、普通の神経の人はおかしくなって当たり前だと思いました。

 

 

さて、ここから先は映画をみる前に疑問だったことが分かったので覚え書きで書いておきます。ネタバレになるので、ご注意ください。

 

 

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引っ越しの日、ブルーノはまた家を抜け出してシュムエルのいるキャンプに向かう。シュムエルの父がいなくなったと前日に聞いたので、一緒に探す約束をしていたのだった。

 

 

どうやって「縞模様のパジャマ」を調達し、どこから潜り込むのかが謎でした。(入り込むのはWikipediaに書いてあったので知ってしまった)

 

 

囚人服はシュムエルが調達した。持ち出すと怪しまれるので上から重ね着した(賢い!)。

 

 

潜り込むのは、ブルーノが家からシャベルを持っていき、鉄条網の下を掘って文字通り潜り込んだ。

 

 

でも、2人はシュムエルの父親を探しているうち、召集のかかった部屋に入り込んでしまい、たくさんの大人たちと一緒に外に連れ出される。

 

 

折しも外は雨。濡れたからとシャワー室に連れていかれ服を脱がされるが、そうそこは毒ガス室だった。

 

 

ブルーノがいなくなったことに気付き、大人たちは探し回る。フェンスの外に脱ぎ捨てられた彼の服と、通り抜けた穴を見つけ、父親と部下たちは急いで中に入って探し回る。

 

 

が、最後のシャワー室にたどり着いた時には、すでに遅かった。父親と外で待つ母親は真実を知って嘆くのだった。

 

 

という内容です。自分が効率よく大量に殺す仕組みを作っておいて、それに息子が入り込むなんて、皮肉すぎて言葉もありません。ユダヤ人にだって、大切な家族がいたことを思い知ったことでしょう。

 

 

ちなみに、昨日の『関心領域』に出てきたアウシュビッツ収容所の所長ヘスは、戦後裁判にかけられてアウシュビッツにて処刑されたそうです。

 

 

でも、100万人も殺しておいて死ぬのは(当然だが)1回だけなんて割に合わないから、きっと地獄で閻魔様に100万回焼かれて苦しんだんじゃないかと思いたいメラメラドクロ叫び(こわっ)