私は言葉を扱うプロ(の端くれ)ではありますが、つい間違って使ってしまう言葉があります。

 

 

正月早々、間違えたのが「元旦」

 

 

このブログにも何度か「元日」を「元旦」と書いてしまっていました。これは恐らく小さいときから、年賀状には「元旦」と書くものだ、と親に教えられていたので「1月1日」=「元旦」と刷り込まれてしまってるからだと思います。

 

 

ご存じのとおり、「元日」は1月1日 のこと。「元旦」は1月1日の「朝」だけ のことです。「旦」の字は朝日を表すからだ、と知ったのは大人になってから。(今みたいにネットで調べられなかったので)

 

 

だから、ついうっかり1月1日のことを「元旦」と書いてしまうことがあるのです。能登半島地震が起きたのは午後4時過ぎのことだから、朝ではないのに「元旦」と書いてしまっていました。お恥ずかしー。

 

 

数日後に気づいてこっそり直しておきましたニコニコ(お気づきになった方、失礼しました)⤵

 

 

 

 

次につい最近、間違えたのが「対処療法」

 

 

今回罹ったコロナには、インフルエンザのように直接効く薬がありません。とりあえず、熱を下げる・喉の炎症を取る・咳を鎮める、などの困った症状を抑える薬を処方されるのみ。

 

 

これが「対症療法」です。

 

 

「症状」に対処するからですね。でもその「対処」には「対処法」という使い方もあるので、つい間違えます。

 

 

また会話では「たいしょりょうほう」と言っているように聞こえるので、そのように打ってしまい、そのまま変換されても気づきませんでした。

 

 

雰囲気(ふんいき)を「ふいんき」と打って変換されず、「あれ?」となる感じ。変換されなければ気づくのでいいのですが・・・。日本語は間違って(あるいは省略されて)読まれている語句が結構ありますよね。

 

 

先日も友人たちとのLINEのやり取りで「対処療法しかないからねー」と打ってしまって、後から気づきましたネガティブ

 

 

また、言葉の変遷により、間違いではなくなる使い方もあります。

 

 

その一つが「ヤバい」です。

 

 

昔はそれこそ「ヤバい」方たちが使う悪ーい言葉だったのですが、だんだん普通の人たちも使うようになり、「悪い」という意味だったのが、いい意味でも使われるようになり、今ではどっちの意味だか分からなくなりました。

 

 

これは英語の "bad" も同じ。「悪い」という意味だったのが「カッコいい」を表すようになり、こちらもどっちの意味だか分からない言葉に。。。

 

 

間違いかと思ったら、間違いじゃなかったのが「全然」の使い方。

 

 

私が子どもの頃は「全然~ない」と否定語と一緒に使う、と習いましたが、最近では「全然平気」「全然いいよ」「全然オッケー」などのように肯定語と一緒に使うようになりました。

 

 

これ、間違いだという人もいますが、実は昔から肯定語と共に使われていた言葉。

 

 

夏目漱石の『坊ちゃん』(明治39年) に「一体生徒が全然悪いです」という記述があるそうですよ。「一体」の使い方も独特ですね・・・汗うさぎ(参照:マイナビニュース

 

 

混乱するのが「間違い」と「間違え」

 

 

どちらでもいい、と解説するものもあるようですが、基本的に名詞の場合は「間違い」、動詞変化の場合は「間違え」だと思うのですよね。

 

 

「間違い探し」〇 「間違え探し」× 「間違える」〇

 

 

でも「取り違え」という名詞はアリなので、ややこしい。

 

 

あと、気になるのは「話」と「話し」

 

 

これも、「話」が名詞、「話し」は動詞です。

 

 

「話がある」〇 「話しがある」× 「話した」〇 

 

 

ややこしいのは「おはなしする」。これは「お話する」なのか? 「お話しする」なのか?

 

 

 

「お話」が名詞なので「お話をする」は問題ない。

 

 

だけど「お~する」は動詞の連用形を使うので、「お返しする」「お渡しする」と同様に「お話しする」とするのが正しいようです。

 

 

難しいな、日本語の表記。「お話しします」なんて「し」が1コ余計な気がするんだけど。。。汗うさぎ そのうち「ら抜き言葉」と同じように消えてなくなるかも?

 

 

私は今でも「着れる」「見れる」が気持ち悪いですが、小さい頃からそれを聞き続けていたら正しいと思ってしまうし、そうやって言葉は変遷していくのでしょう。

 

 

ただ、学校の教師や大人たちがきちんとした言葉遣いを教えていかないと、どんどん正しい言葉遣いが分からなくなりますね。

 

 

高校生に面接練習していた時に、丁寧語でしゃべれと言っても、「でも」とか「だから」とか普通に使う子が結構いて困りました。

 

 

字幕も基本的には「話し言葉」(あ、これも「話し」ですね)ではなく「書き言葉」であり「読み言葉」なので、セリフはともかく地の文では丁寧語

 

 

「でも」は「しかし」「ですが」、「だから」は「なので」「ですので」などとします。

 

 

普段うっかり間違ったり不適切な言葉遣いを使ったり見聞きしていると、元の正しい表記が分からなくなるので、気をつけていきたいと思います。

 

 

 

追記:コロナ感染3日目の症状


ロキソニンのおかげで熱は下がり、喉の痛みもだいぶ和らぎ食事はできています。反対に鼻水、鼻詰まりがひどくなり、寝ていると詰まって口呼吸になり、起きているとしょっちゅう鼻をかむことになりますが、だいぶ風邪の症状になってきました。

 

ただ、薬が切れるとだるくなるのでしっかり薬を飲んで静かにしています。しゃべる相手がいないので、気づくと独り言をブツブツと(「あー、それはヤバいよね~」とか)・・・いったい誰にしゃべってるんだ。自分がヤバい人になりつつあります汗