今日、5月9日はロシアの対ドイツ戦勝記念日とのことで、プーチンが演説を行いましたが、ちょうど夕方のニュースで同時通訳が入り、聞いてました。

 

 

最初のほうで「他国を侵略することはとても恐ろしいことであり、死をもたらすことです」とのたまわったので、のけぞってしまいました。他国を侵略して民間人を大量虐殺してる張本人が何を言ってるわけはてなマークオエー

 

 

もう聞いてられない!と思ったら、その某局の同時通訳の方も聞くに堪えなくなったのか(?)、しどろもどろになってところどころ声は小さくなるわ、文は細切れだわ、何を言ってるのかわからなくなりました。

 

 

ちょっといたたまれなくなって、チャンネルを切り替えたら日テレの方は淀みなくしゃべれていて聞きやすい通訳でした(日本人通訳)。

 

 

ロシア語はしゃべれる人が少ないだけに、上手な同通確保が難しいんでしょうねえ。でも、完璧なバイリンガルなんてほとんどいないですから、どちらかの言葉が優位なわけで・・・某局の方は日本語が追いつかなかった印象でした。

 

 

翻訳なら時間をかけて単語や表現を調べて、何度も見直しができるからまだいいけれど、それでも誤訳は出てしまうもの。通訳、それも同時通訳は一瞬の判断で訳すのだから、本当に大変なお仕事だと思います。

 

 

誤訳と言えば、先ほど夫に聞いたのですが、先週土曜日のチャールズ国王の戴冠式。同通の方が " lots of colours" をそのまま「様々な色」と訳したのが、ツイッターで話題になっていたとのこと。

 

 

「え?何がいけんの?」驚き と思ったのですが。。。

 

 

実は、"color / colour (英)" には「軍旗」という意味があるんだそうです。確かに辞書を引いてみると『ジーニアス』でも5番目の意味に「the ~s, 国旗、軍旗、連隊旗」などの意味が載っています。用例としては、the King's colours で「英国国旗」とあり、複数形で使うようです。

 

 

だから、その "lots of colours" は「さまざまな軍旗」という意味だったらしく。

 

 

えー、そんなの知らなかったー。イギリス人なら絶対にわかるんですかね?てか、あまり日常生活では使わない言い回しですよね。歴史や社会の教科書とかなら出てくるのかな。

 

 

↑と、ここまで書いてさらにググったら、マーチングバンドの「カラーガード」は「軍旗隊」から来てるそうで・・・そう考えたら「知ってたわー」となって驚いたびっくり

 

 

でもそんなこと、AIじゃあるまいし、頭の中で一瞬でつながらないっしょ。

 

 

通訳さんだって後から気づいたかもしれないけど、どんどん流れてっちゃうから訂正はできないしね。ほんっと同通はつらい。

 

 

以前、同通の方が書いた記事で、事前の下調べがすごく大事だとありました。話す方の過去のスピーチを調べたり、話し方のクセを知ったり(よく使う言い回しや比喩とか)、話す話題について語彙の一覧表を作ったり・・・。すごい仕事量だと思いました。でも、その下調べによって、通訳の出来不出来がきまるんだから必死ですよね。

 

 

逆に、その人の話す内容やクセがわかっていると、余裕ができて訳しやすくなるだろうし。

 

 

普段から時事英語の記事を読んだり、聞いたり、たくさんのインプットもしないとなあ。私なんて、もう何十年、英語を勉強して教えてもいたのに、まだまだ知らない単語の意味や言い回しがあって、英語も翻訳もいまだに初心者マーク🔰が取れません。

 

 

でも、だからこそやってて気づきがあって面白いのかな。毎日毎日、気づきの連続。

 

 

通訳の方に比べたら、見直す時間がかなりあるんだから、ひたすら辞書を引いて徹底的に調べまくろうと思いました。

 

 

中年老い易く学成り難し、日々是調べ物也。

 

 

暇になったのでまた久しぶりに写経して勉強しよっと。