TBS日曜劇場で2019年113日から放送されている『グッドワイフ』

 


録画したものを今週から観始めましたが、最初のクレジットで゛原作 based on “The Good Wife” produced in the United States by CBS Television Studios とあるのを見て、初めてアメリカCBSドラマのリメイク版だと知りました(知らずに録画してたー ^^;)。

 

 

調べたところ、アメリカ版は、20099月から20165月までの7年間(シーズン7まで)続いた人気ドラマでした。

 

 

まず、日本版の内容です。第1話のタイトルは『家族の裏切り』

 

 

 

 

主人公の蓮見杏子(常盤貴子)は、司法修習を首席で終了後(アメリカ版ではジョージタウン大学の司法大学院をトップで卒業)、大手の法律事務所で3年働いたのち、子育てのために家庭に入り専業主婦をしてきましたが、東京地検特捜部長の夫・蓮見総一郎(唐沢寿明)が収賄罪で逮捕され、また女性との不倫スキャンダルも明らかになる中、子供たちとの生活を守るため、16年ぶり(アメリカ版では13年ぶり)に弁護士に復帰します(この時点で44歳)。

 

 

久々に見た常盤貴子さん、お美しい40代になっていました♪ 長く家庭に入っていた良妻賢母の女性が、徐々に優秀な弁護士として力を発揮し被告を無罪に導いていく様を自然体でみごとに演じています。

 

 

杏子は優秀であるのに控えめで、また子供には優しいお母さん。子供たちもお母さんの復帰を祝ってくれるとても良い子たちで、特に高1の息子はお母さんを一生懸命サポートしてくれてけなげ。こんな母親思いで気の利く いい息子いるか? 父親が逮捕されて転校も余儀なくされたのにグレもせず…。

 

 

杏子が復帰して初めて扱うケースは、4歳の女の子がスーパーを出たあと親が一瞬目を離したすきに行方不明になり、後日その母親が疑われ、母親がそれを苦に自殺してしまうという事件でした。

 

 

疑いの発端は、武田鉄矢演じる日下部というジャーナリストが、番組の中で「母親が育児ノイローゼから子供を殺して埋めた」という情報を流したことです。子供の父親は名誉棄損で日下部を訴えますが、日下部もまたその父親を名誉棄損で訴えるという裁判になります。

 

 

杏子は、父親側の弁護士として地道に丁寧に関係者の話を聞き、依頼人の心に寄り添いながら証拠を積み上げ、相手を追い詰めていきます。

 

 

なかなか面白かったので、アメリカ版を探したところ、Amazonプライムで見放題になっていたので、第1話を見てみました。原題は “Pilot” (邦題『夫の裏切り』

 

 

 

 

 アメリカ版では主人公の名前はアリシア・フロリック。夫はピーターでクック郡の州検事となっています。公金横領で逮捕。セックス・スキャンダルは同じです。主人公と家族の状況設定はほぼ同じですが、やはりアメリカ版。主人公の性格は日本版より強くてはっきりしています。

 

 

まず、アリシアは夫の辞任記者会見に同席した後(アメリカではよくあるパターンです。クリントン氏のスキャンダルの時もそうです、というか、それがネタ元のようですね アセアセ)、2人きりになったところで夫の顔をひっぱたきます。それから、これまたアメリカではフツーのことですが、お姑さんをファーストネーム で呼び、思ったことはストレートに吐き出します。

 

 

“I need you to forgive him, Alicia.” (アリシア、息子のことを許してあげて)

“Oh, Jackie, stop it, please! Peter wasn’t thinking of us.”

(やめてジャッキー(姑)、ピーターは私たち家族のことなんて考えてなかったのよ)

 

 

きゃー、日本だったらこんな口答え、ありえない〰 ポーン 

姑の前で夫の悪口なんて(思ってても)言えない〰  笑い泣き

 

 

娘も「お父さんの相手の娼婦は私と同じ10代だった?」と母親にストレートに聞くし、アリシアもそれに対して、「みんな20歳以上だった」とハッキリ答えます 滝汗

 

 

第1話でアリシアが任されたケースはプロボノ (“pro bono”  pro=for, bono=good” ラテン語で「無料奉仕」。この法律事務所では全体の約5%をプロボノで引き受けている)

 

 

元夫を殺された小学校の女性教師が、偽装殺人の疑いで逮捕されたという事件です。駐車場でタイヤがパンクし、本人は、赤いトラックを見たと言っているのですが、警備員の目撃情報と監視カメラ(surveillance cameraの映像にないために証拠がありません。

 

 

その結果、12人の陪審員(juryのうちのほとんどが 有罪(guiltyと思うのですが、1人だけどうしても 無罪(not guilty or innocent)と主張する人がいて、結局最終的に 評決 (verdict)  に至りませんでした。

 

 

そのとき、使っていた表現が 有罪conviction,   無罪 acquittal  です。

conviction は動詞 convict (有罪の判決をする / 信念を持つ)の名詞、acquittal -al がつくので形容詞っぽいですが、動詞acquit(証拠不十分で) 無罪を宣告する / 解放する)のれっきとした名詞です。

 

 

初め、「クイドル」と聞こえて何かなあ、と思ってconviction の反意語を調べたら、acquittal でした(^^;  やっぱり、知らない単語はちゃんと聞こえない ショボーン

 

 

そして、容疑者は仮釈放されるのですが「電子監視装置」(electric monitoring) を足に付け、行き来はホテルと弁護士事務所のみ、という条件です。有罪になるまでは犯人ではないので放してあげるけど、がっちり取れないGPS監視装置の足輪を付けるというのは、いかにもアメリカらしいシステムです。

 

 

とにかく、無実を主張しているのに状況はとても不利。娘にも会えない、と落ち込む依頼人にかける言葉がこちら。

 

 

“You won’t feel like it, but put on nice clothes and make up, for you.”

(気が向かないかもしれないけど、いい服に着替えて化粧するの。自分のために)

“Does it ever get easier?” (それで楽になるの?)

“No, but you do better at it.” (いいえ、でも強くなれる)

 

 

最後のセリフは、do good at it (うまくやれる)の比較級です。外見をきちんと整えることで心も整い、よりよくこの状況を乗り切れると言っているのでしょう。

 

 

の場面、日本版ではこうなっていました。

 

 

「まずは、カーテンを開けませんか?ごみを捨てて、掃除機をかけて、洗濯をして、おいしいものを食べて、TVもネットも見ないで日常を大切にして過ごすんです」

「それで何か変わりますか?」

「いいえ、でも強くなれます」

 

 

依頼人が男性なので、外見を整えるのではなく、日常を整えようと言っています。

 

 

今回は、日米で扱っている事件の内容が違いましたが、日本版と同じ内容のものはアメリカ版の第11話『言論の自由』にありました。

 

 

母親役を演じているのが、「シカゴP.D.」でキム・バージェス役をやっていた好きな女優さんだったので、二重に楽しめました音譜

 

 

最後に、どちらもうっとうしい夫の母親ですが、娘が設定した着メロがおもしろい。

英語版は「チャラリラ、チャラリラ…」という不気味な『トライライト・ゾーン』のイントロ、日本版は「チャチャチャン、チャチャチャン…」という『ゴジラ』のテーマ曲です。

 

 

どちらもクスッと笑えます にやり

 

 

 

 

 

日本版「グッドワイフ」公式HP 第1話あらすじ

https://www.tbs.co.jp/the_good_wife2019/story/story01.html

 

アメリカ版 "The Good Wife" 公式HP 

https://www.cbs.com/shows/the_good_wife/