9月はアメリカの新学年の季節であり、息子は中学に、娘は幼稚園年長になった。
通常の生活リズムに戻り、朝から夕方まで仕事、その後は子供のサッカーに、そして新しい家族となった犬との生活。一度にドドっと始まった。
ちなみに毎週決まった曜日が補助犬訓練の日となっているので、私はその日に休みを貰っている。だがしかし、訓練所までは車で2時間なので、休みといっても身体は休まない。もはや心身共に限界が近づいていた。







訓練の日。夫がドッグトレーナーとボランティアの皆さんと訓練をしている間、私はケアギバーグループに参加している。ケアギバーとは日本語でいうところの“介護者”であるが、私たちの場合はパートナーがPTSDもしくはTBIである集まりである。






初日はまず自己紹介を簡単にして、現在の心境や何か困っていることなどを、この訓練プログラムを卒業したケアギバーのボランティアさんやソーシャルワーカーの方を交えて、グループカウンセリングのような内容で1時間ほど懇談をする。
私の他にその日は2人の新人さんがおり、2人の紹介を終えたところで私の番となった。





簡単に自己紹介、家族のこと、夫とのこと、そして犬のこと、猫との折り合いのこと、息子の事件のこと…話していくにつれて感情的になり涙がポロポロ出てきた。





誰も「おかしい奴」とか「なんで泣いているんだ」とかジャッジせずにただただ受け止めてくれた。私の今ある感情は間違いじゃなくて、それでいいんだと肯定してくれた。








それから1ヶ月経ち、相変わらず学校、仕事、サッカー、訓練の繰り返しで毎日バタバタとしていた。犬には愛着が湧くようになってきた。依然として雄猫は犬とバチバチしているが、「まぁそんなもんだな」と少し余裕を持って見れるようにもなってきた。






でも身体が悲鳴をあげていた。






毎朝起きると耳鳴りがする。耳鳴りなのかザーザーいうような感じでドクドクとするような。
そして物忘れが酷くなった。記憶力だけは自慢でスケジュール帳とか要らないぐらい、大体は記憶できる。でも本当に10月あたりは物忘れが激しかった。
同時に仕事の昇進の面談を終えて、結果待ちをしていた。
待っている間の数週間はとてもストレスを感じていて、慢性疲労、心労、どれぐらい酷かったと言えば「あれをしたら気分がリフレッシュ出来るかも」と考えることが出来ないぐらい。
それでも毎週訓練に行き、ケアギバーグループの懇談に参加した。






10月のある週。
もう本当に限界だった。
今の状態を話して、自分が自分でないような気がしてきた、と話していくうちに涙が止まらなくなった。横にいた女性が「抱きしめてもいい?」と聞いてくれて、肩を貸してくれ、泣いている間ずっと「あなたは十分頑張っているわよ。」と励ましてくれた。
弱音を吐いてしまったが、でもこの優しさに触れられたことで私は変われた気がした。これは自分に必要なステップだった。(ちなみにこの日の数日後に昇進試験に合格したと知らされた。)
このケアギバーグループの皆さんと出会えたのも何かの縁で必然だったのだろうと思う。
私は本当に人に恵まれている。