弁護士の就職活動も民間の就職活動と大きく変わりません。

 

よくある流れとしては

 

1.事務所訪問,説明会

2.エントリーシート(志望理由書等)提出

3.面接(1,2回)

 

です。

 

私が受けた法律事務所では,筆記試験や口述試験もありました。

 

〇書類審査について

書類審査ではエントリーシートや履歴書の内容だけでなく,以下の項目についても見られています。

① 司法試験の成績

② 学部のGPA

③ ローのGPA

④ 英語(TOEICなど)

⑤ 出身大学
 

 

とくに,②,③,⑤を重要視している事務所は多い印象です。

書類審査である以上仕方ないですよね。

また,学校での成績はその人の勤勉さなども表しているので,客観的な指標としては参考になるのかもしれません。

④に関しては大手渉外事務所や中規模事務所,一部のインハウスを希望する方はあった方がいいでしょう。

街弁希望であればそこまで重視されないと思います。

一方で①に関してはほとんどおまけ程度で,よほど良い順位や悪い順位でなければプラスにもマイナスにもならないでしょう。

成績などより,人物重視です,と歌っている事務所も多いですが,面接前にある程度人数を絞る必要がある以上客観的な資料から判断せざるを得ません。

エントリーシートだって,みんなそれなりに思考し,工夫し書いてきますのでそこまで差はつかないと思います。

とはいえ,”人物(中身)重視です!”という事務所に書類審査で落とされたら,中身を否定された気分になるので,まだ成績などで落とされる方がましな気がします(笑)

 

また,社会人経験者であれば,職務経歴書の提出を求められることが多いと思います。

職務経歴書に記載された内容は,面接でもよく聞かれると思うので,盛りすぎず,自分の言葉で説明できる程度に記載するようにしましょう。

私は30歳で学部GPAもローのGPAもとりわけよくない(2.0~2.5くらい)し,司法試験の成績も中程度,出身学部は青山学院(この業界ではかなり下の方)でしたが,職務経歴がそれなりにあったので,書類も通過できたのだと思います。

やはり,社会人を経由するメリットはそれなりに大きいと思います。
 

 

〇面接

志望動機やどんな弁護士になりたいか,弁護士を目指した経緯,取り組んでみたい分野など幅広く聞かれます。

中には

「あなたにとって,弁護士とは」 などという

オープンクエスチョンもあります。

 

質問を想定する,というよりかは,自己分析を徹底的にしておくことが大切だと思います。

 

社会人経験がある方は,それ以上に職務経験について突っ込まれることが多いかもしれません。

私も,志望動機より,職務経験の内容などを深く聞かれた気がします。

 

74期はコロナ禍であったので,面接もほとんどがオンラインでした。やはり,直接会って話すのとはちがうのでやりにくさも感じましたが,地方からでも参加できますし,メリットも多かったです。

 

〇面接後

面接から1週間ほどで採用・不採用の連絡があります。

採用が決まると,一定期間(1か月程度)以内に内定承諾書を提出し,正式に内定が決まります。

 

書類審査から内定までは,通常1か月程度かなと思います。

ちなみに私は大手渉外事務所を受けていないので,詳しくはわからないです。


 

社会人受験生って,仕事,家事,育児の関係で思うように時間がつくれないから,受験生活を投げ出したくなることがよくあります。

 

かくいう私もフルタイム社会人(公務員)でしたので,日々この苦労は感じていました。

 

始業時間は8時30分で終業時間は5時15分です。

通勤は約1時間(往復2時間)程度です。

残業時間は配属部署によってまちまちでしたたが,定時で帰れることもあれば,夜遅くまで残ることもありました。

とくに「議会対応」となると,待機命令がかけられてしまうので,自由に帰ることができなくなります。

月の残業時間は0~100時間程度,平均としては40時間くらいでしょうか。

 

もちろん,私以外にも私以上に過酷な環境に置かれている方もいるとは思いますので苦労話はこのくらいにして,本題に移ります。

 

社会人受験生のメリットとは。

 

社会人受験生とはいえ,デメリットばかりではありません。

個人的には社会人受験生であることが,合格に大いに役立ってくれてたと思います。

 

①経済的な負担が少ないこと。

これはかなり大きいところです。

公務員ですと,月の給与に加えて夏・冬にボーナスも出るので,いわゆる都市部に勤務している公務員ですと,若手でも500万円前後の年収になると思います。

家賃や生活費だけでなく,予備校代や受験料等も一人で稼ぐことができますので,独立して受験に臨むことができます。

親に負い目を感じることもないので,いい意味で,気楽に受験瀬克を送れます。

 

②社会とのつながりを感じることができる。

専業受験生ですと,朝から晩まで缶詰のように勉強することになりますし,人と会うといっても予備校やロースクールの友人等に限られると思います。

会社にいれば,上司や同僚,取引先やお客さん色々な人々と接する機会があります。

社会とのつながりがあると,自分の存在意義を感じることができますし,社会から取り残されているという孤立感もなくなります。

 

③勉強にメリハリがつく

勉強できる時間が限られているため,必然的に無駄な勉強がなくなります。

たとえ1時間でも30分でも,密度の濃い勉強ができるようになります。

そして,自分でもびっくりするくらいの集中力がつきます。

 

④体力がつき,適応力が向上する

仕事終わりや早朝に勉強するのは体力的にもとても過酷です。

また,仕事終わりで疲弊しているときであっても頭を働かせるのはとても大変です。

しかし,勉強が習慣化するころには自然と体力がつき,どんな環境であっても勉強をすることができるようになります。

司法試験に限らず,本試験当日はなにが起こるかわかりません。体調も悪くなるかもしれません。

しかし,社会人受験生は毎日の勉強により,これらについて耐性がついているため,ちょっとやそっとのことじゃへこたれません。

強靭なメンタルと体力が養われることは大きなメリットです。

 

⑤言い訳をしてもいい

よく,本気なら会社を辞めて専業になって勉強しろ,本気度が足りない,という言葉を耳にします。

本当にそうでしょうか。

自分の人生だからって,自分ひとりの身体ではありません。

親に頼れない,家族を養わないといけない,社会人受験生にはいろいろな事情があって,気軽に仕事をやめることができないのです。

本気度が低いから,会社を辞めないというのはチャンチャラおかしいです。

むしろ,本気だからこそ,会社を辞めずに勉強するという場面の方が多いと思います。

某予備校講師が社会人だからって甘えるな,といっていました。

私からすれば「は?」って感じです。

甘えていいと思います。そりゃそうでしょ。勉強だけしていればいいわけじゃないのだから。

試験の結果がよくない,成績がよくないときには会社のせいにしましょう。

それでいいんです。決して甘えではないと思います。

大切なのは勉強を継続して,家庭と両立させることなんです。

言い訳をどんどんしましょう。

だれもあなたを責めることはないと思います。

むしろ,働きながらよく頑張っているね,とほめてくれると思います。

そうです。褒められることをしているのです。

専業受験生なら受かって当たり前だろ,と責められるところ,がんばって偉いねと褒められます。

それくらい,社会人受験生には勉強以上に優先しないといけないことが多いのです。

 

⑥職域が広がる

社会人での経験は合格後の職域を広げます。

弁護士であれば,合格後の就職活動で大いに役に立ってくれますし,他の修習生との差別化も図れます。

これは専業受験生では絶対に得られないものです。

 

 

このように,社会人受験生であることにはメリットも多くあります。

デメリットばかり見えてしまうようですが,以外にもメリットは多いです。

 

偉いぞ,社会人!

すごいぞ,社会人!

 

 

 

 

 

 

 

具体的な勉強方法について,

 

1 用意する物

・問題集

 肢別本でも,短答パーフェクトでもなんでもいいです。

 個人的によかったのは,辰巳出版の肢別本と伊藤真の短答式問題集1000問というものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

伊藤真の一問一答は肢別本よりかはスマートなので,問題の量が多すぎて挫折しそうな人は,肢別本からこちらに変えてもいいかもしれません。

 

私は,憲法,刑法は肢別本,民法は伊藤真の一問一答を利用しました。

もちろん,これから受ける人は最新版を購入しましょう。

 

2.択一六法を準備

 

 

 

 

 

この択一六法は超すぐれものです。

条文を引けば関連論点を一気に学習できます。

択一の勉強で大事なのは,横断的な理解です。

解けなかった問題のみに辞書的に使うのは少しもったいないですし,場当たり的な思考になってしまいます。

 

間違えた問題だけでなく,正解した問題であっても必ず択一六法を引き,周辺知識も併せて頭にぶち込みます。

 

3.問題を解く

 時間の目安ですが,本番では5肢択一式を約2分ちょっと程度で解くことが求められます。

 そうすると,ひと肢あたりにかけることができる時間は,25~30秒。

 なので,いったんは30秒以内に正解を導けるように,訓練します。

 

4.マークを付ける

 これはよく言われていますが,

(1)理由付けまで完璧に言えるもの・・・〇

(2)理由付けはわからないが,感覚で解けたもの・・・・△

(3)間違えたもの・・・×

 

 〇なんて,最初はほとんどつかないかもしれませんが,それでいいと思います。私も△と×のオンパレードでしたから。

 ちなにみ,一度〇がついたからといって,2週目以降に解かないわけではありません。

 私は,一度解けた問題でも時間がたつと忘れてしまう危険性があったので,三回連続して〇がつくまでは,2週目以降も続けてといていました。

 三回連続で〇がつくと,さすがにそれは長期記憶として定着しているといっていいでしょう。その後はもう解かなくても大丈夫だと思います。

 

 そして,試験当日までに,すべて三回連続で〇が付くことを目指します。

 

5.択一六法を引く

 触れた条文について,その都度択一六法を引きます。

 上記×や△がついた箇所があれば,対応する条文を引き,対応箇所にラインマーカーなどを引いておきます。(これは後に一元化教材・まとめノートになるからです。)

 また,周辺部分の判例や論点に目を通します。

 あーここはこういう論点もあるなー程度で構いません。

 どうせ何度も見ることになるのでそのうち覚えます。

 マーカーなどを引いてしまうと,後に見返したときにわけがわからなくなるので,こういった周辺知識の部分は引かないか,アンダーラインにするなど視覚的に分けて引きましょう。

 

以上が,一連の流れです。

 

一日のうちにどの程度の時間を短答式に使うかですが,これはその人が置かれている状況にもよりけりなので,なんともいえません。

私は平日は一日あたり2-3時間程度しか勉強時間を確保できませんでしたが,短答式試験が苦手だったので1-2時間は短答式試験の勉強に充てていました。

 

〇直前期~試験前日について

択一六法を開きます。

そうすると,自分が間違えた箇所にラインマーカーが引かれていると思います。そこは自分の弱点です。

徹底的に見直します。

△,×の部分しかラインマーカーを引いていないので,数時間あれば一科目を回すことができます。

司法試験前日も,この択一六法をホテルや会場で読んでいました。

このころには使用した問題集のほとんどが三回連続で〇がついている状態だと思います。

この〇だらけの問題集を見返すと,圧倒的な自信がつきます。

そこらへんのお守りよりよっぽど自分を守ってくれそうです。

このように,メンタル面でも後押ししてくれます。

 

私は上記勉強方法を令和2年6月頃からほぼ毎日続けました。(毎日,といっても30分とかなので,大した苦労はありません。)

 

その結果,苦手だった短答で 127点(合格点93点)

順位も700番まであげることができました。

 

1500番を目標にしていたので,自分としては満足のできでした。

 

巷では,短答試験は努力を裏切らない,コスパがいいと言いますが,これは私も実体験からそうだと思います。

短答はやれば必ず上がります。”必ず”というと胡散臭く聞こえるかもしれませんが,短答式試験に関してはマジで上がります。

コスパがいいかはわからないけれど,論文試験の核となる基本的知識を習得でき,合格発表までの精神安定剤になるので,おすすめです。

 

短答が苦手な方はぜひ試してください。