24日、野田佳彦首相は都内の講演で、消費税率を引き上げる関連法案に関し「決断する政治の象徴的なテーマ。ここで決断できなければ、野田内閣の存在意義はない」「不退転の決意で政治生命、命をかけ、この国会中に成立させる意気込みで頑張る」「苦い薬、痛い注射かもしれないが、その効用を国民に真っ正面から訴え、理解をいただく」「万が一にも、ちゃぶ台返しをして後退させる議論はない」などと、今国会で成立させる意欲を初めて表明した。3月中の法案提出方針を堅持する意向を重ねて示し「国会審議で与野党で向き合って決勝を行う前に、準決勝で敗退することはあってはならない」としている。

 政治生命を賭けてもらいたいのは、歳出削減、経済復興、シロアリ退治の実現などにあり、この国をどのようにしていくのか、どのような国策を創り上げて行くのか、不退転の決意で当たってもらいたいところだ。

 24日夜、民主党の輿石東幹事長は、訪問している中国で、「政府も党も一日も早く法案を成立させたいという気持ちに変わりはない」「(年度内の法案提出についても)首相も不退転の決意だから、ぜひまとまってほしいし、まとめることができる」としている。党内討議の最中に中国へ行ってしまった真意がどこにあるのか。首相発言に沿った見解を示したのは、自民・公明・国民新党の増税法案に関して早期の衆院解散・総選挙を求めており、増税実現にこだわる首相が衆院解散に応じれば、政権を失いかねないとの懸念があるとのコメントが見られる。

 景気悪化時に増税を停止する弾力条項を巡り、民主党執行部は修正案を26日に提示するとある。首相の決意表明を受け、執行部は強硬突破するのだろうか。首相は核安全保障サミットから帰国後の27日夜に、社会保障と税の一体改革調査会などの合同会議に自ら出席し、了承を取り付けたい意向と伝えられている。

 野田首相も八方塞がりの状況で、「不退転」「政治生命」を賭けるとの発言には、どうにもならずに政権を投げ出す響きを感じてしまう。誰でも良いから、この国を望ましい方向に導いてもらえないものだろうか。

 24日、橋下大阪市長が代表を務める大阪維新の会は、国内だけでなく海外在住者を含め2025人の受講生を集め「維新政治塾」を発足との報道がある。次期衆院選を見据えた候補者養成機関の位置付けで、橋下氏は「今の日本は危機的な状況だ。国の形を本気で変えるため、大勝負しないといけない」と述べ、国政進出をにらんで受講生から自前候補を擁立するとある。
 政治塾では、首相公選制の導入や憲法9条改正の国民投票を盛り込む予定の次期衆院選向け公約「船中八策」の内容も詰めて行くようで、5月までの計5回の講義を経て、6月上旬には受講生を800~1000人に絞り込む予定という。次期衆院選で200議席程度の獲得を目指し、300人規模で候補者を擁立すると言うことだが、「カルチャースクールとは違う。維新の会と合わなければ去ってくださって結構」とも述べ、「候補者の卵」たちに自覚を促したとある。

 最初から合わない人たちを切り捨てる事が前提となっていて、どうも議席獲得だけが目的に感じられて、小沢氏の手法と似たものを感じてしまう。集まった人たちには、国会議員になれれば良いというだけの方達も入っているのではないだろうか。自分(達?)に合わない人は排除していく姿勢でそうした人たちは切り捨てられるのだろう。しかしながら、排他的な考えのままで、色々な人間が関っている日本の民主主義を預けて本当に大丈夫なのだろうか。小泉チュルドレンや小沢チュルドレンが頭を過って仕方ない。


 たちあがれ日本の平沼氏が国家経営志士議連を設立したとの報道もある。議連の活動方針には、東京都の石原慎太郎知事が主張する国家会計への複式簿記導入や憲法改正などが盛り込まれている。今後まとめる憲法や教育、統治機構改革などへの見解や方針は議連を母体とする新党の政権構想やマニフェストに盛り込まれる公算が大きいとの解説だ。
 設立趣意書では、一般債務は1千兆円を突破し、生活保護受給者が200万人を超えるに至ったなど、財政再建の必要性を強く打ち出している。
 23日、石原氏は記者会見で「消費税は経済への悪影響が一番少ない。議論されてしかるべきだ」として消費税増税は不可避と考えている。民主、自民両党などの中堅・若手が議連に集結し、消費税増税の早期決着を打ち出せば、優柔不断な民主、自民両党執行部も無視できないとの見方がコメントされている。
 新党構想を主導するたちあがれ日本の園田博之幹事長らは、消費税増税に反対する亀井氏らの新党参画を強く警戒しているという。連携を模索する大阪維新の会も亀井氏の「守旧派色」へのアレルギーが強いともコメントされている。
 平沼氏は23日夜、亀井、園田両氏らと都内で会談したが、消費税増税への対応はなお平行線をたどったとされており、園田氏らが露骨な「亀井外し」に動けば、亀井氏に近い石原氏の新党への意欲をそぐことになるようだ。
 消費税増税法案が国会に提出されれば、衆院採決が最大の争点となる。民主、自民両党が大連立を視野に法案成立で手を結ぶのか。自民党は、小沢一郎元代表らの民主党造反に同調して倒閣を優先させ、法案否決に動くのか。この議連の動きがそうした法案の成否に与える影響は多きそうで、流れ次第では政界再編の引き金になりそうだ。

 民主主義なのだから、色々な意見、立場があっても良い。しかしながら、何処が国策を思っての動きなのか、解りにくい。政局だけにしか見えないのは、見方が未熟なのだろうか。


 24日午前、谷垣自民党総裁は読売テレビの番組に出演し、「外交政策や社会保障政策は今のところ相当距離がある。よほど問題を限定するにしても簡単ではない」「こと消費税に関しては衆院解散の後(なら)、共同してやろうという態勢ができる」と民主党との大連立については否定的な考えを改めて示したという。
 谷垣氏は、野田首相との極秘会談を重ねて否定しながらも、「基本的には(首相を)信頼している。時々会って腹を割って話せるような信頼関係をつくっておくことは大事だ」としている。 民主党の小沢一郎元代表に関しては「どこまで信頼していいのか。少し距離を置きながら見ている」と否定的な姿勢を示した。 

 谷垣総裁はまだ野田首相との極秘会談を否定している。消費税増税について、歳出削減を主張するわけでもなく、外交政策や社会保障政策の距離を問題にしていながら、野田首相とは信頼関係を作って、小沢氏とは距離を置くと言う。挙国一致を口にする野田首相との連携を図りながら、この国をどうして行こうとするのか、どうも解りにくい。


 消費増税法案の閣議決定は、民主党内の事前審査で、反対の声が強く、週明けにずれこんだ。自公政権時代の税制改正法が付則に「11年度までに必要な法制上の措置を講ずる」と明記したのを踏まえて、野田首相は3月中に法案を決めると言明してきた。
 財政の健全化と社会保障の安定のため、あえて不人気な政策を旗印に掲げた野田政権の真価が問われれている。党執行部は、景気の動向しだいで増税を停止できる弾力条項と、将来の再増税への道筋を中心に、「51対49」でもと党内合意をめざして修正案を重ねて示してきたが、小沢一郎元代表を中心とした反対グループは、法案の文言の手直しで納得せず、消費税増税を受け入れていない。執行部に無理やり押し切られれば、法案の採決時に造反する大義名分が出来てしまう。

 反対派が主張する、議員定数削減などの「身を切る改革」や景気回復に向けた取り組み、大型公共事業の先送りなどの行革などは、増税法案と並行して進めるべき施策だと考える消費税増税推進派とは立場が違いすぎる。民主党はもはや政策集団ではなく、選挙互助会にすぎなかっただけで、政権与党としての態をなしていない。


 亀井静香代表は大綱決定に対して「実現しないので黙認」したが、閣議決定には反対する考えを示している。増税反対を貫くなら連立を離脱して野に下るか、法案成立を受け入れて与党として責任を持つか、国民新党内論議で、どちらかはっきりさせる必要があるとのコメントが見られる。

 橋下氏の維新の会、平沼氏の議連という新党設立への動きの中で、民主党、国民新党の党内分裂、自民党の政局的動き、野田首相の消費税増税の前原氏への丸投げ。この国の方向性がどうも見えない。

 民主党内で衆院解散・総選挙も辞さない構えで消費税増税路線を突き進む野田首相と、党内融和の象徴として昨年9月に幹事長に抜擢された輿石幹事長の間がおかしくなってきた。
 輿石氏は21日、政治資金規正法違反罪に問われている小沢氏が1審で無罪判決を受けた場合、ただちに党員資格停止処分解除の手続きに入るとし、昨年2月に「判決確定まで」と決めた処分を、幹事長自らが“反故”にする発言をしている。翌日22日には、「不退転の決意」を示す野田首相には譲れない月内の閣議決定について、消費税法案の事前審査の期限を切らずに議論を継続する考えを強調し、反対派の主張を配慮する姿勢で、「倒閣」さえも視野に入れる小沢一郎元代表の取り込みに熱心だ。


 野田首相の立ち位置は輿石、小沢両氏よりも、むしろ自民党の谷垣禎一総裁に近く、重要な政局的な動きは、すでに「輿石氏抜き」で動いているとの見方もある。野田首相は2月末には極秘会談に動き、岡田克也副総理も自民党幹部と頻繁に接触し、それが暴露されて、民主・自民ともに接触否定に躍起となっている。この間、輿石氏は野党幹事長と積極的に接触したとの報道はない。輿石氏が画策する首相と小沢氏の会談も、両極端の2人が会っても妥協できる余地はないとの見方が見られる。谷垣氏に至っては、今月22日の記者会見で「首相が不退転の決意ならば、小沢氏らと決別も辞さずとの態度が必要ではないか」と野田首相の反小沢路線を支援している。


 先週から3日間の予定で始まった法案事前審査では、執行部が修正案を提示しては、増税反対派が受け入れを拒む展開が繰り返され、機能不全を呈している。政府・民主党は22日、消費税増税関連法案の週内の閣議決定を断念した。
 修正案には必要な措置を講じることを明記し、経済状況好転を新たな増税の条件とした。しかしながらデフレからの脱却に向けて、「必要な措置」をどう具体化するかの議論はなされていない。消費税増税に伴う税収増をきちんと確保するための前提となる歳入庁に、谷垣総裁は否定的だ。国債残高を減らすには、プライマリーバランスを改善することが大切なのであり、そのために企業の活力を引き出すには、規制緩和や成長戦略を実行する必要があり、一段の金融緩和を講じるなどの政策協調が必要だが、消費税増税議論の中で、そうした根本的な問題は議論されていないように見える。歳出削減への取り組みなどはどこにあるのだろうか。


 消費税増税については、平成21年度税制改正法付則104条で「23年度までに必要な法制上の措置を講じる」と定めており、首相は「今年度中に法案を提出する方針に変わりはない」と訴え続けているが、党内論議を前原誠司政調会長に委ねてしまっており、「政治生命を懸ける」形にはなっていない。
 閣議決定が4月にずれ込めば、首相の政治姿勢が問われる。強行すれば、反対派に採決時の造反理由を与えることになる。
 22日の政府・民主三役会議では、参院で審議中の24年度予算案の年度内成立の見通しが立たないことから14年ぶりの暫定予算編成を決めた。4月1日から4月6日までの予算を賄うことになる。今月27日に閣議決定し、3兆円前後の暫定予算が30日に成立する。


 野田首相にしろ、谷垣総裁にしろ、反小沢体制をここまで突き進めてしまっては、小沢氏が無罪になったら、修復の余地が失くなる。野田首相がどじょうに例えて打ち出した党内融和は何処に行ってしまったのだろうか。これで挙国一致体制を築き、1000年に一度の国難に立ち向かうことが出来るのだろうか。消費税増税の議論に歳費削減、プライマリーバランス、歳入庁設立、デフレ脱却政策など、喫緊の問題が議論されていないだけでなく、国策が論じられていないこの国の政治状況に、言い知れない不安を感じてしまう。

 13日、大阪市の橋下徹市長の早稲田大学時代からの友人で、民間人校長として採用された大阪府立和泉高(岸和田市)の中原徹校長が、卒業式の君が代斉唱の際、教職員の口の動きを見て実際に歌っているかを「監視」していたことが、報道されている。中原校長は「起立斉唱のルールを作ったのは議会で、私は教育委員会の指示に従っただけ。ルールを守らなくてもいいというのは、教員の世界の古い慣習。過激すぎるというのは感情論だ」と主張している。
 橋下市長は先にも市長選挙に冠する職員へのアンケート調査で不当労働行為を指摘されている。橋下氏は「府教育委員会の職務命令を忠実に守ったわけで、何の責任もない。口元を見るのは当たり前だ」と述べ、府教委の生野照子教育委員長が「そこまでやらなくてもいいのではないか」と異論を唱えていることを明らかにし、「トップがそこまでやらなくてもいいのにと言った瞬間に職務命令の意味がなくなる。完全にはしごを外すようなこと。絶対に許されないトップマネジメントだ」と痛烈に批判しているという。
 橋下市長と中原校長は早大の同級生でもあり友人関係にある。2人は1994年(平6)の司法試験に合格し、中原氏は米国で法律事務所の共同経営をしていた09年、大阪府教育委員会の民間人校長に公募して採用され、10年4月、和泉高校長に就任した。採用時、橋下氏は知事を務めており、橋下知事の当時の特別秘書が府教委に「知事の友人が受験する」と伝えたことが、口利きではないかと問題化しており、橋下氏はやりとりを知らなかったとした上で「不適切だった」と謝罪した経緯がある。府教委は「選考への影響はない」と採用取り消しはしなかった。

 「梨下に冠を正さず」の格言が心に過ぎる。維新の会が次の選挙で国政を目指している事もあり、橋下氏の強引なやり方に不安を抱く面もある。本当に国政を預かって、この国を正しい方向と繁栄に導いてくれるのだろうか。自公民に失望した国民の期待に応える力を付けてもらいたいものだ。


 16日深夜まで、消費税増税法案に関する民主党内議論を行われたが、反対派が、経済状況が好転しなければ増税を停止するとした「景気条項」に関して、経済成長率などの数値目標を盛り込むべきだなどと激しく抵抗したため、結論が来週に先送りされたとの報道がある。
 執行部は、景気条項のほか、追加の増税、歳入庁の設置など主に8つのテーマで来週も引き続き協議することを決めたというのだ。
 野田総理大臣は23日に増税法案の閣議決定を目指しているが、党内を纏めきれていず、調整は難航しそうとのコメントである。


 歳費削減が討議されず、消費税増税法案が先行している最中、AIJ投資顧問による年金消失問題が出てきた。厚生年金の保険料で穴埋めする政府・民主党案では、約3500万人の厚生年金加入者全体に影響が及ぶことになる。厚生年金基金の自主運用部分は自己責任が原則であり、サラリーマンを中心とした厚生年金加入者の理解を得る必要があるが、基金加入者の支給額の上乗せ部分を停止できるかなどの問題もさることながら、消費税増税についても、国民に対して十分説明できていない野田政権が、どのような説得をするのか、見守っていかなければならない。


 厚生労働省によると、10年度末時点で全厚年基金595のうち213基金は公的年金部分の積み立てが不足する「代行割れ」の状態で、不足額は総額6000億円超とある。厚生労働省は16日の参院予算委員会で、AIJに委託していた資金がすべて消失した場合、委託していた「総合型」73基金のうち51基金が代行割れとなり、不足額は計2134億円に上り、穴埋めには基金加入者1人当たり64万円が必要になると明らかにした。
 自己責任が原則とはいえ、総合型基金をつくるのは中小企業の同業者である。穴埋めのために連鎖倒産する事態になれば、地域に建設会社やガソリンスタンドがない状況が生じている(民主党の大久保勉参院議員)などの懸念が広がり、110兆円超の残高がある厚生年金保険料の積立金から補填(ほてん)する案が浮上しているというのだ。
 自己責任の原則を外れてモラルハザードを引き起こすとの批判も強く、救済するなら保険料しかないが、約3500万人の厚生年金加入者全体を敵に回すことになる(厚労省幹部)ので問題は簡単ではない。
 救済対象に線引きをするにしても、破綻した基金のみを対象とすれば倒産防止の効果が薄まり、救済対象を広げれば加入者の反発が強まるのは必至であり、厚生年金加入者の理解を得るのは容易ではない。
 JAL救済の時に問題となったが、企業年金の上乗せ部分の支給を停止するにあたり、すでに受給しているOBの年金を減らすためには、受給者の3分の2以上の同意が必要である。中小企業が寄り合う基金は責任の所在があいまいで、痛みを伴う意思決定が難しく、政府はまずこの規制の緩和を進めたい意向とのコメントが見られる。


 官僚OBが646人も天下りし、この問題が引き起こされたとの指摘もある。歳費増加の一因である官僚OBの天下り問題には何も手が打たれず、消費税増税が決められつつある。野田首相が昔指摘していた事であるのに、官僚OBの天下り問題を解消する動きがないのでは、国民が消費税増税を受け入れる気持ちに中々なれないのではないだろうか。


 経済産業省原子力安全・保安院は自らの主張を正当化するのに、国民不安の増大や原子力発電所立地地域の混乱を口実にしていたことが明るみに出た。内閣府原子力安全委員会に設けられた防災指針検討ワーキンググループで、2006年3月から、原子力災害に備えた指針の見直しが始まった。
 1986年4月に起きた旧ソ連のチェルノブイリ原子力発電所事故という原発史上最悪の事故を教訓に、国際原子力機関(IAEA)があらためて住民を守る措置を強めようとして新たな安全基準を打ち出していた。
 1999年の事故(茨城県東海村の核燃料加工会社ジェー・シー・オー(JCO)で日本の原子力史上初の臨界事故において、放射線の大量被爆で2人が亡くなり、防災関係者や近隣住民なども被爆)を契機に、2000年6月に施行された原子力災害対策特別措置法により、施行後5年で必要な見直しをするととなっており、学識経験者を集めた作業グループを設けた。
 具体的には、原発から半径10―30キロ圏の「緊急防護措置区域(UPZ:Urgent Protective action planning Zone)」や半径3―5キロ圏の「予防防護措置区域(PAZ:Precautionary Action Zone)」を設けることが提案された。
 日本では半径8―10キロ圏を「防災対策重点地域(EPZ:Emergency Planning Zone)」としていた。
 原子力安全・保安院は防災地域の拡大に反対であり、2006年4月の第2回防災指針検討ワーキンググループ会合を前に、保安院は原子力安全委事務局にIAEAの指針の検討凍結を求めている。
 PAZは何かあれば無条件で即時避難しなければならない地域との誤解を与え、立地地域に無用な混乱を起こす恐れがあるとの指摘と言う。
 又、原子炉の格納容器の健全性に対する従来の説明を変更することになり、原子力安全に対する国民の不安感が増大するのではないかとの心配もあった。 
 防災資機材などの整備を重点的に行う地域が拡大し、財政負担が増大する懸念も取り上げられた。
 色々な理由から保安院や安全委などの水面下のやりとりが続き、7月に了解が出来上がり、翌8月、3回目のワーキンググループ会合が開かれ、防災地域の拡大が主要議題の一つになった。
 結果は防災地域の拡大見送りだった。
 そして今回防災地域は、東京電力福島第1原発事故を受けて半径8―10キロ圏のEPZは、30キロ圏へと広がった。

 菅直人元首相が、昨年3月15日早朝、東京電力福島第1原発事故直後に東電本店を訪れた際の録画映像が存在し、東電が「社内資料」として公開しない方針を示している問題が取り上げられている。枝野経済産業相は16日の閣議後「東京電力が公開すればいい。なぜ公開しないのか、意味不明だ」と、東電に映像を公開するよう求めている。
 映像は東京都内の東電本店や福島第1原発などを結ぶテレビ会議システムの録画のようで、作業員の撤退を巡り東電の清水正孝社長(当時)らを厳しく叱責する様子が記録されているということが、国会の事故調査委員会で明らかになったというものだ。
 枝野経産相は「私がこうやって事実上、要請している」と述べ、東電に映像の公開を直接指示している。

 IAEAの指摘があり、2008年には津波に関する内部警告があったのに、自分たちの都合の良いように解釈して、「国民」の不安感増大を理由としたことには、憤りを感じるところだ。原子力行政にも天下り問題はないのだろうか。

 3月14日、民主党は消費税率引き上げを含む社会保障と税の一体改革を掲げた増税法案など、関連法案の事前承認手続き開始を決めたろの報道がある。政府は党の了承を得て、月内に法案を3月23日に閣議決定し、国会提出することになるが、景気回復を前提とする党内の増税反対論も強いとの観測がされている。
 消費税増税は、税率を2014年4月に8%、15年10月に10%に引き上げることを柱とした一体改革の素案を1月に決定、2月には同じ内容を大綱として閣議決定していた。
 執行部は一週間以内の決着を目指しており、前原誠司政調会長は「議論は大綱で決定している枠内」と決着済みの内容であることを強調している。
 ただ、小沢一郎元代表ら反対派は「景気が悪ければ増税を停止すべきだ」としており、無駄削減の遅さを問題視する声も出ていると言う。
 大綱に記した景気条項の内容は「経済状況等を総合的に勘案した上で、税率引き上げ停止を含め、所要の措置を講じるとの規定を法案に盛り込む」と推進、反対両派の妥協が入り、結論は先送りされている。
 「所要の措置」につき、首相らは政治判断で増税を決定できる表現としたいが、反対派は自動的に増税停止になる経済成長率などの数値明記を主張している。12日、小沢元代表と連携する鳩山由紀夫元首相は協力要請に訪れた前原氏に「景気条項が問題になる」と申し入れているとのことだ。

 小沢一郎民主党元代表率いるグループは、党の事前審査を「数の力」で揺さぶり、首相が法案提出を強行すれば、内閣不信任決議案同調をちらつかせながら法案とともに、除名覚悟で内閣を葬り去る方針という。小沢氏と決起する議員が何人いるかは未知数のようで、青写真は描き切れていないとのコメントがみえる。

 小沢氏は5月末の法案の衆院採決時節目としているとの報道がある。衆院(定数480、欠員1)過半数は240人。民主党会派は291人なので、自民、公明、国民新党などが反対だとすれば、民主党で53人が造反すると否決されることとなり、小沢系民主党議員は衆院だけで約70人いるので、否決は難しくはない。
 党執行部は造反議員を除名の上、次期衆院選で「刺客」を立てる事となろう。小沢系は選挙基盤が弱い若手が多い。任期満了前に解散があると浮足立つため、小沢氏が水面下で連合や輿石東幹事長らに働きかけ、首相の「解散衝動」を押さえ込もうと画策しているところだとの説明がある。

 2011年6月2日の菅直人内閣不信任決議案採決では、前夜までに小沢氏は衆院71人を固め、可決は確実な情勢だったが、鳩山由紀夫元首相が土壇場で否決を呼びかけ、小沢氏も本会議場に姿を現さず、内閣総辞職を果たせなかったこともある。

 今回は、デフレ下の増税に反対する馬淵澄夫元国土交通相ら中間派との連携か、橋下徹大阪市長率いる大阪維新の会と連携して新党結成か、小沢氏の方針がまだ見えていないとの評がある。

 どうも消費増税でも政局になって来てしまっている。無駄を排除してプライマリーバランスを改善し、国債依存を改善しながら経済を回復させる議論が一向に盛り上がらない。
 平成20年度末における負債額約982.2兆円から、国の資産合計664.8兆円を差し引けば、負債は317.4兆円まで圧縮されてしまう。「特別会計」で残った分は翌年度にどんどん繰り越しされていて、一般会計から国債整理基金特別会計へ毎年約20兆円が繰り入れられる一方で、同特会に約10兆円の剰余金が寝ている。

 歳出を絞り込まず、国債発行を増やしているだけであり、これで何故消費増税が必要なのか。野田政権の説明は財務省の消費増税ありきが前提となっており、納得出来るものではない。野党が何故かこうした問題に触れず、政権を失ってもなお消費増税に加担しようとしている。何が隠されているのだろう。

 2012年度予算案(一般会計総額は90兆3339億円で、11年度を2・2%下回る)が8日夕の衆院本会議で採決され、与党の賛成多数で可決したと報道された。予算案は参院の議決がなくても参院送付後30日で自然成立するため、4月6日までには成立することが確定したことになるとの事であるが、参院の主導権は野党が握っており、年度内成立は見込めないため、14年ぶりとなる暫定予算案の編成に向け準備に入るという。ほかに、予算関連法案の税制改正法案と地方税法改正案、地方交付税法改正案、東日本大震災復興特別会計を新設するための特別会計法改正案も参院送付されたとのコメントである。
 予算執行に不可欠な赤字国債を発行するための特例公債法案は、自民・公明両党が反対姿勢しており、このため民主党は、昨年と同様に衆院での採決を先送りし、予算案と分離している。
 12年度予算案では、東日本大震災の復興予算を特別会計に計上したほか、基礎年金国庫負担の財源の一部を一般会計に含まれない交付国債で賄っており、これら「別枠」分を合わせた実質的な歳出規模は96兆円台に上り、過去最大となっているという。

 8日、東京電力福島第1原発事故からの復興を支援する福島復興再生特別措置法案が、衆院本会議で一部修正の上、全会一致で可決されたという。参院での審議を経て今月中に成立する見通しという。福島県が18歳以下の県民の医療費を無料化する財源として活用を検討している「県民健康管理基金」に、国が財政支援する規定を盛り込むなど、福島の復興再生に関する国の責任をより明確にしたものとされている。


 9日、岡田副総理が2013年度の国家公務員新規採用について、09年度の上限(8511人)比で各府省全体で7割以上削減するよう指示していたとの報道がある。実現すれば削減は2500人程度となりそうだ。
 6日、政府の行政改革実行本部(本部長・野田首相)は、消費税率引き上げを柱とする社会保障・税一体改革に国民の理解を得るため、09年度比で4割超、12年度比で2割超の新規採用削減の方針に、さらに削減率の上積みを図ることにするという。
 府省ごとの削減率は業務内容に応じて違いを設ける方針とのことで、定員管理を担当する総務省が各府省と調整していようだが、政府内では業務遂行に支障が出るとの声も出ており、岡田氏の思惑通りに削減が実現できるかどうかは見通せない状況だ。

 消費税率引き上げを柱とする社会保障・税一体改革を訴えるにしては、歳費削減のアドバルーンがあまりないように思える。


 9日、環境省内で全国知事会長・山田啓二京都府知事と細野豪志環境相が会談し、東日本大震災のがれき広域処理につき「風評被害が発生した場合には、補償も含め、国が責任を持って対応してほしい」など、自治体の受け入れを進めるため5項目の課題を申し入れたとの報道がある。
 山田知事は「風評被害は乗り越えなければいけない」「局地的に起こった場合、市町村だけでは対応が難しい」とし、放射性物質の基準に対する住民の不安解消、がれきの放射線量モニタリングの確実な実施、焼却灰の処理責任が国にあることを明確化、汚泥処理の推進などに国の責任を求めたとある。閣議後の記者会見で、細野環境相は「万々が一、具体的な被害が発生したら、政府は責任を持って対応しなければいけない。自治体と協議したい」と述べたものの、補償に応じるかどうかは明確にしなかったとのことだ。

 がれきの処理は、放射能レベルが低いものについて、他府県での処理を考えられており、危険がないのであるならば、国が先導を取って進めるべきと思うが、受け入れ側住民への説明が進んでいないことに、被災地の思いがいかばかりのものか、心配になる。


 9日午前、厚生年金の支給開始年齢が2013年度から2025年度にかけて60歳から65歳まで段階的に引き上げられることに伴う措置として、希望者全員に65歳までの再雇用制度導入を企業に義務づけることなどを柱とする高年齢者雇用安定法改正案を、今国会に提出し2013年4月の施行を目指すとの閣議決定したとの報道がある。
 労使協定で企業が再雇用者を選別できる現行の制度を廃止することになるが、年金収入がある年金支給開始年齢を上回る年齢の人は、13年度以降も現在の仕組みを適用する規定も盛り込んだとある。

 年金も収入もない人が出ることを避ける一方で、人件費等の企業のコスト負担は増加し、国際競争力が落ち、若者の雇用が奪われる可能性は否めない。政府の国策に東日本大震災を含め、雇用創出の動きはどこにあるのだろう。


 9日、東京都は東京電力の電気料金値上げを受け入れる方向との報道がある。東電の資産売却やコスト削減が不十分として、企業向け料金の平均17%値上げに反発していたが、中部電力など代替調達先との交渉に失敗したとのことだ。東電も合理化を進める意向を示しており、交渉を再開したという。

 代替手段のない電力供給のこの仕組みは、東電が優良企業で絵あり続けたものだが、市場原理のない独占の怖さをみる思いだ。そして、東電は2008年の震災予測レポートに対して何も手を打たず、今回の原発事故に至っている。なにか釈然としない思いが残ってしまう。


 見直すことで与野党が合意した子ども手当の名前で協議が行き詰っているという。民主党の「子どものための手当」の提案に対し、自民党と公明党はかつての児童手当に戻せと拒否したため、「児童成育手当」さらには「児童のための手当」と次々譲歩しているとのことだ。所得制限や月額5,000円の支給などでは大筋合意しているのに、名前を巡って対立が続いているという。
 児童手当法の改正という3党合意の主旨が、民主党案では踏襲されないとのことで揉めているとの事だ。実際に手当の支給を行う自治体の事務処理などは今月末までに結論を出さないと影響が出るという。

 名前に拘っていることが国策を論じて居る事になるのか、国民にとっては何が一番良い事なのだろうか。


 9日、「陸山会」事件の第15回公判で、検察官役の指定弁護士が、「小沢氏は有罪」との主張をまとめた論告を読み上げたうえ、「法を軽視し、反省の情も全くない」と述べて禁錮3年を求刑したとの報道がある。
 公判では、実際にはなかったやりとりを捜査報告書に記載していたことが発覚しており、小沢氏の起訴を議決した検察審査会に提出されていた。弁護側は「議決は無効だ」と公訴(起訴)の棄却を求めている。

 内容を見ると、言った言わないの状況証拠に基づくように思えるが、最終的判決を待つしかないようだ。

 次の政治を担うと期待されている大阪維新の会を巡っては、 調査チームの職員アンケートにつき、弁護士会などから「人権無視の思想調査」との批判が続出し、労組の救済申し立てを受けた府労働委員会が2月、不当労働行為(支配介入)のおそれがあるとの勧告が出され、アンケート内容を調べる作業が「凍結」された。
 1日、1月から橋下徹市長が調査を一任していた調査チーム委員長の大阪市特別顧問・野村修也弁護士が、全市職員を対象に政治活動や労働組合への関与を尋ねたアンケートについて、3月中に破棄する意向との報道がある。公表した職員調査の中間報告については、職員のメールや職場への立ち入り、関係者からの聞き取り結果をまとめたとの事で、引き続き調査して3月末に最終報告をまとめるとある。

 弁護士の資格を持つ調査員や市長が、不当労働行為とされるようなことに不安を覚えてしまうことを前にも述べた。一応、軌道修正はなされるようだが、自由な民主主義を目指して、この国を本当に良くしてもらえるのだろうか。


 2012年3月2日、少子化社会対策会議で「総合こども園」を2015年に創設する「子ども・子育て新システム」の関連法案が決まったとの報道だ。2013年度からの段階的導入を目指し、地方との調整を終え次第、今国会に関連法案を提出するという。政府はこのために1兆円超の追加費用を見込み、7000億円程度を社会保障・税一体改革による消費税増税分で賄う方針とある。幼保一体化の議論が終わっても、消費増税が拗れれば、2万6000人に及ぶ保育所待機児童問題は解消しない。
   全国約2万3000保育所施設の大半を、3年程度かけて「総合こども園」に移行させるとの事で、3歳未満のみを預かる数百カ所の保育所は「保育所型こども園」として存続させるとのことだ。
   一方、約1万3000カ所の幼稚園には、私立幼稚園への私学助成を大幅に縮小するなどして移行を促し、「総合こども園」への移行期限を設けず、現状の幼稚園として存続することも認めるという。
 「総合こども園」は2006年に発足したもので、全国に762カ所しかないとのことだ。厚生労働省と文部科学省が別々に補助金を出すため手続きが煩雑だったが、新制度では内閣府の補助金に一本化されるという。

 保育所、幼稚園が「総合こども園」に移行すれば、多くの子どもが保育と幼児教育を受けられる、と説明されているが、本当だろうか。一部存続があったり、現状存続も認めるとされていて統一性が見えない。その上、まだ決まってもいない消費増税が前提となっていることに、この制度が不発する不安を抱かざるを得ない。
 「総合こども園」が子供達のためになるとしても、この国が子供達が成人した時に素晴らしい国になるという、再生への青写真が見えないことも不安だ。


 2012年3月3日、野田政権が掲げる14年4月に8%、15年10月から10%へと段階的に消費税率を引き上げる素案の「社会保障と税の一体改革」を地元の民主党国会議員が説明する、タウンミーティング(TM)なるものが大分市を皮切りに始まり、月末まで県内計8カ所で開かれるという報道がある。
 県連代表・吉良州司衆院議員(大分1区)は「消費税収は現行の地方消費税を除き全額社会保障に充てる」と、少子高齢化や国の借金のデータを示し理解を求めたという。主催者発表約220人の参加者から「高齢化率のピークまで見通した消費増税なのか」などの意見が出たという。

 全国を同時に出来ない事は解るにしても、この調子で大分県で1ヶ月掛け、順番にやって行くとしたら、全都道府県のTMには47ヶ月もかかる事になり、4年の歳月が必要になる。この種の説明会について先の全国版の予定が発表されたとの報道は見かけていない。自民党谷垣総裁との密談で、野党との協議も暗礁に乗り上げた観もある。野田政権は本当に消費増税の衆議を尽くせるのだろうか。


 経済産業省原子力安全・保安院は、関西電力大飯3、4号機(福井県)に次いで2例目となる、四国電力が提出した伊方原発3号機(伊方町)の再稼働の前提となるストレステスト(耐性評価)の1次評価について、3日までに、妥当と判断するとしているようだ。早ければ9日にも専門家会議に素案を示すという。
 四国電力は想定する地震の最大の揺れの1・86倍まで耐えるとしていたが、原子炉建屋などの機器の一部で地震の揺れに対する余裕が少なく、耐えられるのは想定する最大の揺れの1・5倍までと評価を変更していて、専門家会議での検討が続くようだ。 
 正式な審査書がまとめめられた後、保安院が原子力安全委員会に報告するとある。安全委の確認を経て、地元の理解状況を見極めながら、野田佳彦首相らが再稼働の是非を判断することになるようだ。
 
 3日、野田佳彦首相は海外メディアに対し「(停止中の原発について)政治判断して、稼働をお願いせねばならない時は、政府を挙げて自治体の理解を得るべく全力を尽くす」とし、地元自治体の説得に乗り出す考えを示した。
 税と社会保障の一体改革に関しては「国会論戦はかみ合ってきている。さまざまな分野で合意を得られる可能性はゼロではなくなってきた」と与野党協議の実現に自信を見せたという。国内の電力需給がこの夏、逼迫(ひっぱく)する懸念を認めた上で「稼働できるものは稼働するということで対応する」との考えを示した。
 一体改革に関する与野党協議については「腹を割って議論すれば必ず理解し合える」「丁寧な対話を(野党に)呼び掛けたいので、今すぐ言及するのは控えたい」としており、自民党谷垣総裁との極秘会談での合意をほのめかしているようだ。
 ロシアのプーチン首相が、大統領復帰後の北方領土問題の決着に言及したことについては「問題を解決していこうという意欲を感じる。真意は直接、尋ねなければならないが、これから議論を深めたい」と期待感を持っているようだ。

 原発再稼動に地方自治体の理解を得るため、又、ばらまきが行われるのか、不安になる。自民党谷垣総裁への党内批判も強く、政局中心だったと報道されている密談での合意が反故にされたらどうなるのだろうか。プーチン首相が大統領復帰出来なかった場合の危機管理対策は出来ているのだろうか。どうもこの政権の方向性には、安心できる気持ちにはなれない。野田政権に全面的に反対というのではないのだが、国民が安心できる説明をはっきりとしてもらいたいところだ。


 4日、茂木敏充自民党政調会長は、富山県黒部市での講演で、「(消費増税関連法案に関し)自民党も一定の役割を果たしていかないといけない。政治を正しい方向に進めていかないといけない」と賛成する可能性を示したとの報道がある。 
 「野田佳彦首相が与党内を最低でも7割まとめて、3割は出て行ってもらう意気込みで取り組まないと与野党の話し合いはできない」と、小沢氏らが反対する場合は離党させるべきだとの考えを示している。 

 野党が消費増税に対して突っ込んだ議論も無く、トップ密談を追認するようでは、衆議を尽くすとは言えない。小沢氏を民主党から追い出して、大同合併でもしようというのだろうか。だとしたら、自民党が政権を奪還することはあり得ないことになる。

 次を担う維新の会にも不安がある。国民はどうすれば良いのだろうか。少なくとも、何が起きているのか、しっかりと見定めていかないといけないだろう。

 1日、2008年12月の設置以来休眠状態が続いていた「再就職等監視委員会」の委員長と委員の人事が国会で承認され、国家公務員の再就職先をチェックする仕組みがようやく動き出すとの報道がある。
 07年成立の改正国家公務員法で、省庁の人事担当者が職員の天下りをあっせんすることを禁止した。監視委がそれをチェックする仕組みだったが、移行措置として一時的に、天下りあっせんを承認する権限が監視委に付与されたため、当時野党の民主党が問題視し、人事案を3度不同意にした経緯がある。
 藤村修官房長官は「これで規制違反監視の実効性を上げていくことができる」としている。

 これで本当に高級官僚が2~3年で億単位の退職金を貰って歩く「渡り」がなくなるのだろうか。野田首相のシロアリ発言がフラッシュバックする。

 1日の衆院予算委員会で、内閣府原子力安全委員会の班目春樹委員長が、東京電力福島第一原子力発電所事故発生時、首相官邸での菅首相(当時)への助言を1人で担当したことにつき、「技術的な人間を集めて、議論しながら進言するべきだったと反省している」原発事故当時は「経済産業省原子力安全・保安院からの情報は全く入らなかった」と語ったとある。
 当時官房長官だった枝野経済産業相は、事故発生翌日の菅氏の現地視察について「(官房長官として)首相を政治的に守る観点からは体を張ってでも止めるべきだったが、事故を早く収束させる観点からは間違っていなかった」「東電からの十分な情報がなく、責任を持って判断できる人間が現地に行き、情報が上がってくるラインを作ることが必要だった」「(批判される)政治的リスクを除外すれば、原子力について若干でも基礎的な素養のある菅首相が(行くのが)一番望ましいと思った」と述べている。
 枝野氏は、自民党の梶山弘志議員への答弁で、現在の野田内閣で同様の事態が生じた場合は「経産相として『私が行く』と言う」と述べているとある。

 一国の首相が原発に飛び、現地所長と直接話しをすることで、原発事故の問題を解決できるとは思えない。首相のスタンドプレーでは、その中間の人達の役割・能力・知識・貢献が活かされない。首相という立場は、日本国全体の力と叡知を結集する役割ではないのだろうか。

 2月29日の党首討論で、野田佳彦首相が「1票の格差」是正を優先させる意向で、「違憲状態を脱することが最優先」と述べ、小選挙区の「0増5減」を先行させ、定数削減と抜本改革は後回しにする「2段階論」を主張した。
 1日、樽床伸二・民主党幹事長代行を座長として衆院選挙制度改革を巡る各党協議会が、国会内で開かれたとある。
 衆院議員選挙区画定審議会(区割り審)による区割り改定案の勧告期限を過ぎ「違法状態」に突入してから初の協議会という。
 協議会では自民党が首相発言に賛意を示したが、斉藤鉄夫・公明党幹事長代行から「信頼関係が根底から覆る。撤回してもらいたい」など、中小政党は格差是正、定数削減、制度の抜本改革の同時決着を目指して猛反発し、進展はなかったいう。
 協議会は結局、樽床氏が7日の次回会合で、二つの首相答弁の整合性を取った見解を示すことを申し合わせただけで終了したという。

 政権交代に至る問題の一つで是正が望まれていたのに、勧告期限を過ぎても「違法状態」すら是正できない政治に対して、国民はどう考えれば良いのだろう。これも駄目なのか、の連続となっている。

 あれほど消費増税関連法案の提出前の与野党協議を「密室談合」と批判していた自民党の谷垣禎一総裁が野田佳彦首相との極秘会談に臨んだという呆れた報道がある。消費税率引き上げに対する首相の決意を見極めるとともに、森喜朗元首相らがかねてから主張して自民党内の支持を集め始めている早期の話し合い解散・総選挙の可能性を探る狙いがあったとみられるとのコメントだ。
 党内では谷垣氏への反発が出ており、求心力が一段と弱まりかねない情勢という。中堅・若手約20人による2月29日の会合では「早く総裁を代えるしかない」と、秋の総裁選の前倒し論が相次ぎ、「谷垣降ろしにつながるかもしれない」との声も出ているようだ。
 1日の記者会見で、谷垣氏は「会っていない」と重ねて否定したが、記者が食い下がると「私にもプライバシーがある。全部しゃべるつもりは毛頭ない」と声を荒らげたとのことだ。
 首相と谷垣氏は、消費増税推進という点では一致しており、谷垣氏は衆院解散・総選挙後であれば増税に協力する姿勢を示してきたという。自民党が10%の消費税を打ち出し、それに民主党が乗った形だから仕方ないが、早期の解散に追い込む見通しは立たず、谷垣氏には手詰まり感もあったようだとの分析である。
 早期解散には、国政進出を目指す「大阪維新の会」や、石原慎太郎東京都知事を党首とする新党構想の機先を制する思いがこもっていることも解るが、与野党協議を拒絶し続けた裏での会談が表面化したことで、谷垣氏の立場は危うくなって当然と言える。
 1日の自民党代議士会では中堅の河井克行氏が、谷垣氏に「ガチンコの党首討論の直前に総大将同士が裏で会って、どういう話があったのか」とかみついたとの報道もある。

 与党のチェック機能を果たすべき野党のトップがこれでは、この国が本当によくなるのか、心配になる。しかも、内容がこの国の国策・将来を何とかしようとの話しからは遥か軌道を外れた政局の話しでしかないようだ。

 17日に閣議決定された社会保障と税の一体改革大綱をめぐり、自民党の岸田文雄国対委員長は「衆院の定数を80削減し、早期に法律を提案し成立をはかるという文章が入っている。与野党間で協議している課題だが、閣議決定して本当に大丈夫か。極めて稚拙で乱暴な決定ではないか」と批判し、与野党協議は「特別委員会の設置も一案だ。やり方は色々あるが、国会で議論する」として、法案提出前の事前協議には応じない方針を示した。

 19日のNHK番組で、国民新党出身の自見庄三郎金融担当相が閣議決定時に署名したことについて、国民新党の亀井亜紀子政調会長が「大綱が実現しないことに変わりがないので黙認しろという(亀井静香)代表の大局的な判断だ」と説明した。民主党の前原誠司政調会長は、「むちゃくちゃな論理だ。だったら反対するべきだ」と詰め寄ったところ、自民党の茂木敏充政調会長はすかさず割って入り、「こういうことがあるから協議できない。まったく百八十度違うじゃないですか」と批判したとある。

 23日、民主党の前原誠司政調会長が記者会見の会場から産経新聞の記者を締め出したとの報道がある。
 産経新聞紙によると、東京本社発行の最終版で23日付までに『言うだけ番長』を計16回使用。国家公務員給与削減をめぐる与野党の協議について伝えた18日付の記事では「『言うだけ番長』の能力不足はもはや取り繕いようがない」などと指摘したと言う。
 この記者会見で、前原誠司政調会長自身は「人をおとしめるための悪口、ペンの暴力のたぐいが続き、受容限度を超えた。記者に批判する権利はあるが、事実に基づかなければならない」と理由を述べたとある。

 前原氏は国土交通相時代、八ツ場ダム建設凍結を表明したが、最終的には政府側に押し切られ再開することとなった。最近でも消費税増税や環太平洋連携協定(TPP)に関して党内の混乱を招いたこともある。
 身内の閣僚からも批判的であり、小川敏夫法相は「報道内容が気に入らないから会見に来るな、というのは好ましくない」。古川元久国家戦略相は「私は産経新聞も(会見場に)いていただいて結構です。ご安心ください」などの声が出ているようだ。

 問題は、前原氏だけではない。民主党は2009年衆院選で「消費税は任期中に上げません」として政権交代を果たした。野田氏自ら「書いてないことはやらないんです。それがルール」などと言い切っていた。それを変えようというのだから、国民への説明責任をしっかり果たしてもらわないといけないが、野田政権は果たしてこれで色々な問題に真摯に答えたと言えるのだろうか。

 自民や公明も「取材拒否は良識的とはいえない」と批判を強めており、野党に攻撃材料を与える事になりそうだ。どうも衆議を尽くしてもらいたい国策からは、全く関係の無いところでゴタゴタしている気がしてならない。国民の受容限度は何処まであるのだろうか。

 21日、国会は赤字国債発行のための特例公債法案など、予算関連法案の審議に入った。
 野党は反対姿勢を鮮明にしており、消費税率引き上げ関連法案と並んで野田政権の命運を左右することになりそうだとのコメントがある。
 2012年度予算案も政府・民主党の国会対応のまずさから年度内成立が困難との言い方で、民主党に批判的な載せ方をしている。
 予算案そのものは衆院を通過すれば30日で自然成立するが、予算関連法案は衆参両院での可決が必要であり、赤字国債の発行ができなければ、12年度予算案が成立しても予算執行には支障を来たすとある。

 自民党の谷垣総裁も特例公債法案について「もう少し議論しないといけない。昨年と事情が違うところもある。交付国債を発行するなど筋の通らないことをしたり、いろんなことがあり、よく分析したい」と、対立姿勢を示している。
 政府は12年度予算案で、基礎年金の国庫負担5割維持のための財源約2・6兆円を、将来の消費税増税で返済を見込んでこの「年金交付国債」で補おうとしている。将来の消費増税とひも付きなので赤字国債には含まれず、政府が赤字国債の額を粉飾的に少なく見せていることを問題にしているのだ。
 特例公債法の成立については、昨年の通常国会で菅前首相の「退陣3条件」の一つとなって8月26日までずれ込んだ経緯もある。首相は消費税増税が柱の社会保障・税一体改革の実現に政治生命をかけており、特例公債法案でのもつれが衆院解散に追い込むことを野党は期待しているようだ。


 国会で衆議を尽くして頂く事は歓迎だが、22日午前、自民・公明両党の幹事長、国対委員長、政調会長が、公明党の石井啓一政調会長提案の郵政民営化法修正案について話し合うとの報道がある。
 公明党案は、日本郵政が保有しているゆうちょ銀行とかんぽ生命保険の株につき「3分の1超を残して早期に売却し、その後は経営判断に任せる」として、自民党の2社株「全株売却」案への妥協を模索しての事だ。
 公明両党は共同提案に向けて、自民党は同日、プロジェクトチーム(PT)を設置して公明党案の検討を始めることになったと報道されている。


 22日、民主党の馬淵澄夫元国土交通相が呼びかけ人となり、蓮舫前行政刷新担当相や昨年8月の党代表選で馬淵氏を支持した議員ら約20人が出席する勉強会「都市戦略研究会」が発足したとある。「グローバル競争を勝ち抜くための都市政策のあるべき方向性と戦略を見いだしたい」とのことで、馬淵氏は「民の力を引き出して成長のエンジンとしていきたい」との挨拶が紹介されている。
 馬淵氏はすでに円高対策の勉強会、原子力バックエンド問題勉強会を設立し、「核燃料サイクル」凍結などを柱とした報告書を纏めたりもしている。勉強会を基盤に党内の支持を広げ、次期代表選に臨む戦略も透けてみえるとのコメントである。


 特例公債法案審議で国会が空転し、国の方向性がなかなかはっきりしないのかと、げんなりした気持ちになってくる。明快な説明もなく、郵政が喫緊の国策討議に入ってくるのか解りにくい。討議してもらいたいのは、国会議員の歳費削減に続き、一般公務員給与を7.8%削減するだけではなく、野田首相がかつて果たすと言っていた政府全体の歳費削減を目指したシロアリ退治、言い換えれば特殊法人・独立法人に関する天下り高給官僚優遇の廃止(蓮舫氏が事業仕分け当初に指摘していた)問題、更にはデフレ下の消費増税によるデフレ悪化に対する対策、TPP参加にあたりどの国内産業を保護するのかの具体的指針、東日本震災復興における国家援助による東日本と日本全体の将来像、プライマリーバランス改善の具体策、日本の将来(技術立国なのか、貿易立国なのか、観光立国なのか、新資源(メタン・ハイドレートやノーキアなど)による資源立国なのか、などの日本の方向性、というような議論がされないものだろうか。

 過激な意見であるが、公務員を半分にすれば20兆円、特別会計355兆円の1割削減で35兆円、合計55兆円捻出すれば、消費増税もせず、プライマリーバランスも好転し、赤字国債も解消される、とも分析できる。野田首相も政治生命を賭けるというのなら、(財務省主導の?)消費増税一点張りではなく、国民がこれならと思える政策を打ち出してもらいたいと思うし、野党となった自民党にも、問題はあったにしても、さすが長期間政権を担ったことのある政党と思える対案を出してもらいたいものだ。馬淵氏の勉強会にしても、長期的な国策が生まれてくる内容とは思えない。

 維新・船中八策に学ぶ民主党の姿が、前原氏や小沢氏が橋下氏に近づいているとの報道からも垣間見られる。実現性に疑問が持たれる憲法改正まで持ち出した維新の会が、実際に国政を担うまでに力をつけているとは思えないが、民主党・自民党・公明党よりはましに見えてしまう。