13日、大阪市の橋下徹市長の早稲田大学時代からの友人で、民間人校長として採用された大阪府立和泉高(岸和田市)の中原徹校長が、卒業式の君が代斉唱の際、教職員の口の動きを見て実際に歌っているかを「監視」していたことが、報道されている。中原校長は「起立斉唱のルールを作ったのは議会で、私は教育委員会の指示に従っただけ。ルールを守らなくてもいいというのは、教員の世界の古い慣習。過激すぎるというのは感情論だ」と主張している。
橋下市長は先にも市長選挙に冠する職員へのアンケート調査で不当労働行為を指摘されている。橋下氏は「府教育委員会の職務命令を忠実に守ったわけで、何の責任もない。口元を見るのは当たり前だ」と述べ、府教委の生野照子教育委員長が「そこまでやらなくてもいいのではないか」と異論を唱えていることを明らかにし、「トップがそこまでやらなくてもいいのにと言った瞬間に職務命令の意味がなくなる。完全にはしごを外すようなこと。絶対に許されないトップマネジメントだ」と痛烈に批判しているという。
橋下市長と中原校長は早大の同級生でもあり友人関係にある。2人は1994年(平6)の司法試験に合格し、中原氏は米国で法律事務所の共同経営をしていた09年、大阪府教育委員会の民間人校長に公募して採用され、10年4月、和泉高校長に就任した。採用時、橋下氏は知事を務めており、橋下知事の当時の特別秘書が府教委に「知事の友人が受験する」と伝えたことが、口利きではないかと問題化しており、橋下氏はやりとりを知らなかったとした上で「不適切だった」と謝罪した経緯がある。府教委は「選考への影響はない」と採用取り消しはしなかった。
「梨下に冠を正さず」の格言が心に過ぎる。維新の会が次の選挙で国政を目指している事もあり、橋下氏の強引なやり方に不安を抱く面もある。本当に国政を預かって、この国を正しい方向と繁栄に導いてくれるのだろうか。自公民に失望した国民の期待に応える力を付けてもらいたいものだ。
16日深夜まで、消費税増税法案に関する民主党内議論を行われたが、反対派が、経済状況が好転しなければ増税を停止するとした「景気条項」に関して、経済成長率などの数値目標を盛り込むべきだなどと激しく抵抗したため、結論が来週に先送りされたとの報道がある。
執行部は、景気条項のほか、追加の増税、歳入庁の設置など主に8つのテーマで来週も引き続き協議することを決めたというのだ。
野田総理大臣は23日に増税法案の閣議決定を目指しているが、党内を纏めきれていず、調整は難航しそうとのコメントである。
歳費削減が討議されず、消費税増税法案が先行している最中、AIJ投資顧問による年金消失問題が出てきた。厚生年金の保険料で穴埋めする政府・民主党案では、約3500万人の厚生年金加入者全体に影響が及ぶことになる。厚生年金基金の自主運用部分は自己責任が原則であり、サラリーマンを中心とした厚生年金加入者の理解を得る必要があるが、基金加入者の支給額の上乗せ部分を停止できるかなどの問題もさることながら、消費税増税についても、国民に対して十分説明できていない野田政権が、どのような説得をするのか、見守っていかなければならない。
厚生労働省によると、10年度末時点で全厚年基金595のうち213基金は公的年金部分の積み立てが不足する「代行割れ」の状態で、不足額は総額6000億円超とある。厚生労働省は16日の参院予算委員会で、AIJに委託していた資金がすべて消失した場合、委託していた「総合型」73基金のうち51基金が代行割れとなり、不足額は計2134億円に上り、穴埋めには基金加入者1人当たり64万円が必要になると明らかにした。
自己責任が原則とはいえ、総合型基金をつくるのは中小企業の同業者である。穴埋めのために連鎖倒産する事態になれば、地域に建設会社やガソリンスタンドがない状況が生じている(民主党の大久保勉参院議員)などの懸念が広がり、110兆円超の残高がある厚生年金保険料の積立金から補填(ほてん)する案が浮上しているというのだ。
自己責任の原則を外れてモラルハザードを引き起こすとの批判も強く、救済するなら保険料しかないが、約3500万人の厚生年金加入者全体を敵に回すことになる(厚労省幹部)ので問題は簡単ではない。
救済対象に線引きをするにしても、破綻した基金のみを対象とすれば倒産防止の効果が薄まり、救済対象を広げれば加入者の反発が強まるのは必至であり、厚生年金加入者の理解を得るのは容易ではない。
JAL救済の時に問題となったが、企業年金の上乗せ部分の支給を停止するにあたり、すでに受給しているOBの年金を減らすためには、受給者の3分の2以上の同意が必要である。中小企業が寄り合う基金は責任の所在があいまいで、痛みを伴う意思決定が難しく、政府はまずこの規制の緩和を進めたい意向とのコメントが見られる。
官僚OBが646人も天下りし、この問題が引き起こされたとの指摘もある。歳費増加の一因である官僚OBの天下り問題には何も手が打たれず、消費税増税が決められつつある。野田首相が昔指摘していた事であるのに、官僚OBの天下り問題を解消する動きがないのでは、国民が消費税増税を受け入れる気持ちに中々なれないのではないだろうか。
経済産業省原子力安全・保安院は自らの主張を正当化するのに、国民不安の増大や原子力発電所立地地域の混乱を口実にしていたことが明るみに出た。内閣府原子力安全委員会に設けられた防災指針検討ワーキンググループで、2006年3月から、原子力災害に備えた指針の見直しが始まった。
1986年4月に起きた旧ソ連のチェルノブイリ原子力発電所事故という原発史上最悪の事故を教訓に、国際原子力機関(IAEA)があらためて住民を守る措置を強めようとして新たな安全基準を打ち出していた。
1999年の事故(茨城県東海村の核燃料加工会社ジェー・シー・オー(JCO)で日本の原子力史上初の臨界事故において、放射線の大量被爆で2人が亡くなり、防災関係者や近隣住民なども被爆)を契機に、2000年6月に施行された原子力災害対策特別措置法により、施行後5年で必要な見直しをするととなっており、学識経験者を集めた作業グループを設けた。
具体的には、原発から半径10―30キロ圏の「緊急防護措置区域(UPZ:Urgent Protective action planning Zone)」や半径3―5キロ圏の「予防防護措置区域(PAZ:Precautionary Action Zone)」を設けることが提案された。
日本では半径8―10キロ圏を「防災対策重点地域(EPZ:Emergency Planning Zone)」としていた。
原子力安全・保安院は防災地域の拡大に反対であり、2006年4月の第2回防災指針検討ワーキンググループ会合を前に、保安院は原子力安全委事務局にIAEAの指針の検討凍結を求めている。
PAZは何かあれば無条件で即時避難しなければならない地域との誤解を与え、立地地域に無用な混乱を起こす恐れがあるとの指摘と言う。
又、原子炉の格納容器の健全性に対する従来の説明を変更することになり、原子力安全に対する国民の不安感が増大するのではないかとの心配もあった。
防災資機材などの整備を重点的に行う地域が拡大し、財政負担が増大する懸念も取り上げられた。
色々な理由から保安院や安全委などの水面下のやりとりが続き、7月に了解が出来上がり、翌8月、3回目のワーキンググループ会合が開かれ、防災地域の拡大が主要議題の一つになった。
結果は防災地域の拡大見送りだった。
そして今回防災地域は、東京電力福島第1原発事故を受けて半径8―10キロ圏のEPZは、30キロ圏へと広がった。
菅直人元首相が、昨年3月15日早朝、東京電力福島第1原発事故直後に東電本店を訪れた際の録画映像が存在し、東電が「社内資料」として公開しない方針を示している問題が取り上げられている。枝野経済産業相は16日の閣議後「東京電力が公開すればいい。なぜ公開しないのか、意味不明だ」と、東電に映像を公開するよう求めている。
映像は東京都内の東電本店や福島第1原発などを結ぶテレビ会議システムの録画のようで、作業員の撤退を巡り東電の清水正孝社長(当時)らを厳しく叱責する様子が記録されているということが、国会の事故調査委員会で明らかになったというものだ。
枝野経産相は「私がこうやって事実上、要請している」と述べ、東電に映像の公開を直接指示している。
IAEAの指摘があり、2008年には津波に関する内部警告があったのに、自分たちの都合の良いように解釈して、「国民」の不安感増大を理由としたことには、憤りを感じるところだ。原子力行政にも天下り問題はないのだろうか。