この街には夢が詰まっている。
ここに帰ってきてたのは、10年ぶりだ。
10年という月日は長いようで早い。
この街で夢を追いかけて、散々バイトした。
働いていた、服屋もバーもよく行ったつけ麺屋もパン屋もこの街からはきえていた。
当時の夢は叶った。
でもその先に見えた景色に圧倒され逃げてきたのかもしれない。
認めたくない自分がいるのはわかっている。
変わらなければいけないのかもしれない。
あの頃が重要だったわけではなく、これからが重要なのだろう。
下北沢は変わった。
それでもこの街は刺激に溢れている。
ここだけは変わらない。お金のなかった自分には少し高かったが、些細なご褒美だった。
私にとっての下北沢のカレーはここしかない。