どんなにポジティブな人でも、いつもいつも前を向いて突っ走っているわけではありません。
人間ですから、立ち止まったり、後ろ向いたり、凹んだりもします。
自分をポジティブだとは思わない人ならなおさらですよね。
では、自称ポジティブな人をも凹ませる事柄とは、まず筆頭に挙がるのはどういうシチュエーションかと言えば、
人からバカにされた時です。
実際にはその人がバカにしていなくても、本人がバカにされた、と感じる時も。
または、人からどう思われていようと関係なく、自分の実力のなさ、無力さを目の当たりにした時も。
そんな時には、心の中で大きなパワーが生まれます。
恥ずかしさ、
みじめさ、
悔しさ、
怒り、
こぶしを振り上げても、持って行きようのない腹立たしさ。
そのパワーをどう使うかによって、人生は大きく変わります。
そもそも、何故、腹立たしいと思うか。
それは、あなたに自信がないから。
ならば、自信をつけるのです。
自信とは、人と比べて自分が優っていることでつくものではありません。
自信とは、自分で掲げた目標に向かって、がんばって到達できたことによってつくのです。
バカにされた経験で生まれたパワーを、現状をよりよくするための行動にぶつけるのです。
そのためには、自分に正面から向き合って、
どこが弱いから、
どんな自分になる目標を掲げて、
どんなことを達成するために、
どこを補強するべく、
どうトレーニングするか、
決断して、さあ、今から始めましょう。
勉強であれ、スポーツであれ、仕事であれ、
バカにされた経験によって生まれたパワーは、新しい目標を達成するべく行動にぶつけるのです。
そこに全力を尽くすことに集中していると、バカにされた嫌な出来事なんて自然と忘れてしまいます。
そして、素晴らしく力が発揮できるだけでなく、いい意味での鈍感さが身につき、あなたの生き方までが素晴らしいものとなるでしょう。
バカにされた経験が、あなたの得意技になり、人生を変えるのです。
バカにしてくれた人は、あなたの現状に警笛を鳴らしてくれていたのです。あなたの人生が、より実りあるものになるように。
バカにされた時の残念なふるまいは、もう二度と同じシチュエーションにならないように避け続けることです。
避けて通って視界に入れないことにより、心は安定するかもしれません。
でも、そこからは何も生まれませんね。あなたの人生も後ろ向きに固定です。
さらに、絶対に避けたいのは、仕返しです。
腹が立って、仕返しをしてやろうと思ってはいけません。
事が悪いようにしか転ばないからです。
ここで、「パラダイムの魔力」の最後にジョエル・パーカーが書いている「ブタとブス」のお話を紹介しておきます。
ある日のこと。車の運転に自信のある男が、いつもどおり、自慢のポルシェを山道で走らせていた。すると、前方から蛇行しながら下手くそな運転で迫ってくる、一台の車に出合った。
その車は、どんどんと近づいてきて、すれ違いざまに、きれいな女性が窓から顔を突出し、「ブタ!」と、男に向かって叫んだ。
そう。「ブタ!」と男に向かって、女は確かに叫んだのである。
「ばかにされた!」と思った男はカッとなって、「ブス!」と怒鳴り返した。
大声で、「ブス!」と言い返したのである。
下手くそな運転で腹が立ってたうえに、女のくせに車を飛ばし、「ブタ!」と叫ばれたことが許せなかったのだ。
「言い返してやって、清々したぜ!」と、一人でほくそ笑んだ。
ところが……、である。
その男は、アクセルを踏み、急カーブを曲がった途端……、なんとブタに衝突したのだ。車は木っ端微塵! “本物“のブタにやられてしまったのだ。
女は、親切に警告してくれていたのに…。なんと、愚かなことか…。
この先の人生で、あなたが見通しのきかないカーブにさしかかった時、大声を出して危険を知らせてくれる人はいるかもしれません。
その声が、
悪魔の声に聞こえるか、
女神の声に聞こえるか、
どちらの声が聞こえてくるかは、全くあなた次第です。
人間は、うすうす感じている本当のことを言われるのが、一番、頭に来るそうです。
バカにされた声が、女神の声に聞こえるようにするには、、、もうわかりますね。
自分の人生は、自分の努力でしか、切り開けません。
今のあなたの能力では到底達成できない目標を掲げて、達成するべく、全力を尽くしましょう。
人生を前向きに選択することで、何が大切かを知り、それ以外のものは思いきりよく捨てれる強さが身につきます。
そのころには、どんな声もバカにされたとは感じなくなるでしょう。
自分の人生を幸せにマネージメントするためのヒケツです。