◆１９８６年６月１９日 ２３：５０前後…在る若いベーシストがこの世を去った♪
◆当時…僕は、高校卒業時期であり１９歳の誕生日を迎えた頃にかけて…在るバンドのメンバーだった♪
◆リーダー的な存在だったＭ氏、その友人でギターリストのＩ氏、僕…そして、僕と同い年でドラムのＫ君とＳ君とで構成されたバンドだった♪
◆ポプコンの予選会である『Fuji-con』で選出され、次の『ポプコン東海大会セミファイナル』でも選ばれ、更に『ポプコン東海大会』に向けて…バンドの人気向上を図るライヴや練習を計画して居た頃でも在った♪
◆オリジナル曲を思案して居る中…『カバー曲を少し増やそう』と言う事になり…当時売れ始めて居た『アイリーンフォーリーン』のナンバーから選ぶ事になった♪
◆その曲は『海』それも『埠頭』が舞台の『悲しくも素敵な楽曲』で、Ｍ氏の提案で決まった♪
◆曲は『ミッシング～追悼～』。
◆アイリーンフォーリーンは今でも好きで…たまに聴く♪
◆ある日…ベーシストのＳとドラムのＫが、夜勤明けを勤め上げた後…彼等が高校時代に組んで居たバンドのメンバーで、久々の時間をドライブで楽しんだそうだ。
◆彼等は時間を惜しむ様に…懐かしい話しや、これからの音楽や、自分達の方向性に至る迄話したと聞く♪
Ｓ：『今度…ウチのバンド、海がテーマの曲ヤルんだ♪…』
◆そぉ～言って、純粋無垢な笑顔を見せたＳは楽しそぉ～に語った♪
◆僕の知るＳは…きっと『子猫がジャレつく様に…』小躍りしながら語った事で在ろうと…その場に居ずとも想像出来た♪
◆そして…夜の海の防波堤でそれぞれが鑑賞に浸って居たその時…
『ドサッ♪』…ッと言う音を聴き、音のした場所へと駆け寄ると…Ｓが落ちて居た…
◆頭を打って居た…耳から出血があった！
◆聞いた話しでは、Ｓは…３人兄弟の次男で、兄は某楽器メーカーへと就職…確か妹が居たと記憶している、父親は借金を作り女と逃げ…残された母と妹と三人で暮らす中…母は働き過ぎて身体を酷使し…無理がたたり遂に他界、残された二人の兄妹は…月毎に三軒の親族の家を住み代わる生活だった。
◆…携帯も何も無い時代である、公衆電話を探すよりも直接病院へと連れて行く方が早いと判断した彼等は…市内では大きいとされる病院へとＳを搬送…しかし残念な事に断られた！
◆次に…町医者だったか…救急センターだったのか…そこの所はハッキリして無いが…ある医療機関へと連れて行く『これは大変だ紹介の電話を入れて上げるからそこへ行きなさい！』…と言われ紹介されたのは、最初に訪ねた大型病院だった！
◆全員思った『たらい回しかヨッ』！
◆車中…Ｓは『痛ぇ～よ痛ぇ～よ』『苦しいヨッ！』と言い続け…『かぁ～ちゃん…』と言う言葉を最後に意識不明。
◆翌日…リーダーＭ氏が、僕の勤め先へと訪ねて来た事で事故の詳細を知った！
◆そして…仕事を終え、二人で病院へ…！
◆只…そこに居るだけである、何も出来ない…自身の非力さをまざまざと思い知らされた！
◆全員が…自身との心の葛藤に苛まれた！
◆長い長い時間が過ぎた。
◆Ｓ、他界……２３：５０前後であったであろう…時間を意識した時は、もう既に０：００を回ろうとしていた。
◆悔しかった。
◆僕は次の事を考えて居た…そぉ～東海大会だ。
◆リーダーＭ氏に…ベーシストとしてＳを迎える様に話しを進めたのは僕だ！
◆『Ｓの後任には…彼しか居ない。』やはり同い年でベーシストのＫ君に声をかけた、大人しい人柄であるのにもかかわらず、テクニカルなＳと互角の演奏が出来る男だった！
◆Ｓが亡くなり…葬送の儀を終え、ほどなくしてバンドの練習を再開。
◆リーダーＭ氏の無理難題を押しつけられた僕は…Ｍ氏と口論となりバンドを脱退！
◆元々…自身のユニットを推進する中でのバンドへの加入で在った。
◆Ｍ氏の発言で…ユニットの足止めを企て、尚且つ潰そうと考えて居た事も知り…スッキリさせたかったのである。
◆Ｓの死は…それを清算するのに良いチャンスだった！
◆Ｍ氏の紹介で勤めて居たレコードレンタルショップも辞め、大手企業へと就職…そこが地元を撤退する迄の四半世紀…キチンと勤め上げた。
◆その間…例のポプコン東海大会は、僕が辞めた事を知ったファンがチケットを購入しなかった、ファンが減った等の理由で落選した事を…近しい応援者から聞かされた。
◆Ｍ氏が、メンバーを引き連れ謝りに来たり、バンド解散の噂を聞いたり、結婚、離婚…更には新たなバンドへの加入から大手レコード会社からのメジャーデビューも人づてに聞いた。
◆実力を持っている方で在る事は御一緒して居た頃から判って居た、それでも結果…大々的にヒットはしなかった、その辺りで足踏み状態になる事も…昔から察して居た、何時か必ず…驕りや昂ぶりの心を見破られる事で在ろう…人は馬鹿では無い…そう信じて居た。
◆僕は…非力では在るが、当時のバンドに執着はして無い、勿論…金の思い出は大切にして居るし、友を思う気持ちは誰にも負けないと自負して居る。
◆何かに追われるかの様な曲創りはしたく無い、大量生産的な『製品』では無く、生涯を通して遺せる『作品』を創りたいのだ。
◆…この部分をどれ程の方々に御理解を頂けるので在ろうか？
◆…そんな事からも、僕はキット『無名無冠のアーチスト』の侭で終わるのだろう。
◆Ｓと二人切りでイタズラ半分に創ったデモテープと当時のバンド音源が…今も僕の手元に遺って居る、二人のデモテープの事は誰も知らない。
◆バンドの音源は４トラックテープで僕が所蔵して居り、Ｍ氏と二人でミックスし、メンバーのみダビングして持って居る筈だ。
◆バンドへの所属はたったの半年…短いこの期間が僕にとって大きな思い出となった。
◆毎年…この時期が訪れると『当時の事』を必ず思い出し、一年の中で…僕が一番自身と向き合う時間が長い大切な時となる。
◆とうとう今年も…その日を迎えた。
◆また更に前進しなくては。
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