てんかん患者であり医療者である自分 #1
私はてんかん患者だ。小学生の修学旅行から帰った翌日最初の発作が起きた。夢を見ているような感覚で、みんなが歌っていた。しかしそれは私の幻覚でしかなく、実際は自分が意識を失っていただけであった。気がつけば保健室、強い吐気と頭痛だった。国立病院で主治医だった今は亡き医師には、熱痙攣だとかヒステリーだと言われ、母は戦ってくれたが結局治療に至るまで6ヶ月以上経過していた。(数年前頭痛がひどく起こることがあり、動けなくなることをずっとう相談し、母は脳波検査を依頼していた。)()内を合わせると実に2,3年放置状態であったわけだ。特に検査をすることもなく、医師が母に言ったのは唯一つ。(医者の判断に口を挟むな。)そこからが地獄の始まりに思えた。一体なぜ起こるのかわからない当時の自分は、ただただ怖い思いをこれ以上心配かけまいと隠していた。なぜか、自分がいることで迷惑になると思ったからだ。ニュースでてんかん患者が交通事故をとみれば、自分のせいのように感じた。友達が発作を起こしたときには、第三者としての感情も芽生えた。恋人の前で倒れたときは、切なかった。男として守ってあげたいしどこへでも連れていきたいのに、車は怖くて乗れない。たとえ乗れる診断を受けても。と思った。とにかくはち切れそうな思いと、てんかんを憎む他者からの罵声にも耐えるしかなかった。それでも状態は落ち着き何年と発作は見られなくなった。車もOK、恋人の前で倒れることもない。夢見心地だった、自分が自分らしくあるような感じがして。保健師の道に進むことを決めたとき、反対するものは居なかった。大学に入り勉強に邁進した。免許は誰かを傷つけたくなかったから取得しなかった。そうして卒業して、首席として初めて人から評価を受けた。甘い夢は すぐに冷めそして醒めてしまった。勤務中に発作が起きたのだ。理由は皮肉にも、対人関係でのストレスだった。動かない補助、ピリピリとした管理職との夜勤。他病棟での患者の生死の事故。その応援要因として行ったこと。自分が発注した病棟物品が発注されていないと叱責されたこと。(補助さんが提出を忘れていたみたいだけれども。)結局潰れた。なにか自分の中で、燃え尽きてしまう感覚があった。無礼と不謹慎極まりない言葉を放つ。これは心が壊れた者の嘆きと、自分しか見えなくなった瞬間だと思ってほしい。それは新型コロナウイルスが発生したとき、自分が感染してそのまま死んでしまえればよかったのに。と思った。不謹慎極まりないが希死念慮の塊になっていたのだ。つまり時期は最近ってこと。誰かにわかってもらえるなんて思っていない。看護師の掲示板にも迷惑だから免許を返還して看護師をやめてほしいなんて書き込みがあった。健常者のみなさんへ。僕はみなさんが羨ましいです。この生れ育ったからだを変えられないのは分かっているので諦めています。ハンディキャップがある人を理解しろとかそういったことは言いません。生活習慣病とかそういった病気にならないように、どうかその誰かが手に入れられなかった丈夫な体を大事にしてください。僕はあなたが羨ましく、邪魔にならない最高の存在だと思っています。他のてんかん患者を恨まないでください。種類がいろいろあってヘッドギアという頭を保護する帽子をつけている人も居ますが、可能なら友達になってあげてください。私は隠すために妄言をとにかくばら撒き、自分の本質を隠していました。他のてんかん患者がそうならないように、ちょっとだけ接点を持ってあげてください。僕は、僕は貴方達のようになりたかった。応援しています。このコロナで苦しい状況で頑張っている皆様へ。閲覧どうもありがとうございます。更新は適当にしていくし、コメントがあればなるべく返します。かつてのてんかん患者による交通事故被害に合われた方へ。患者を代表して陳謝いたします。尊い命を奪うことは誰にも許されぬこと。本当にごめんなさい。私に謝られたといって、当事者を許すことにはならないでしょう。それでも謝りたいです。同じ疾患を持つものとして、どこの誰とも分からない人がてんかん患者で事故を起こしてしまったというのは本当に。すべてのてんかん患者 同志の方へ。頑張っていきましょう。少しでも我々が自分らしく、そして人を傷つけることがないよう。眠いとき、疲れているときに運転しないだとか、内服をしっかりするとか基本的なことから。回り回って自分のためになると僕は信じています。我々の同志が起こしてしまった事故は我々同胞にも責が社会からやってきます。しっかりと大丈夫であること、自分自身と他人を守る力、セルフケア能力があると示していきましょう。きっと大丈夫だよ。きっと苦しくても幸福はやってくると信じよう。僕のように卑屈にならないで、笑顔で生きて。そして自分の発作タイプと薬についてよく知り、生活習慣を確立していってください。てんかん患者で保健師で、少し潰れたぼくより 皆様に向けて。