カルドウェルとはちょっと聞き慣れない名前ですが、なんとこのクルマこれでカンナムカーなんです。フォーミュラ・Veeのコンストラクターであるオートダイナミクス社の作ったもので、シャシーはアルミモノコックをベースに樹脂で強化するという意欲的なものです(シャパラルのFRP製のモノコックといい、アメリカは新素材に柔軟性がありますね)が、もっとチャレンジングなのはサスペンションです。な、なんと前はリジッド!!後ろはド・ディオン!!レーシングクーペ系のアバルトのフロントが横置きリーフだったのを知った時、少なからず驚きを覚えたのですが、いくらなんでもなぜリジッド?と、悩んでしまいます。それもこれも小径なグッドイヤータイヤに合わせたため、といいますが、充分大径じゃん!って感じがします(おまけに、どう見ても超ショートホイールベースに見えるのですが気のせいでしょうか……)かと思うと、ドライバーにより任意に角度調整できるウイングを装備するなど、実にユニークです。話によるとトラコチューン/ウェバーのシボレーエンジンを搭載していた、という話で、肝心の戦績の方はどうかといえば、それが残念ながらあまり資料がないのです……。ですが、「記録より記憶」とはまさにこのマシンのためにあるような言葉ではないでしょうか。せめてわれわれだけでも記憶の彼方に葬ることなく、永遠に心の中のサーキットを走らせ続けてあげたいものです。