今年もこの季節がきました!
昨年もやった、Mr.Childrenの年間ベスト15曲を決める企画です。
去年までのもこのブログに載ってるんで是非見てみてください!


さて、今年はと言いますと

みなさんはMr.Childrenのアルバム「深海」をご存知でしょうか。
Mr.Children好きな方ならもちろんご存知だとは思いますが、かなり古いアルバムなので知らない方もいると思うので簡単に説明しておきます。
深海は2018年現在、Mr.Children最初で最後のコンセプトアルバムです。14の曲がひとつの流れに沿って淡々と進んでいきます。雰囲気としては鬱滞、鬱屈といった言葉が合うような、正直暗めのアルバムです。事実このアルバムができた当時の桜井さんの精神状態はかなり悪く、売れた直後にも関わらず、いや売れたからこそ抱える悩みに追い込まれた極限の精神状態で生まれたのがこの深海というアルバムでした。
評価は歴代のMr.Childrenのアルバムで最高傑作といったものから暗すぎるといったものまで、文字通り賛否両論です。
自分はというと、今となってはMr.Childrenのアルバムの中でも異色の存在となったこの深海が、良い悪いの前に面白い試みだったことは間違いないと思っています。

ここで話は冒頭と繋がるわけですが、僕が今回つくったMr.Childrenベスト15は深海同様、明らかに曲の流れを意識して選曲しました。それゆえ、これまでとは違った視点でいろいろな曲を聴くことが増え、選曲ひとつとってもなかなか面白い作業でした。そして深海同様何故か暗めの曲が若干多くなりました笑。別に2018年が闇の深い一年だったという意味では決してございません。コンセプトアルバムの宿命なんでしょうかね。
そろそろ御託を並べるのに嫌気がさしてきたので発表します。


innocentworld
海にて、心は裸になりたがる
擬態
Dive〜シーラカンス
深海
REM
ALIVE
光の射す方へ
跳べ
NOT FOUND
FIGHT CLUB
ロックンロール
潜水
皮膚呼吸
花 -Memento Mori-


書き並べてみて思ったけど、コンセプトアルバムになったもんだとばかり思ってたけど、もともとのコンセプトアルバムである深海から4曲も採用してるのはひどすぎる笑。
とまぁそんな感じで色々問題もありそうな15曲ですが、一応詳細を。



1.innocentworld(Atomic Heart・3年連続5度目)
ヤケクソと思われても仕方がない一曲目笑。何年か前にも置き場所に困ってシーソーゲームをトップバッターにしたことがあるけど、今年はそれ以上にひどいかな笑。でも名曲なことに違いはないし、インパクトは抜群でしょう。書いて思ったけど、Atomic Heartってアルバムの名前がすごく良いよね。悪い意味での「ミスチルらしいまどろっこしさ」がない、清々しいタイトル。売れるべくして売れたんだなぁ。
「いつの日もこの胸に流れてるメロディ」

2.海にて、心は裸になりたがる(重力と呼吸・初)
やーこれね。初めて聴いた時は「なんてダサいんだ…」って思いました笑。ミスチルって常に微かにダサい部分があって、それも含めて僕はファンなのですが、この曲のダサさは正直擁護しきれんなーと最初は思った。
そしてその感想はまだ完全に覆ったとは言い難いのですが、ライブで盛り上がったり、何度も聴いたりしているうちに、良さもわかってきた。謎の中毒性があり(個人的にはaddictionより余程addictionな曲)、コンセプトに合致していることもあって今回ランクインです。
「画面の表層に軽く触れて似たような毒を吐く」

3.擬態(SENSE・初)
これは出た当初から割と世間では人気のある曲でしたが、自分は歌詞の意味がよくわからず、あまり好きになれませんでした。そして今も歌詞の意味はあまり分かりません笑。ただ一つ言えるのは、今は歌詞の意味がわからなくても好きになれるということ。
8月に大きなテストがあって、それに向けての勉強してるとき、狂ったようにこれとゆゆうたばかり聴いてました。擬態ごめん。
「アスファルト飛び跳ねるトビウオに擬態して」

4.Dive〜シーラカンス(深海・初)
迷ったのですが、これはこの2曲で1曲ということにさせてください笑。でないとDiveだけのレビューとか書くはめになるので笑。今回のアルバムは、ここから文字通りDiveしていきます。何かが海を彷徨う音、飛び込む音、そして歪みに歪んだ田原氏のギターソロを味わいながら沈んでいきましょう。サウンドはバリバリロックで今でもかっこいいですが、歌詞は相当病んでますね…。今では到底書けない詞でしょう。
「選択肢はいくつだってある 言うなれば自由 そして僕は微かに左脳の片隅で君を待ってる」

5.深海(深海・初)
アルバム「深海」の始まりがDive〜シーラカンス、シメがこの曲「深海」なのですが、さすがひとつのコンセプトアルバムだけあって曲間の繋がりが抜群にいいです。一度お試しあれ。そしてこの曲にもシーラカンスは出てきて…「深海」というアルバムにおける主人公は、このシーラカンスに反映された自分自身なのだと僕は思います。
「夢中で君を追いかけて 追いかけてたっけ」
「連れてってくれないか 連れ戻してくれないか 僕を 僕も」

6.REM(REFLECTION・初)
深海の水に沈む音から始まります。相性良くないですか?この2曲には約17年の時間差があるわけですが…。
この曲は出た当初から、うわ!カッコいい!こんな曲も作れるんだ!って感じだったのですが、そのあまりの尖っぷりゆえに、なかなかベスト15入りすることはありませんでした。今回は満を持してランクインです。
「出口を探してるんですが、あなた知らないか」

7.ALIVE(BOLERO・初)
高校生の頃から好きだった曲です。暗いように見えて、希望にむけて歩こうと言ってるように見えて、やはり暗い笑。なんか能動的じゃないんですよね。歩いてればいずれ希望の一つや二つでてくるだろう、って感じの。徐々に盛り上がって最後お得意の転調するとこはいいんだけど、どこか漂う投げやり感。そこが好き。
「全部おりたい 寝転んでたい」
「夢はなくとも 希望はなくとも 目の前の遥かな道を やがてどこかで光は射すだろう」

8.光の射す方へ(DISCOVERY・3年ぶり2度目)
曲の感想は前回の記事をご覧ください。この曲はむしろその記事を書くために何度も繰り返し聴いたことで、より好きになれた曲です。ALIVEよりやや明るい投げやり感がよい。やはりこの辺の時代の曲達はいいですね…。11月にめちゃくちゃ聴いてました。
「僕らは夢見るあまり彷徨って 大海原で漂って さぶいぼたてんだ」

9.跳べ(I❤︎YOU・初)
いやーこれもヤケクソソング笑。1〜2月に狂ったみたいにこればっか聴いてました。ここまでの重厚なエレキギターとは対照的な軽いチャカチャカしたアコースティックギターが心地いいですね。この曲に出てくるような心の持ちようが大切だと思う今日この頃です。一度でいいからライブで「とっべぇぇぇー!!」って叫びたい。
「実際そうだったんだからそれでいい」

10.NOT FOUND(Q・4年ぶり3度目)
久々の選曲ですが、これほんと今回の15曲の中でもNo. 1といってもいいくらいです。もともとベストアルバムにも入ってたり、好きだった曲ですが、今年ライブで初めて生で聴いて、完全に自分の中で花開きました笑。カラオケで歌うと音程とか息継ぎとか何もかもキツいのですが、とにかくカッコいい。ほんとは今年中にこの曲の感想まで書き切ろうと思ってたのですが、I'll be の記事がなかなか進まなくて…笑。来年へ持ち越しです。
「自分だって思ってた人がまた違う顔見せるよ ねえそれって君のせいかな」
「昨日探し当てた場所に今日もジャンプしてみるけど なぜか NOT FOUND 」

11. FIGHT CLUB(REFLECTION・初)
この曲はあまりにも歌詞が独特で、今後ライブで聴く機会はあまりないだろうと思っている。ただとてもパワーのある曲。個人的には、ライブにてエソラとかfanfareとかマシュマロデイとかそのあたりと一緒に使われてもいい曲だと感じた。イントロのギターとかインパクト抜群だし。今後に期待大。
「共に今を生き抜こうか my friend」

12.ロックンロール(SUPERMARKETFANTASY・初)
Diveから始まったロックで歪んだ音楽はここで一区切りです。この曲をを初めて聴いた時、「ミスチルも丸くなったなぁ」って僕はほんの少しがっかりしました。だって本気でロックやってる自負があるならこんな詞は書けないだろって思ってたんです。
でもロックってそんなハッキリした定義のあるものではないんだなって、今では思うようになりました。だから別に「胃腸を壊してでも上手に歌い上げ」なくても、ロックってやれるんだなと。ミスチルは今でもロックバンドなんだなと。そう思うようになりました。
この曲もロックスタイルやってみたかった的なことを言っておきながら、間奏のギターソロはカッコいいし、最後のI LOVE YOUもどこかロックっぽいし(笑)で、面白い曲だと思います。
「空想にふけって 1日が終わる」
「わかってるよ わかってるよ」

13.潜水(I❤︎YOU・初)
まさかこの曲がベスト15入りする日が来るとは…。高校生の頃の自分に言っても信じてくれないでしょう。そのくらいこの曲の存在感は当時薄かった。まずサビどこだよ、みたいな。シャッフルで来たらほぼ確実に飛ばす曲、そんなイメージでした。
でもよく聴くと、とても「生」を感じさせる曲なんですよ。それでいてタイトルはむしろ深海の中の一曲かと思わせるようで…。面白い!ってなりました笑。
「あぁ生きてるって感じ」
「ピアノ叩いても音しか出ない」
ここのピア「ノ」のところでポロンってピアノの音が聴こえるのが狂おしいほど好き。

14.皮膚呼吸(重力と呼吸・初)
そしてそのピアノから始まる一曲。潜水と皮膚呼吸は対極にあるような言葉ですが、どちらの曲も「生」に目が向けられています。そしてこの曲はより生きていくんだ!という力強さを感じます。未完といい、この曲といい、ミスチルの「俺たちはまだまだこっから」みたいな決意表明の曲は割と刺さる。
「皮膚呼吸して無我夢中で体中に取り入れた微かな酸素が今の僕を作ってる そう信じたい」
「そう今日も 自分を試す時」

15.花-Memento mori-(深海・初)
地味ではありますが、〆向けの、とてもいい曲だなぁと思うわけです。淡々とした曲調、語り口で歌われているにも関わらず、すごいパワーをこの曲には感じます。ライブでも特別な演出で歌われておりました。
「負けないように枯れないように笑って咲く花になろう」



最初の3曲は明るく・健やかに。ただ心はinnocentworldから海へと向かい、トビウオに擬態し、そしてDive。そこからはシーラカンスに擬態し、深海で出口を探し、彷徨い、微かに見えた光の射す方へ跳んでみたら、何も見つからなくて、得体の知れない何かと闘って…
ここまではこんな世界線もあったかもねって、実は全部妄想で。そんな世界への憧れも抱きつつ、平穏に生きていることの喜びを噛み締めながら、負けないように枯れないようにやっていこう。
と、こんな感じです。自分でも引くほど考え抜いた選曲となりました笑。来年はもっと素直に選びたいね。

…と、この長文を何日にもわたって書いている途中で、来年のツアーが発表されました!その名も「Against ALL GRAVITY」。…やはりどこかダサいのはさておき、楽しみですね!なんとしてでもチケット勝ち取りたいです!
それにしてもツアータイトルからして、この人たちはこの先平穏に生きる気はさらさらないようですね笑。何もそんな挑戦ばっかりじゃなくで今の地位に少しは胡座をかいてもいいのにな…ってのも少し自分は思いますが。まあ「成功に胡座をかかない!重力に負けない!」なんて言えるのもこれまで成功してきたからこそなんですけどね。まあともかく楽しみです。

それではみなさん良いお年を!