『レンズ小僧の灯台ニュース』もよろしくおねがいします。
剱崎のハマカンゾウを「全滅させた」というGoogle AIの誤表示について
こんにちは、レンズ小僧です。
ある日Googleで検索していると、結果の冒頭に表示される「AIによる概要」に次の内容が表示されていました。
Google AIによる表示内容
『三浦半島の最南端に位置する剱崎(つるぎざき・神奈川県三浦市)は、かつて関東地方最大級のハマカンゾウ(浜萱草)の群生地として知られていた場所です。』
『・現状(2026年時点):残念ながら、過去に灯台の管理団体が雑草と誤認して根こそぎ刈り取ってしまった影響により、かつてのような大規模な群生は全滅したとの情報があります。』
は?
剱埼灯台の管理団体が、ハマカンゾウの関東最大級の群生地を全滅させた!?
とても驚きました。
私たちは2017年に剱埼灯台で草刈りなどの活動を始めました。
2022年には海上保安庁・第三管区海上保安本部より航路標識協力団体に指定され、公式に剱埼灯台の維持管理活動を行っています。
その活動の中で「ハマカンゾウを全滅させた」いう事実は、断じてありません。
冷静に、この「AIの回答」がいかに事実と異なるか、検証した結果をここに記します。
1.ハマカンゾウ(浜萱草)について
Wikipediaによると、ワスレグサ(忘れ草)はワスレグサ属の多年草の一種。別名で、カンゾウ(萱草)ともよばれる。
ハマカンゾウはノカンゾウに似るが、自生地がほぼ海岸に限られることと、冬季にも地上部の葉が残ることで判別できる。他より遅咲きで、夏から初秋にかけ、ノカンゾウに似た花を開く。橙赤色で花弁は6枚。
「『神奈川県植物誌2018電子版』神奈川県植物誌調査会編」では、『ハマカンゾウとノカンゾウの識別については,標本の形態のみで同定することは難しい。』と記載してありました。写真や映像などから判断するのは難しそうです。
なお若芽や蕾、花は茹でたり蒸したりして食べることが出来るそうです。
2.関東地方最大級の群生地?
三浦市でハマカンゾウの群生地として有名なのが小網代の森や黒崎の鼻などで、小網代の森では一万株が群生しているそうです。
一方、ネットの情報で”剱崎が関東地方最大級の群生地だった”と言う資料は見つかりませんでした。
3.管理団体の活動範囲と実態
現在、剱埼灯台を管理しているのは、海上保安庁と、航路標識協力団体の剱埼灯台サポーターです。
剱埼灯台の敷地における活動範囲は下図のとおりです。
※敷地(赤枠)は概略です。
海上保安庁が行うのが参道・塀外(茶枠)で年数回。
剱埼灯台サポーターは構内(黄枠)の芝刈りを年に30~35回で、参道・塀外・竜宮祠上(茶枠)の草刈りを年数回です。
海上保安庁、剱埼灯台サポーター共に、敷地(赤枠)内の構内(黄枠)と参道・塀外・竜宮祠上(茶枠)で草刈りなどを行っている。
敷地外、海岸などでは活動を行っていない。
次に『剱崎がハマカンゾウの関東地方最大級の群生地だった』件についてです。
剱埼灯台サポーターが活動を始めたのは2017年からですが、構内でハマカンゾウを見た記憶はありません。
参道で数本、その他の敷地内で数本程度見かけます。海岸はわかりません。
少なくとも2017年以降、剱埼灯台の敷地内にハマカンゾウの大規模な群生地は存在しません。
4.過去の映像記録による検証
2017年以前については、YouTubeで剱埼灯台の映像を探して、ハマカンゾウの開花時期である7月~10月の映像にハマカンゾウの花が多数写っていないか確認する事にしました。
※前記のとおりハマカンゾウの識別は難しいとの事なので、”らしきもの”を含めてハマカンゾウとしてカウントしました。
見つかったのは2012年9月22日から2017年8月27日に撮影された6本の動画で、この中で最も多く生えていたのが2012年の竜宮祠上で6~7本でした。
現在でもハマカンゾウが見られる参道では、やはり数本が確認されました。
構内では見当たりませんでした。
つまり、少なくとも2012年から現在に至るまで、剱埼灯台敷地内に「ハマカンゾウの大規模な群生地」が存在した事実はありません。
5.植物の特性からみる矛盾
そもそも刈り取りで、ハマカンゾウは全滅するのでしょうか。
海岸に自生するような丈夫な多年草なので、刈ったぐらいではなくならない気がします。
そこで食用における収穫方法について調べると、旬の食材百科やサバイバル生活大辞典では次のように書かれていました。
『ハサミやカマなど刃が付いた道具で根元から切りとる』
『収穫の際は、根はとらず根元から切って採取しよう。』
『多年生植物なので、根だけあれば再生が可能。根を残しておけばまた生えてくる。』
地上部を刈り取っても、根が残っていれば再び芽吹くそうです。
やはりハマカンゾウは刈り取っただけで全滅する事はあり得ません。
これら検証の結果、Google AIが提示した情報は、「存在しない群生地」を、「あり得ない方法で全滅させた」という、複数の間違いに基づいたものであると断定せざるを得ません。
ただ残念ながら、現時点でこのAIの回答を直接修正する手段はありません。
関係者で対応を検討した結果、直接的な被害が無い事と、そもそも私たちが非難されるような活動を行っていないことから、ひとまず静観する事になりました。
ただ私たちが不名誉な誤解を受けることは看過できません。
そういった理由で、本ブログに検証結果を残すことにしました。
この記事が検索エンジンにインデックスされ、AIが「正しい事実」を再学習することを願っています。
※ここに記した文章は、Google Geminiに添削を依頼し、AIに「こちらが正しい情報だ」と認識されやすいように提案された内容を一部取り入れました。
長々とすみませんでした💦
今後も剱埼灯台をご贔屓に🎵
では、また✋


