失業保険 の日額を増やすには、
退職直前半年の給与を増やせばよいという話をしました。


「でも、給料なんか自分の意思で増やせないでしょう?」

と思われる方も多いかと思います。


確かに、どの程度有効かは会社の体質次第ですが、
手がないわけではありません。

以下に具体的な方法をご紹介しますので、
ご自分の会社で使えるかどうか検討されてみて下さい。


(1)残業代を稼いで増やす


代表的な方法です。
失業保険の計算基準になる給料には、
ボーナス以外の各種手当が含まれます。


そこで直近半年は残業を大目にして、
残業手当で給与の額を増やすのです。


ただ、この方法は
「残業代を出さない会社」
「月●●時間以上はカットされる会社(残業時間は日常的にそれより多い)」
の場合は使えません。


こういった取り扱いは当然労働基準法違反なのですが、
それは別の問題になります。



(2)通勤手当で増やす


会社の近くに住んでいるなどして、
「辞めたら会社の近くは気まずい」
「安定収入がなくなるので実家に帰ろうと思っている」
という場合は、事前に引っ越してしまうのも手です。


上でも書きましたが、
失業保険 の計算基準になる給料には、ボーナス以外の各種手当」が含まれます。

つまり、「通勤手当」が増えれば
それだけ失業保険の日額も増えることになります。


遠くに引っ越すことで通勤手当の金額を増やしてしまうのです。


失業保険 の日額を増やすために引越しをするというのは
大げさな話ですから、

これはあくまでも「今の会社を辞めたら引っ越そう」と
考えている方が対象になります。


「辞めてから引っ越すより、辞める前に引っ越したほうがお得」
ぐらいに覚えておいてください。

前回まで、失業保険 の給付日数についてお話しました。


ですが、もらえるお金を増やす方法は、

給付日数を増やす以外にもあります。


それは、1日あたりの給付金額を増やすことです。

給付日数を増やすことに比べるとその効果は小さいですが、
増えるに越したことはありません。


まず、失業保険 の給付日額はどのようにして決められるのでしょうか?

これは、「退職直前の半年間の給料÷180日」を元に計算されます。
(正確には「給料」という表現は正しくないのですが、
ほとんど違いはないので分かりやすくするためにこの表現を使います)


この「退職直前の半年間の給料を180日で割った金額」に
50~80%の倍率をかけた金額が失業保険の給付日額になります。


退職直前半年間の給料が基準になるということは・・・

その間の給与が高くなるように準備すれば、
失業保険の日額も増えることになります。


当然ですが、これは退職してからは打つ手がありません。

在職中から意識して給与を高くするように動いておく必要があります。


次回は、「給与を増やす」ための具体的な方法をご紹介いたします。

退職時期がほんの数ヶ月違うだけで、
手元に残るお金が大きく変わってくることが
お分かりいただけたかと思います。


極端な話、1日退職が早かったばかりに
失業保険 の給付日数が半分になってしまうこともあり得ます。


そう考えると、退職のタイミングは非常に重要になります。

特に、ロクでもない会社は退職者に
「有給休暇の放棄」を迫ってくることが多いです。


有給休暇を放棄して本来もらえるはずだったお給料を会社に差し出し、
その上失業保険の受給日数が半分になってしまっては
お人好しにも程があります。


会社は退職者の給与処理を面倒くさがって、

・給与の締め日を退職日にする
・その時点で残っている有給は返上

といった処理をしようとすることが多いですが、
気軽に応じてしまうと取り返しがつかないことになりかねません。


応じるにしても、「損するのは、放棄した有給分の給料」だけで
済むのかどうかを計算してからにしましょう。