ー水の都アクシリアー
ハウンドとの戦いを終えた
アリシア一行は、
アクシリアの宿屋で
心身の疲れを癒していた。
そして、戦いから一夜明け…。
当麻
「ん~…良い朝だな。
日差しも気持ちいいし…」
上条当麻は部屋を出て
外で日の光を浴びていた。
食蜂
「おはよ、当麻くん☆
今日もいい天気ねぇ」
食蜂操祈が現れる。
いつもと少し違った服を着ている。
当麻も同じだが。
当麻
「あぁ、おはよう。
操祈も服借りたのか?」
食蜂
「ええ、そうよぉ。
似合う…かしらぁ?」モジッ
食蜂
(なんか、2人きりだと
少し恥ずかしいわねぇ…)
当麻
「ああ、似合ってるよ。
…ほかの皆は…まだ部屋か」
食蜂
「…そうねぇ…。
特に、御坂さんと一方通行は…
何か考え込んでる様子だったわぁ」
当麻
「そうか…。
インデックスも打ち止めも、
起きてはいたけど
元気なさそうだったしな…」
結局、皆起きてはいる。
ただ
大多数が宿屋から出ていない。
特に美琴と一方通行は、
部屋からも一歩も出ていない状態だ。
まぁ…
食蜂
「ルリナディアは
今朝、意気揚々と
街へ繰り出してるのを
見たわよぉ」
当麻
「…そ、そうか…」
破壊神様は
ハウンドとの一件など
全く意に介さず、
相変わらずの脳天気さを発揮していた。
食蜂
「当麻くん。
ここで立ち話もなんだし、
少しお散歩でもしましょうよぉ」
当麻
「うーん…
そうだな。そうするか」
操祈の提案で、
平和になったアクシリアを
散歩する事にした2人。
食蜂
「これでこの街は平和になったけど、
何か…
やりきれないわよねぇ…」テクテク
当麻
「そうだな…。
ハウンドのした事は
許せないけど、
元はといえばあの、ナイトメアが
悪かったわけだしな…」テクテク
アクシリアの人々は
活気に溢れ、
とても明るい雰囲気に
なっている。
だが、
肝心の当麻と操祈は
少し暗い顔をしていた。
食蜂
「妹達…
どうにか、
できなかったのかしらぁ…」
俯きながら
操祈がつぶやく。
彼女も“妹達”には
色々と思うところがあった。
当麻
「…ん、そこのベンチにでも
ちょっと座ろうぜ」
食蜂
「え?
え、ええ」
ベンチに腰掛ける2人。
俯く操祈と
空を見上げる当麻。
操祈
「わひゃっ!?」ビクッ
急に、当麻が操祈の頭を撫でる。
突然だったので、驚く。
当麻
「あいつらがいると、
泣きづらいだろ?
お前が辛そうにしてんのは
見たらすぐわかったよ」ナデナデ
操祈
「と、当麻くん…
う…うぅ…!」
当麻に泣きつく操祈。
“妹達”を救えなかった。
操祈にとって大切な友達…
“ドリー”の妹とも言える、
彼女たちを。
それが、辛かった。
操祈
「うわぁぁああん!!
どうして…
どうして救えなかったのよぉ…!
昔より、力を付けたはずなのに…!
どうして…どうして…!」
何も言わず
ただ操祈の頭をなでる当麻。
そして、
静かに口を開く。
当麻
「何があったのかは知らないけど、
お前だけが
抱え込む必要なんてないんだよ。
皆いた。皆いたけど
ダメだった。
俺だって悔しい…
御坂も、一方通行も。
他の皆だって、
“妹達”の事はよくわからなくても
あんな終わり方をしちまって…
皆、悔しいんだ」ナデナデ
優しい目で
操祈に語りかける当麻。
操祈
「…うん…」
当麻
「…今度誰かが苦しんでたら、
今度こそ皆で助けてやらなきゃ。
そのために俺も頑張る。
他の皆だってそうだ。
一緒に、頑張ろうぜ…操祈」
食蜂
「…そうねぇ…。
えへ、やっぱり優しいわぁ」
涙を拭く操祈。
そして笑顔で当麻の顔を見つめる。
当麻
「優しい…かなぁ?
別に、俺は俺のために
やってるだけで…
ただの偽善者さ」
食蜂
「ううん、優しいわよぉ。
私の事を気遣って、
ベンチで静かに
話を聞いてくれるんだもの。
ありがとう♪」ニコッ
当麻
「ど、どういたしまして!」
当麻
(不意打ち!
やっぱり笑顔が似合うよな)
食蜂
「?
どうしたのぉ?」
当麻
「な、なんでも
ありませんのことよ!?」
と。
そこへ
奴が現れる!
ルリナディア
「え~へ~へ~♪♪
若者よ、青春してるですねぇ♪」ズイッ
当麻
「おわぁっ!?
い、いつの間に!?」
食蜂
「き、急に現れないで!!」
ルリナディアである。
ゲスい笑みを浮かべながら、
当麻と操祈の間に
割って入ってきたのだ。
ルリナディア
「…ぷっ…。
か、格好良かったですよ…
上条くん…ぷくくく…」
当麻
「ま、まさか!!
全部聞いてたのか!?」
食蜂
「えっ!?///」
ルリナディア
「あいつらがいると、
泣きづらいだろ?(キリッ)
の辺りからです☆」
当麻
「最初から居たのかよ!!
全然気付かなかったよ!」
食蜂
「ぬ、盗み聞きはよくないんだゾ!」
ルリナディア
「盗み聞きぃ~?
失礼な!
ニヨニヨしながら隠れて
聞いてただけですぅ!」
当麻
「それを盗み聞きって言うんだよ!
居るなら言えよな!!」
食蜂
(なんで居るのよぉ!!
このKYは!!)
ルリナディア
「コッソリ聞いてた方が
面白そうだなーと思いまして☆」
当麻
「悪趣味だな!」
アリシア
「悪趣味で悪かったわね」
ルリ
「いやー、何か
お二人の邪魔してすいませんです…」
食蜂
「わぁっ!?
あなたたちも
いたのぉ!?」
ルリナディアの後ろから、
真顔のアリシアと
申し訳なさそうな顔をした
ルリが現れた。
当麻
「あ、あなた様方も…」
アリシア
「えぇ、最初から聞いてたわよ?」
ルリ
「格好良かったですよ~?
さり気ない気遣いができる
当麻さん素敵!」
ルリナディア
「そうですぅ?
食蜂ちゃんに見とれて
あんな事やこんな事を考えて…」
食蜂
「えっ!?////」
当麻
「なぁ!?
べ、別にそんな…
ヤマシイ事なんか考えてません!」
ルリナディア
「嘘はダメです☆
ふぅむ、上条くんは
巨乳の方が好み…と。
ああ、そういえば
お姉さんタイプが
好きなんでしたっけ?
食蜂ちゃんは年下ですけど、
体はご立派ですものねぇ?」
アリシア
「…所詮ケダモノか」フッ
ルリ
「体目当てですか…」
食蜂
「…!?…!?!?」プルプル
当麻
「ち、違うぞ操祈っ!!
俺は別にそんな、
変なことなんて考えてない!」
にやぁああ
とゲスい笑みを
浮かべる
ルリナディア
ルリ
アリシア。
アリシア
「こんな人気のない所へ
連れ出して、ナニするつもり
だったのかしらねぇ?」ニタリ
ルリ
「え?ナニって…」ニタリ
ルリナディア
「上条くん。
いくら立派な体を持ってても、
食蜂ちゃんは中学生なんですから。
手出したらダメですよ?」ニタリ
3人がかりで
当麻をいじめる彼女たち。
ある意味恐怖の集団である。
食蜂
「わ、わたしは…
別に…当麻くんがその気なら…」モジッ
当麻
「ふぉい!?」
ルリナディア
「おっとコレは脈有りですか?
解説のアリシアさん」
咄嗟に当麻と操祈から距離を取り、
小芝居を始めるルリナディア。
アリシア
「間違いないですねぇ。
さて、上条当麻♂。
ここはどう攻めるのか?
次の一手で、
彼の男としての真価が計れますね」
小芝居に乗っかるアリシア。
意外とノリがいいのだった。
ルリ
「あ、あの…?
何急に変な小芝居始めてるです…?」
そんな2人に
ルリちゃんドン引きである。
当麻
「…お、お、おおお…」
ルリナディア
「キョドってますねえ。
所詮万年彼女無しのゴミクズですか」
アリシア
「彼の場合、
相手は中学生だぞ…!
などという古くさい考えが
頭にブレーキをかけているものと
思われますね」ケッ
ルリ
「いや、白昼堂々
何をさせる気ですか…」
食蜂
「…あの…あのね?
わたし、その…
すごく嬉しいのよぉ。
あなたと、またこうして
普通に会話できる事が…
側に居られる事が…」
当麻
「操祈…」
ルリナディア
「お、おっと?
何か急に真面目な雰囲気に…」
アリシア
「茶化しにくいわねぇ」
ルリ
「いつからそんなゲスキャラに
なっちゃったんですか…?
シアちゃん…」ジトー
食蜂
「だから、ね?
またこうして
普通に散歩して
普通にお話できたら…
それで充分満足なのよぉ。
少なくとも、今は…」ニコッ
当麻
「操祈…。
そっか、そうだな…。
…何度でも散歩しよう。
何度でも一緒に話そう。
約束だ!」ニカッ
ルリナディア
「キッス!!
キッス!!
キッス!!」
アリシア
「…意地でも茶化したいのね…」
ルリ
「さすがにシアちゃんも
こちらに戻ってきたですね…」
食蜂
「…今度、デートしてほしいなぁ…
なんて…思ったりして…」モジッ
当麻
「で、デート!?
俺でよければ、喜んで…
でもいいのか?
俺なんかで…」
アリシア
(鈍感とかいうレベルなのかしらね?
女の子があそこまで言ってんのに)
食蜂
「むぅ!
当麻くんじゃなきゃダメなのぉ!
それぐらいわかってほしいんだゾ!
恥ずかしいんだからぁ…////」
ルリナディア
「えんだあああ
いや」モガッ
アリシア
「いい加減にしなさいよ。
近所迷惑な上に
雰囲気ぶち壊しよ。
あたしも乗っかっちゃったけどさ。
アレは茶化しちゃダメなピュアよ」
ルリ
「茶化していいピュアは
たとえばジャンとかですかねぇ。
今頃生きてるんでしょうか?」
当麻
「俺じゃなきゃ、ダメ…?
それってつまり…」
食蜂
「……っ!////」ダッ
▼操祈は逃走した!
ルリナディア
「あっ、逃げたです!?
足すごく遅いですけど!!」
当麻
「つまり…」
テクテク
アリシア
「さすがにあんたでも
気付いたでしょ。
よく考えておきなさいよ」ペシッ
当麻
「あたっ!
…お、おう…」
当麻
(つまり…
お、俺の事を好きだってことか?
操祈が?あの操祈さんが?
あの超絶美少女な操祈が!?
え!?嘘だろ!?)カオマッカ
ー走り去った操祈はー
食蜂
「…さ、さすがに…
気付く…わよねぇ…?
ど、どうしよう…」カオマッカ
インデックス
「…あ、みさきち。
とうま知らない?」
逃走した先で
インデックスと遭遇した操祈。
食蜂
「あ、インデックスちゃん…
もう心の整理はついたのかしらぁ?
色々あったから疲れたでしょぉ?」
インデックス
「もう大丈夫なんだよ!
それより、
とうまもみさきちも
帰ってこないから心配で…」
食蜂
「あ、ごめんなさいねぇ。
当麻くんなら
ちょっと私が連れ歩いてたのぉ」
インデックス
「…そうなの?
ふーん…もう、大丈夫?
みさきち」
食蜂
(当麻くんと同じで、
この子にも見抜かれてたみたいねぇ。
この2人ちょっと似てるわぁ)
食蜂
「大丈夫よぉ☆
ありがとう」
インデックス
「ん、ならよかったんだよ!
まぁとうまは放っておいても
帰ってくるかも」
食蜂
「誰かさんにイジられてる
かもしれないわねぇ」遠い目
ー当麻さんはー
当麻
「上条さんは
どうすればいいのでせう?」
ルリナディア
「そんなもん
自分で考えやがれポンコツ
なのです」
アリシア
「右に同じ」
ルリ
「人に意見を求めて
何になるんですかポンコツ
と言いたいです」
当麻
「なんで君たち
そんな冷たいんだよ!!
氷河期ですか!?
上条さんのガラスのハートは
深く傷つきましたよ!?」
アリシア
「知るかい。
自分で考えなさいよ」
ルリナディア
「あ、アリシア。
あそこでチョコクレープ
売ってるみたいですよ?」
ルリ
「あ、ほんとです!
行きましょう、シアちゃん!」
アリシア
「おけ!ダッシュよ!!」
ダダダッ
当麻
「えっ、俺は?」ポツーン
言いたい放題言われた挙げ句
さらっと放置された
上条当麻なのであった。
食蜂
「あ、まだここに居たのねぇ」
インデックス
「とうま~!!
何遠い目してるの?
3人でこの街の
食べ歩きしたいかも!」
当麻
「お前も食い物か!
あ、お前はいつも通りか…。
わかった、行こうぜ」フゥ
インデックス
「やったぁ!!
えへへ~♪
3人で手繋ご?」ニコニコ
食蜂
(き、気まずいわねぇ…
さっき逃げてきたばかりだし…)
当麻
(イ、インデックス…
せめて日を改めてからに
してほしかった…。
気持ちの整理が…!)
インデックス
「ん?
2人とも、どうしたの?」
食蜂
「な、なんでもないのよぉ?」
当麻
「そ、そうだぞ!
さぁ!食べ歩き…
って金は大丈夫なのか?」
インデックス
「前もってアリシアに
もらったお小遣いがあるから、
全く問題ないかも!!」ドヤッ
当麻
(アリシアさんすみません…
こいつの食費、
半端じゃないですよ…?)
アリシアもアリシアで、
バカ食いする
ルリナディアに悩まされていた…
【第76話へ続く!】
