「ジェルミ?」
「なぁに?」
今日俺のサヤは甘えん坊?
俺がフラっと洗面所に行ったら、
いつのまにか入り口から顔だけ覗かして、
ジーっと俺のこと見てる。
後追い?
くくっ。赤ちゃんみたいだね。
「ジェルミって妹さんと何歳離れてるんだっけ?」
「4つだよ。凄くチャーミングだよ。
今度サヤにも会わせたいなぁ」
そっかぁって、ニコニコ。
なんだろうね。
人の……
一番好きな人の笑顔って、
一番好きな人の笑顔って、
それだけでうれしくなる。
「ジェルミ?」
「んぁに?」
歯ブラシを口につっこんで、
フゴフゴ返事。
うちのバスルームは、1段高く作られてるから、
ドアをあけて、縁に腰掛けたら、
ちょこんって横に座ってくる。
ふふっ、そーんなに寂しかったの?
さっきまでリビングで一緒だったのに。
ホッペを指でツンってしたら、
もっとニコニコって。
もぅ。かわいすぎるし。
「ジェルミって考えごとする時は英語?韓国語?」
「ぇーごはよ」
あ、歯磨き粉たれてきちゃった。
サヤが慌ててメイク用に
おいてあったティッシュで、ぬぐってくれた。
英語かぁって、またニコニコ。
サヤは日本語でしょ?って顔でみたら、
ちゃんと伝わったみたい。
日本語だよーだって。
不思議だよねぇ。
二人とも韓国人じゃないのに、
韓国で出会って、韓国語で会話してるんだから。
「ジェルミ?」
「ふぁにぃ?」
洗面台で口をゆすごうとしたら、
後ろから腰に絡み付いてきて。
今日はほんと甘えん坊。
かわいい。
「ジェルミ英語教えてくれる?」
「んっ?どうしたの急に?」
鏡越しに目があえば、、
またすっごいニコニコ笑うんだよね。
どうしたんだろう。
ただ笑顔ってだけなのに。
愛おしいってこういうことなんだって思える。
俺のために笑ってるみたいで、
ちょっとジーンってきちゃった。
「だって。ジェルミの考えてること、
英語が一番正しく伝わるんでしょ?」
「ん??」
「ジェルミが英語から韓国語。私が韓国語からさらに日本語に変換してたら、
なんか正しく伝わらない気がしない?」
難しいこと考えてるんだね?
んーでも、そうかも?
サヤは、韓国語だって完全にペラペラじゃないもんね。
俺だって難しい言葉になると、ちょっと詰まるときあるし。
「あたしの言葉も、ちゃんと伝わってほしいしなぁ」
なんかブツブツ独り言。
ん?どうしたの??
『それにジェルミの家族とも、自分の言葉で
ちゃんとお話ししたい』
突然の日本語。
でも。俺。
なんとなく意味が判っちゃった。
日本語って、韓国語と時々似た発音があるから、
ピンときちゃった。
『ジェルミノカジョク』って言ったよね?
もうだめ。
かわいすぎる。
「サヤ。俺にも日本語教えて?
理由はサヤと一緒だから」
ご挨拶、ちゃんと日本語でしたいしね。
鏡に写る真っ赤になった君に、
チュってキスを飛ばした。
俺。日本語がんばるよ。
君と家族になる為に。
