バイトを探していた頃のお話です。
ある日、求人情報誌を見ていると、
ネカフェの募集なんだけどもやたらと時給がいい店があったんだ。
今考えたら明らかに怪しい点が多数あったんだけども、
メジャーな某リクルート情報誌に堂々と掲載されていたので
警戒心もあまり持たずに応募してしまった。
俺の地域では当時のネカフェの一般的な時給は850円とかだったんだけど、
その店は1200円で募集をかけていた。
…そこからが地獄の始まりだったとは知る由もなかった…
見た目は… そうだな…
愛想の良いガチンコファイトクラブの竹原って感じかな。
接客業の経験とPC知識がそこそこ豊富だった俺は
そこを見こまれて面接時にその場であっさりと採用決定。
店はオープン準備中らしく、
PCのセッティングなどから始めていた。
数日後、スタッフ顔合わせということで、
飲み会が開催された。
メンバーは男は店長含め3名。
女の子が5名くらい(記憶が曖昧)。
女の子は全員「顔で選んだろ…」って感じの面々だった。
・俺 :当時22歳。 キャバとかで下っ端黒服やってそうと言われていた風貌。
・店長 :40代くらいの竹原似の愛想のいいオッサン
・社長 :ホスト上がりっぽい30代半ば
・♂店員 :30代半ばの夜の仕事上がりだが見た目オッサン
・♀店員A:マイ☆ボス マイ☆ヒーローってドラマに出てた鉄仮面(香椎由宇)似。20歳
・♀店員B:地方ローカル番組でアイドル(?)やってる娘。19歳
・♀店員C:バリバリのギャル。20歳
・♀店員D:小西真奈美似のお姉さん。23歳
・♀店員E:少し地味めな女の子。19歳
何故か店長と社長に気に入られてしまった。
女の子達はワイワイキャーキャーいいながら楽しんでいたが、
♀店員A(以下、鉄仮面)は無口に淡々と日本酒を飲み続けている様子が印象的だった。
ひとまず、顔合わせは無難に終了した。
研修が行われ、オープンに向けての準備が始まった。
俺は何故か、研修にはほとんど参加せず、
店内のPCのセットアップ業務を担当していた。
店内は一見、普通のネットカフェのようだった…が、
しかし、PCのセットアップをしていて、明らかに怪しい点があった。
- 海外サーバーへの接続で行われるオンラインのバカラの存在。 -
明らかに異色を放つこのソフトの存在。
怪しいとは思いつつもセットアップを続ける俺。
スタッフ全員を集めてバカラの説明が始まった。
客から金を受け取り、それを$ポイントにして客にチャージ。
レートは1万円=80$(店側が20%手数料として差し引く)
客が帰る時に$を円に替えて渡す。
飲食物は無料。
ざっとこんな感じ。
どう考えても違法賭博です。
店長と社長の主張は
「賭場の開帳場所が国外なので日本の法律外だから合法」
という、阿呆な主張だった。
みんな口々に「逃げたほうがよくない?」
「でも絶対ヤクザ絡みだから怖いよ…」などと影でビクついていた。
俺は金が貰えればいいやってスタンスだったのであまり気にしていなかったが、
謎に社長と店長に気に入られてしまっていたので、
客との金のやり取りを行うキャッシャー業務の担当になってしまっていた。
そして、時給は1500円に設定され、キャプテンという立場になっていた。
♂店員はサブキャプテンになった。
俺の担当は早朝だった。
早朝のメンバーは俺、鉄仮面、♀店員B(ドル娘)の3人。
早朝は客足が本当に無く、
基本はビラ配りが主な業務となっていた。
社長は暇すぎて常にYoutubeで動画を見ていた印象しかない。
そして、アホなので、ビラ配りに俺ら3人を派遣する有様。
店は社長以外、「中に誰もいませんよ」状態だった。
俺はハナっから真面目にビラ配りをする気なっしんぐ。
女の子達と一緒に煙草吸いながら朝マックを決め込むのが毎日の業務となっていた。
これで時給1500円…ちょろいwww
働き始めて1ヶ月が過ぎようとしていた頃。
早朝の俺らは客と一度も遭遇したことが無いまま
マックで女の子とだべってるだけの生活だった。
地味子の時間帯は深夜で、客の出入りはぼちぼちな感じだったらしいが、
突然来なくなったことで店長が慌てていた。
♀店員D(コニたん)が電話してみると、
「やっぱり違法だし店長も社長もきっとヤクザだろうし、もう行きたくない」
とのことだった。
この出来事から女の子達が騒ぎ始め、
この後、大きく事が動き出すことになった。
俺 「ん? なしたの?」
鉄仮面「ちょっとみんなで話があるの…」
鉄仮面に呼ばれ、いつものマックに行くと、
そこにはドル娘・コニたん・♀店員C(ギャル)がいた。
なんとなく要件は見えてきたぞ…
俺 「みんな集まってなんかあった?」
鉄仮面 「地味子が来なくなったでしょ? それでみんなで相談したんだけど…」
ギャル 「やっぱ違法な仕事はマズいって結論になってさー」
ドル娘 「給料は悪くないんだけどねぇ…」
コニたん「……。」
まぁ、いままでこういう流れにならなかった方がおかしかったよな…
俺 「で、どうするの?」
鉄仮面 「警察に行こうと思う。」
…だよなぁ…
給料良かったからもうちょい粘れるかと思ったが、
女の子達を敵に回すのは得策ではない。
俺は続けても良かったが、このままだと、
俺が残っててもこいつらは警察に行くのは間違いない。
そうなると俺も危険だ。
じゃあどうする?
答えは一つ。
全面的に女の子側をサポートして
俺も一種のヤクザの被害者的な位置に収まること。
…これでいこう。
ひとりでも勝手な行動を取ると何が起こるかわからんからね。」
鉄仮面 「うん。 キャップありがとう!」
しかし、女の子達の希望は割れた。
■鉄仮面・ドル娘
・これまでの給料はちゃんと欲しい
・警察に行って洗いざらい告発したい
■ギャル・コニたん
・ヤクザが怖いから給料はもうどうでもいいからこれ以上関わりたくない
このどちらも実現させる方法は無いかと考えた。
しかし、相手はヤクザ。
ヘタ打つと俺も危険…ここは慎重に考えなければ…
ひとまず、この場は俺預かりで解散してもらった。
あれは身を滅ぼすわ
近づかないのが正解
ただ単純に店に来なくなるだけでいいのか…?
いや、短期間に地味子含め3人も消えたら店長と社長は警戒するだろう。
警戒されると次の行動が取りづらくなる。
そうだ! まずは連絡先もわからなくするために、
面接時の履歴書を処分しよう!
幸い、この手の書類の扱いはかなり雑だったのは見てて気づいていた。
恐らく、無くなっても気づかないくらいのレベルに…
俺は店内の監視カメラの死角を狙い、
履歴書を全て回収した。
そして、事務所のPCの中に個人データが残されてないかを確認。
パスワードが掛かってはいたが、パスは社長の誕生日という、
なんともお馬鹿なオチだった。
そして全てをデタラメに書き換えてやった。
ファイルの更新日からバレないように、
ツールを使って更新日も弄ってミッション完了。
てか、PCのセキュリティが驚くほどザルだったので
お陰でいろいろとやりやすかった。
この前やってた警察24時で逮捕された人?
>>22
いや、あれとは違う。
こっちはオンラインカジノの店。
まずは個人情報の類の説明をした。
そして、ギャル・コニたんには
「俺が指示するまで、勝手に来なくなったりしないように」
と指示をした。
二人は不満そうにしていたが、鉄仮面・ドル娘に説得されていた。
鉄仮面・ドル娘の目には俺がスパイか何かのように映っていたみたいで
従順に俺の指示に従うようになっていた。
俺も金は貰えなきゃ困るので、一番気合を入れたい部分だった。
おとなしく支払ってくれればいいが、
全員で辞めるタイミングで店長らが逆ギレして
支払いを拒否する可能性も視野に入れなくてはならない。
まずは無難にタイムカードのコピーを取ることにした。
スタッフ全員分のタイムカードをコピー。
簡単だった。
あとは辞めて金を貰い、
拒否されたら労働基準局へのタレ込みをし、
警察へ行く流れで決まりだ。
警察へのタレ込み部分に関して動くことにした。
恐らく、通報だけでは警察は動かない。
できるだけ証拠を抑えなくてはならないと考えた。
隙をみて再びメインPCに突入。
USBメモリに入れたFTPソフトを使って、
予め用意した偽名で登録したレンタルサーバーへデータをアップすることに成功。
そしてルーターのログをクリアして簡単にだが痕跡を整理。
(そこまでしなくてもザルだからどうせ気づかないんだけど…)
それで入手したデータは下記のものとなった。
・バカラのサーバーの契約書類とIDとパスワード
・客との金のやり取りの記録
・カジノカフェとしての利益の上げ方の仕組みメモ
大漁だった。
さっそく行動に。
女の子達を集め、先頭に立ち、
店長と社長に辞める意志を伝えた。
場の空気から何かを読み取ったのか、
普段愛想の良かった店長の表情がみるみると変貌。
威圧的に睨んでくる。
店長 「なんだ?」
俺 「この店で行ってる行為は違法賭博にあたります。
もしも摘発されるような流れになれば僕らも被害を受けかねません。
そうなる前に僕らは退職させて頂きたいと思っています。」
店長 「ほう…」
俺の方を見て
店長 「こいつら全員辞めんのか?
お前の入れ知恵なのか?」
ガクブル状態な女の子達。
…と、俺。
俺 「みんなで相談した結果です。(俺はどっちでもよかったのになぁ…gkbr)」
店長 「…おう。 わかった。 でも給料は払わねぇぞ。」
ほれきた…
想定通り。
支払って頂けないのであれば、労基に相談せざるを得ませんが…」
店長 「てめぇ! 誰にクチ聞いとんのじゃ!
ぜってぇに金は払わねぇからな! 辞めるならとっとと出て行け!」
キレて有耶無耶にするか…
ここは一旦退くことに。
俺は女の子達にアイコンタクトをし、
店長にお辞儀をして
俺 「お世話になりました。」
と、店を出た。
女の子達も同じようにお辞儀をして店を出ていく。
鉄仮面・ドル娘は何が何でも給料が欲しいということで引き続き参加。
労基へ行き、給料を貰える可能性に関しての相談をする。
「確実に給料を獲得することは可能」との答え。
但し、先に警察に行くことを勧められる。
そして俺らは警察へ行くことに。
交番ではなく、そこの地域で一番大きい警察署に行くことに。
正直、俺はこれまでの人生で逮捕歴は無いものの
軽いものなら叩けばいくらでも埃が出てくるような人生を歩んでいて、
警察署に行くだけで恐怖だった…
ありがと!
でも今は無職という現実!
続けます。