元日銀総裁の白川さんの『中央銀行』という本を読んでみた。最後のページが７５８ページ。これまで読んだ本では、『カラマーゾフの兄弟』に次ぐ分厚さ。
日銀総裁時代、安倍元総理をはじめリフレ派の面々からはボロカスに言われていた印象が強い白川さんだが、この本を読んでみて、誠実で学究肌のひととなりが感じられた。
本当はもっと強い言葉でおっしゃりたいことがあるんだろうが、この本では抑制的、冷静、紳士的に自説を述べられているのが印象的だ。
一番印象的だった箇所は、
「量的緩和に積極的な意味を求めようとすれば、その最大の意味は、「量的拡大自体には効果はない」ということを社会全体が学ぶこと」（560ページ）
というところ。
もうすぐ、白川さんの後任の黒田さんの任期が終わるので、そうしたら気兼ねせず、もっともっと色んなことを書いてほしいなぁ。