日経新聞によると、黒田総裁は、マイナス金利に関して
「金融市場はネガティブな反応を示したが、もし導入しなければ、マーケットはもっと悪くなっただろう」
と指摘したそうだ。
この「～～しなければ、もっと悪くなっていただろう」というのは、便利な言葉で、魔法の言葉だ。これにかかると、どんな政策も効果があることになる。
例えば、
「消費税を上げたから景気が悪くなった」
⇒「消費税を上げなかったら、景気はもっと悪くなっていただろう」
「円安になっても輸出は増えなかった」
⇒「円安にならなかったら、輸出は減っていただろう」
「株価が上がっても消費は増えなかった」
⇒「株価が上がらなかったら、消費は減っていただろう」
「公共工事を増やしても成長率は高まらなかった」
⇒「公共工事を増やさなければ、マイナス成長になっていただろう」
「量的質的金融緩和を実施しても物価は上がらなかった」
⇒「量的質的金融緩和を実施しなければ、物価は下がっていただろう」
このように、消費税引き上げも、円安も、株価上昇も、公共工事拡大も、量的質的金融緩和も、すべて効果があることになってしまう。