今回は、基礎練習の中でも
指の強化(独立)に役立つ
練習法をご紹介したいと思います。
結論から言いますと、
やはり「なんといっても『ハノン』」です。
『ハノン』一冊で一生使えちゃう
という話は前の記事でもお話し
したとおりです。
さて、今回はその中でも
指の強化に適した練習曲をご紹介します。
『ハノン』は第1部〜第3部に分かれており、
だんだんと難易度も上がっていくのですが、
ピアノ初心者に是非ともクリアして欲しいのが
(そして初心者を卒業した後もちょくちょく
振り返ってほしいのが)
第1部の最初の8曲なのです。
つまり練習番号1番〜8番ということです。
第1部は全体として
「指の強化(独立)」のための練習、
と『ハノン』本書の中にも書いて
あるとおりですが、
特に最初の8曲はジャズ
ピアノ初心者がクリアすべき
課題が集約されており、
言ってしまえばこの8曲で
必要な練習内容は揃っているのです。
つまりこの8曲さえ
練習し尽くせば、指の基礎は
できたと言って過言では
ありません。
詳しく見てみましょう。
(手元に『ハノン』を置いて
参照しながらこの記事を
読むことをおすすめします。)
第1番は1〜5の指(両手とも1が親指、
5が小指です)を順番に動かすという
単純な練習です。
あらゆる基礎練習の
ウォーミングアップと言っていいでしょう。
第2番、第3番は右手<1-3-5>
左手<1-2-5>の連携の練習
(この三音は三和音の第一転回形といって、
ジャズのフレージングに大いに
有効活用できる音型です)、
および右手<3-4>のトリル的動き
の練習ができます。
この<3-4-3-2>という動きは、
アドリブソロのフレージングでも、
とても重要になってきます。
第4番〜第6番は、5指の中でも最も弱い
5の指(小指)を集中強化することができ、
さらに各指をこのように複雑な順番で
動かすことによって一本一本が独立
して動くように練習することができます。
第5番、第6番において、
1の指と5の指がいきなり
6度離れるという動きをしていますが、
特に左手の<1-5>の6度開きは左手で
和音を弾くときに基本の形となるので、
何度も練習して覚えさせてしまいましょう。
第7番、第8番は第6番までに引き続き、
5本の指をまんべんなく強化する練習です。
ここで用いられている右手<5-3-4-2-3-1>
という動きは、アドリブフレーズや
メロディーのハモリを弾く際に役に立つ
テクニックです。
(少し高等のテクニックなので、
実際練習するのは少し先になるかも
しれませんが、今からそれにむけて
指を作っておいて損はありません。)
これで、8曲揃いました。
この8曲が難なく
弾けるようになれば、
かなりいろいろなフレーズが
弾けるようになるはずです。
もちろん、さらに上を目指すなら
9番以降にも挑戦してみてください。
(読譜の練習にもなりますし。)
大切なのは、「これさえ練習すれば
今よりずっとピアノがうまくなる」
と確信して、練習し続けることです。
練習しなければうまくはなりませんが、
練習すればかならずうまくなります。
今日から、五分でも良いのでピアノの
前に座って、指を動かしてください。