商事法務1858(2009.2.25)
「わが国に経営判断原則は存在していたのか」(森田果・東北大学准教授)
面白いので引用、紹介します。
経営判断原則:会社役員が経営判断を行う際には、広い裁量が認められるべきであり、仮にその判断が会社に損害をもたらす結果を事後的に生ぜしめたとしても、行為時点の状況に照らして不合理な意思決定を行ったのでない限り、当該役員等の善管注意義務違反・忠実義務違反の責任を問うべきでない。
米国は相当の情報収集努力をしたか?を審査するものの、経営判断の内容自体は上記原則に基づき、審査しないのが一般だそうです。
一方、日本の裁判所は経営判断の内容自体の合理性・相当性までを審査し、判断するそうです。ただし、実際の裁判で経営者の敗訴例は少ないので、日本の裁判所にも経営判断原則の考え方があると考えられているが、いや、実はないのだ! という説。それなら なぜ経営者敗訴がないのか? 医師や銀行経営者は裁判で 負けるケースもあるのに、なぜ一般企業経営者は あまり裁判で負けていないのか? それは・・・・ と理由を挙げております。(続)