Financial Analyst Journal の ヘッジファンドアクティビズムのレポートをようやく 1回読みました。

米国でのアクティビストのターゲットは以下のような企業。

業績がよく、キャシュフローも潤沢、機関投資家株主もおり、アナリストカバレッジもあり、流動性も高い。事業内容は比較的わかりやすい。

ただ株主への利益還元と 多角化、M&Aなどの投資内容に問題がある。

各業界のそうした企業に対して、5~10%投資して、基本的に同じ要求をする。「利益配分をかえろ、意味のない多角化投資はするな、売却しろ」。

企業個別の改善要因を考えて、提案、説得するなどの手間のかかることはしない。

こうした要求には、基本的に他の機関投資家も歓迎、賛成する。そのような内容でした。


翻って日本のアクティビストの投資先はどうか?

該当する企業もありますが、かなりの投資先が、業績は同業に比べて劣る、蓄積したキャッシュは豊富だが、最近のキャッシュフローは必ずしもよくない。機関投資家株主は少なく、アナリストカバレッジもない。流動性は低い。企業側は機関投資家との対応に慣れていない。そんな印象があります。それだけに、アクティビストもなかなか成果が上げにくいのではないでしょうか。


なぜ、アメリカのファンドと同じよう企業に絞ってターゲットにしないか。それには色々理由はあるのでしょう。

そもそも機関投資家、アナリストが少ないので、カバーされている企業が少ない。

カバーされている優良大企業は、アクティビストに投資されても、なかなか話を聞かない。

銀行、生保、持ち合い先など 安定株主多数。機関投資家株主も、生保系だったりすると、あまり会社に強く言わない。そうするとアクティビストに賛同する投資家が少ない。

仕方ないので、安定株主のいない 小さい会社に行くと、こちらはこちらで拒否反応が強い。業績が良くない場合、それを改善するため投資先ごとの個別的な提案もすることになる。 アクティビストの提案と実現した場合の効果などを、調べて世間に知らしめる人がおらず、が他の株主に理解されない。


そんな印象があります。ただ、紆余曲折、アップダウンがあっても、日本ではまだまだ新しいスタイルですから、基本的には少しづつ浸透していくのでしょう。


娘がブログに、絵をいただきました、と書きました。このブログの写真、子供らの背後にある動物を描いたイラストの作者、ソフトボール仲間のノノさんのアトリエを訪ねて、別なやはり動物のイラストを頂きました。写真のイラストは、北海道は京極のうどん屋さんに飾ってあります。 やさしい、可愛らしい 動物の絵でございます。