今年の総会での買収防衛策の導入などの事例分析のセミナーに参加しました。

導入累計は571社だそうです。大きな会社の導入は一段落、だんだん中堅クラスの導入の段階に来ているようです。一因には、コストの低下もあるようです。3~4年前は事前警告型と よりコストのかかると言われる信託型がありました。最近は事前警告型にほぼ統一され、事例も増えて雛形もでき、弁護士事務所も安い価格で地方・中堅企業にも売り込みを図っているらしい。。。 

今年の事例では、日本ハウズイングと原弘産のケースで、両者のやりとりがかなり行われ、それが随時公表された点で、ひとつのモデルケースという評価があるそうです。 確かに原弘産側の情報公開努力は感心するものがありました。

しかしハウズイング、原弘産ともに、規模の大きいとはいえない企業。長期に渡るこの買収攻防は、色々な点で重い負担だったかと思います。 不動産不況の中、原弘産は先日、大幅な下方修正をしました。ハウズイング関係者・株主からすると、買収が失敗でよかった、ほら見たことか、という感じかもしれません。


買収防衛策は必要悪。今の法制度下では導入も仕方法がしっかりしていれば、個別企業が高い弁護士費用を払って導入する必要はない、という意見もあります。(早大上村教授など)。ただ、今年、導入した防衛策を廃止した企業の中で、金商法のTOBルール整備によりあえて防衛策を導入する意義がなくなった、とする企業がありました。


金商法が十分かどうかは議論があるでしょうが、以前より整備されたことは間違いなし。 アクティブ投資家としては金商法があるのに、なぜ入れるのか? もう必要ないでしょう?と企業に問いただす。一方で、まだ法に不備があるなら一段の整備+個別企業での導入禁止を 国や経済団体に働きかける、なども取りうる行動でしょう。ただ、法律であまり厳しいルールが課せられると、国全体が買収防衛策を導入しているという評価になってしまうかも。 などと考えました。