先日、米フォードが4-6月決算において事業用資産の減損で大きな赤字を計上しました。事業用資産というのは工場かなと思っていましたが、その後新聞記事を読んで、主に金融子会社の持つ自動車リース債権の減損だということがわかりました。

1万ドルの車を消費者にリースで提供。3年後に中古で9千ドルで売れると想定。そうするとこの現在の新車価格と3年後の中古価格の差額1千ドルと金利を3年間リースで受け取る仕組。車の新車価格がいくらであろうと、

消費者が払うリース価格は、3年後の中古価格予想に大きく影響され、中古価格を強気に見ていると高級車を少ない負担で利用できる仕組。数年前までの環境では、この強気リースが多かったようです。

しかし! この3年後の予想中古価格が大きく崩れてしまったようです。ガソリン高で一時大人気であったSUV、ピックアップトラックの人気急落、価格暴落。大型高級車ほど、値崩れの余地が大きかった。現状で合理的に見積もってリース終了後に売れる価格は、当初想定より少なくなり、それでメーカー側はリース資産を減損、損失が発生してしまったようです。

また在米時のテレビCMを思い出しましたが、CMの最後はローンなら金利XX%、リースなら月々YYドル!と必ず言ってました。アメリカでは個人がリースで車を買うという選択がかなり人気だったようです。

リースの場合、損失は自動車メーカー(の金融子会社)負担。一方、ローンで購入の場合、中古車価格の下落は消費者の負担。住宅のように値上がりまでは見込んでいなかったでしょうが、目論見が狂ったという感はあるでしょう。 自動車でも住宅に似たような問題が発生していると言えるかもしれません。