「アマゾンのロングテールは、二度笑う」(鈴木貴博著、講談社)では、いくつか印象に残る記述がありました。

・土俵の選び方こそが、戦略にとって最も重要なものだ・・・経営資源の限られている中では、苦しい環境で頑張り続けるよりも、自分たちが比較的有利に戦える土俵を選んで戦うことが戦略である

・有望そうな市場に、まず経営資源を投入する。・・・ たとえば富裕層相手のビジネス。

富裕層市場の関する本がたくさん出ています。でもどこも手探り。日本には根っからの富裕層、何代も続く富裕層、というのは少ないので、富裕層がどんな人たちかわからない。何より富裕層自身も何にお金を使っていいかわからない。 そんな状態でも、まずは経営資源を投入してやってみて、何とかつかんでいく。

・一方で、下流市場では新興企業が成功している。一部のマーケットを除き、下流市場においては、大企業はコスト高構造なので競争力がなく、新興企業が成功している。ディスカウントストア、カラオケ関連、ゲームセンター、100円ショップ、回転すし、レンタルビデオ、ラーメンチェーン、中古車ディーラー等、低価格衣料、介護関連。これまでは安い人件費と仕入れ値で各社伸びてきた。でもこれからは、低コストで低価格、ある程度のサービスを提供できる仕組みを構築できたところだけが残る。 なるほど。


最近、新興企業がやや伸び悩みの面があるように感じます。 安い人件費と安い仕入れという前提は、好況と大企業の積極採用で崩れ気味。 一方消費者は全体に一時期よりは豊かになりました。日常は引き続き節約しても、たまの買い物・レジャーは贅沢に。 安いだけで特徴のなりものは相手にされない。

ある程度成功した新興企業は上流市場も狙わないと成長できないようになってきたが、こちらは高コストでもブランドのある大企業が高い値段で売って市場を抑えている。新興企業には、高級市場で商売をする対応力・ノウハウがない。 なんとなくそうか!そうなんだ!という感じがしました。