東証からエイチ・エス証券への処分が発表されています。
http://www.tse.or.jp/news/200706/070601_a.html
IPO公募価格設定時に、会社から理論価格より高い価格を要求され、主幹事実績作り重視でこれを受け入れて、IPOを進めたというもの。当該企業は、先日の日経新聞記事には名前が出ていました。今回の処分のリリースではA社となっています。
会社側が価格を高くしろというのは、ある意味、どこ会社でもそう主張していることだと思います。その価格をおかしいと思っているのに受け入れたなら、それは証券会社の責任でしょう。
ただこの会社、上場直後に下方修正をしていたはず。価格の交渉をしている際に、業況が厳しいと感じていたなら、道義的な責任はありそうです。それでも上場審査~承認、価格決定のプロセスで、提出した利益計画は達成できません!と言えば上場自体が止めになるでしょうから、それも言えないことでしょう。 そうすると価格交渉でやけに弱気・下手に出るのが良心なのでしょうか・・
観点はずれるのですが、先日のM&Aセミナーでの一番の結論は、M&A時に買うほうも売るほうも、価格の決定プロセスや根拠について、少数株主に丁寧に説明していくことが重要だ、ということでした。
IPOの価格なんていうのは、それと比べてもほんと適当という気もしますが、主幹事には価格の説明責任をもっと求めるべきかもしれません。