上場投資会社間の争い
ヘラクレス上場のオープンループの株式をジャスダック上場のクオンツが10%超買いましています。
これを嫌ったオープンループは買収防衛策の導入とリーマン向けの新株予約権発行(によるクオンツ持分の低下狙い)、総会での取締役定員削減、授権資本枠拡大などの対策を次々と発表しています。
そして今度はクオンツが、新株予約権の発行差し止め請求や総会議案への反対表明を行いました。
オープンループの対応、特に新株予約権発行はサンテレホンのケースに似ており、差し止めになる可能性も十分あると思います。それ総会にはかる防衛策的な議案については、正式に総会で株主の承認を得るということで止めようがないでしょう。クオンツは年度末以降の買い増しで今回の総会は議決権なし。
この両社の関係、当初は合意の上でのクオンツの買い増しと見ていましたが、実は一方的なものだったようです。どちらも投資会社に転換してきた会社で、同業者の食うか食われるかの争いという感じもあります。
買収ターゲットになった会社経営陣の安易な、保身的な防衛策はノー。しかし今回は買収側も 上場会社の箱を目的とした買収ではないかと感じられる、文字通りの敵対的な買収者のように思います。
今回も裁判所の決定が出て、こういう事例は認められる/認められないという事例が増えることは、良いことでしょう。しかし舞台は札幌地方裁判所。 こうした案件の経験はほとんどなさそうで、荷が重いのではという気もします。上場会社の資本政策的な裁判や請求は東京か、ヘラクレス上場なのでその地元の大阪にするとか、のほうが良さそうですが。