最近は上場企業のMBOが話題ですね。今、東京IPOのページの新規承認の欄にGABAが出ています。英会話のプライベートレッスンを提供している会社。地下鉄の広告が目立ちます。ここは数年前に上場間近と言われている段階で、社長が交代しました。創業社長は株式をMBOファンドと新しい経営陣に譲渡し、エグジットしました。その後、引き継いだ経営者は見事に業績を伸ばして上場に漕ぎ付けました。上場前に経営力のある人が社長になり、しっかりした経営体制を構築しての上場ならば安心して投資できるでしょう。
先週話題になったM&Aは伊藤園のFXG(タリーズを運営するフードエックスグローブ)。週刊ダイヤモンドなどにも内幕記事があります。こちらは2004年にMBOで非上場化しました。米国タリーズの買収、日米一体の経営体制を構築のため一時赤字も想定、非上場化。その後はアメリカで再上場を果たす!というプランだったようです。しかし米国タリーズの統合はならず、日本の新業態もうまくいかず。 資金調達で新たに入ったSBIの影響力増大や、社長の経営責任を問う声もあり、自らの経営基盤が揺らぐ中での、松田社長の決断による伊藤園との提携とあります。
自分が株のマジョリティを持って、かつ上場したまま改革に臨んでいればどうだったか。 あまり思い切った改革はせず、ある程度時間をかけての統合戦略と新規事業展開。赤字で一般株主に文句を言われ、株価も低迷しても、自分が辞めると言わねば社長自身の経営基盤は安定していたでしょう。上場した場合の株主(個人と純投資の機関投資家。悪ければ売るだけの株主。長期的な視点も持つ)と非公開のファンド株主(より強く物をいい、行動する。ファンドの期限があり短期思考)。どちらが長期的な視点でサポートしてくれるか、経営の自由度があるか。
自分に明確なプラン、目標があり、期限を定めて事にあたり、できなければ退くという覚悟があれば非上場。
そうでなければ一旦上場してしまえば結構何とかなるし、他人に首!と言われても実際にはなることはない、上場のままがいいか・・・