ご無沙汰していますあせる

 

8月も終わろうとしていますね。

麻布Amyの関係者の皆様、いつもありがとうございますドキドキ

以下は、ハンドメイド関係の話ではありません。

昨年児童書を書いた関係のお話しです。

 

ずっとご無沙汰していましたが、ある記事に9月1日子供の自殺が一番多い、という話に心を痛めました涙

昨年の課題図書の関係者に御礼の手紙を書いたのですが、結局出さずじまいでした。

もし悩んでいる人がいたら、目に留めていただきたく、少し長いのですがこちらで紹介させていただきます。

 

 

この度、第62回青少年読書感想文全国コンクール(全国学校図書館協議会、毎日新聞社主催、内閣府、文部科学省後援)の小学校1、2年生の課題図書として選ばれました『ひみつのきもちぎんこう』著者の藤本美郷と申します。

 

今回、『ひみつのきもちぎんこう』(金の星社)の販売部数は10万部を超え、図書館では何百人待ちという事態もおき、本当に多くの子供たちに手に取っていただきました。また想像をはるかに超える感想文の数に驚きと嬉しさでいっぱいです。

その中から文部科学大臣賞をはじめ各賞を受賞されたお子さんもいらっしゃるようで、喜びもひとしおです。

表彰式へのご案内状に感想文を同封していただきありがとうございました。文部科学大臣賞を受賞されたお子さんの感想文を読んで目頭が熱くなり、思わずペンを取りました。

 

この本を書くにあたり、伝えたかったことがあります。それは「本当に大切なのは目に見目ないもの」ということです。その形のない心の中の“優しさや勇気”などを、子供たちがわかりやすいモノという形にして表現したい。そして、その本を通して子供の心を育んでいきたいと以前から考えていました。

 

金の星社様とのご縁で2015年、田中六大様の絵で、理解しやすい童話として誕生しました。絵のインパクトと同時に「悪いことをすると黒コインがたまる。いい事をすると銀コインがたまる」というわかりやすい設定に子供たちの興味をおおいに引いたようです。

 

著者の私にも何通も感想をいただきました。「自分はたぶん黒コインがたまっていると思う」とたくさんの子が自分の行動を振り返り、「お母さんのお手伝いをする」「妹に意地悪をしない」「自分がいいと思ったことは行動する」など、「銀コインが貯まるように頑張る」と締めくくられていました。

 

また、手が不自由な“ここみちゃん”が勇気を出していろいろなことにチャレンジをしている姿に「自分もここみちゃんを見習いたい」という声も多数ありました。

「銀コインをためよう」と行動をあらためるという感想ももちろん嬉しかったですが、「目に見えないことの大切さ」まで読み解くのはきっと難しいと思い、「いまわからなくても、いつかわかってほしい」と願っていました。

そのような中で、今回受賞されたお子さんの感想文800字の中に、物語を通して伝えたかったことがぎっしり詰まっていました。それも子供の平易な言葉だけで胸を熱くされ、嬉しさを通り越して、感動すら覚えました。

 

主催の全国学校図書館協議会様、毎日新聞社様をはじめ、後援の内閣府、文部科学省の皆様、また関係されたすべての皆様のお陰で、ひとつ夢を叶えることができました。ここに御礼申し上げます。これからも少しでも社会貢献が出来る文章を紡いでまいたいと存じます。

 

 

■また、ある小学校からの依頼で著者メッセージを書かせていただきました。

 

タイトル

心(こころ)の中が大切なんだよ

 

たくさんの感想文をありがとう。

みんな「じぶんのきもちつうちょうはどうなっているんだろう?」「黒コインがいっぱいになっていないかな?」と心配していたね。

 いじわるしちゃったことがあるのかな? それとも勇気がでなかったことがある? きっと思いあたることがあるんだね。そんなときは、素直になればだいじょうぶ。悪いことしちゃったと思ったら「ごめんね」といえばいいし、勇気がなかったら、またがんばればいいんだよ。

 

 本当に大切なものってわかるかな? もちろん家族や洋服やお金や、おもちゃ、ゲームなんかも、みんなみんな大事だよね。

 でも、もっともっと大切にしてほしいことがあるんだ。それは「ありがとう」というかんしゃの気持ち、「しんせつにしよう」っていうやさしい気持ちだったり、いろいろなことに「チャレンジしよう」という気持ちだったり――。

気持ちってね、じぶんの心の中にあるから見えないの。大切なものって、目に見えないんだっていうことを、子供のときに気づいてほしい、そう願って、この本を書きました。

 

 いまね、怒られてばっかりの子も、心の中には青空が広がっているんだよ。いつか、じぶんの心に素直になれば、心の空に、笑顔の虹がかかるんだ。そのときがくるまで、だれかが見守ってくれているから。だから安心してね。

 

 

※もともといじめっ子なんていません。心が醜く生まれる子はいないのです。

※登場人物の“ここみちゃん”のモデルは愛知県出身の佐野有美(あみ)さんです。生まれつき手足がなくても、がんばっている女の子です。

 

 

■私は現在、先天性四肢欠損症で生まれつき手足がない佐野有美さんの所属事務所として、全国から依頼される講演会に同行し彼女を支え、逆に勇気と希望をいただいています。講演で全国をまわる有美さんと一緒にいると、本当にいろいろな事に気ずかされます。

 

【ひみつのきもちぎんこう誕生秘話】

 有美さんとの出会いは、2009年彼女の最初に出版した「手足のないチアリーダー」の編集からです。

この本(ひみつのきもちぎんこう)は、当初、『佐野有美』をモデルとしてスタートしました。

 なぜ児童書を書こうと思い立ったか。

彼女のような重度の障害のある人と一緒に全国をまわっていると、嫌なこと、つらいこと、大変なことがたくさんあります。ですが、それ以上に嬉しいこと、楽しいこと、感動・感激することが山のようにありました。

 

 有美さんには短い左足に3本の指があるだけで、足の代わりに電動車いすを操作して移動をしています。

 手と足がない、というハンディは生きていく上で並大抵のことではありません。「ゴハンはどうやって食べるの?」「着替えは?」「お風呂は?」「トイレは?」など生活全般に対して疑問だらけでしょう。

 ですが、いろいろな工夫を重ねて出来るようになったことがたくさんあります。もちろん走ったり、高いところのものを取ったりなど、物理的に出来ないことも多くあります。しかし、食事もできますし、字も書けるし、携帯でメールを打つこともできます。出来ない、というネガティブな考えよりも出来るようになったことに目を向けると、驚くべき成長を感じられます。

 

  不可能と思えることでもどんどんチャレンジし、今年は結婚という大きな大きな人生の目標も果たすことができました。入籍したときは、彼が出来た、という時同様、どう表現していいかわからないほど、感動と喜びでいっぱいになり、前向きな彼に感謝せずにいられませんでした。

 今回のおめでたい報告を受けて、どのような逆境でも、自分の努力次第で人生が変わるものだ、と痛感させられました。それをもっともっと多くの悩める人に伝えたい、と―――。

 

 重い障がいがあっても彼女が経済的にも精神的にも自立が出来るよう、黒子となって動いてきた日々は決して楽しい思い出ばかりではありません。ですが、思い返すとあっという間で、心の中には彼女の笑顔ばかりがクローズアップされます。

 彼女の結婚は、障がいがあろうと、なかろうと幸せになれると自ら示し、勇気をもたらす素晴らしい出来事になりました。

 有美さんが19歳で出会ってから8年の月日が流れ、私の役目も一区切りついたと感じています。

 

 何事にも積極的な彼女と一緒にいると、「出来ない」ではなく「まずや ってみよう」という気持ちにさせられます。また、生きていく上で、大切なことに気づいてほしい。それは、目に見える物質的なことではなく、大切なのは目に見えないものだということを―――。

 それが、『ひみつのきもちぎんこう』の誕生につながりました。

 

 2017年も素晴らしい課題図書が並びました。その裏で「『ひみつのきもちぎんこう』読みました」と子供たちからの嬉しい報告に頬を緩めています。

 

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温かい人たちが優しいモノ作りをしている場所、それが麻布Amyです。嫌なことや辛いことがあったら、ぜひ足を運んでくださいね♪