会社帰り。
正門で通門証を見せ会社の敷地の外に出て、ふと目の前を見ると、数m前を猫が1匹とことこと歩いていた。
どうやら、その猫も出勤していたらしい。
猫は俺の前をとことこと歩き、正門の前に橋が架かっている橋を、ちゃんと歩道側を歩きながら渡り始めた。
俺がだんだんと猫との距離を近づけていくと、猫は橋の欄干の隙間をくぐり、外側に架かっている配管の上を歩き始めた。
どうやら、俺の邪魔になると思い、道を譲ってくれたらしい。
丁度猫の横辺りに来た俺は、そっと欄干の向こう側の猫を覗き込んだ。
配管の上を歩いていた猫は、俺に気づいて歩みを止め、顔を上げて俺の目を見つめた。
猫を見るのをやめて歩き始め、しばらくしてから再び猫の方を見た。
猫はとことこと歩き、俺に気づくと再び歩みをやめ、俺の方を見つめた。
本当は猫と一緒に歩いて橋を渡りたかったが、他の人の邪魔になりそうだったので、しぶしぶ先に橋を渡った。
橋を渡りきって少し離れた所から橋の方を見ると、猫は歩みを止めることなく進み、無事橋を渡りきった。
無事橋を渡り終て良かった、良かった。
そんなことを思いながら、俺は家に向かって歩き始めた。