最近、とあるきっかけで、作家・三浦綾子の「氷点」を読み耽っている。私の生まれた年に、北海道は旭川を舞台とした新聞小説として朝日新聞に掲載されていたと聞く。
内容は、あえてここに記さず。と言うより、三浦綾子の初作品かつベストセラーとなった小説としてご存知の方も多いと思うので、内容については触れない。興味のある人は、読んでみることをお薦めする。
氷点は、NET(日本教育テレビ、私の子供の頃は、まだそう称していた。そして、大半がモノクロで、カラー番組は、わざわざカラーと書かれていた。ちなみに現在のテレビ朝日)でドラマ化されて、放映されたという。主演が新珠三千代、芦田伸介、脇を固めるのが北村和夫、田村高廣、市原悦子・・・この物語の主人公となる陽子の異父母兄・徹の役をJACに入る前の子役だった真田広之、青年期には、岸田今日子の従弟で、傷だらけの天使の辰巳、SRIの牧史郎や、帰マンの坂田さんより前の、テレビ初出演の岸田森が抜擢されるなど、いかに力が入ったドラマかが見てとれた。
さて、氷点のヒットにあやかって、当時司会を務めた柳家こゑん、後の立川談志が、「笑点」と名付けたと言う、日本テレビの長寿番組だが、談志は、東京のアクセントで言えば「ひ」が「し」になるから(例:伊東四朗)と言う駄洒落で付けていたんだろうと思いこんでいたことが間違いだと、「氷点」を読んで気づいた。
「落語は人間の業の肯定である。」は、談志が残した至言として知られているが、実は、氷点もまた、人間の業の肯定をテーマとした小説であることに気付いた。
もしかすると、談志は、当時氷点を読んでいたかもしれない。その上で、三浦綾子に敬意を表して、笑点と命名したのではないだろうか。だとすれば、談志はやはり天才ではないかと思う。たとえ、彼の咄のまくらで、「うー、青虫ってのはよ、身体に良いんだよ 。食うと、ビタミンCが・・・」などととんでもないボケを言っても、破天荒の前に、実は奥ゆかしさを持った、慎み深い人物だったのかも知れない。(個人の感想です。)