前回、RPAとは何か、なぜ注目されているのかについて話したが本日は、実際にRPA を導入するとどれだけの効果が出るのかを具体例を出して話したい。

 
昨今、メーカーの小売業への営業は、単なる「価格交渉」ではなく店舗の「売り場づくり」を重視した提案に営業スタイルがシフトしてきている。
売り場づくり提案に重要なことは「データの裏付け」である。
例えば、
メーカー営業:「A調味料は野菜炒め、チャーハンにとても相性が良いのでその具材と共に配置することで、まとめ買いによる客単価アップにつながります。」
バイヤー:「本当に?裏付けはデータは?」
メーカー営業:「実際に今絶好調の貴社X店のPOSデータの分析結果を資料でお持ちしました。」
バイヤー:「本当だ。消費者のほとんどはその具材とともにA調味料を購入しているようだ。」
メーカー営業:「そうなんです!是非、ブランド人参をメインに、今晩はチャーハン!とお客様の晩御飯メニューを提案する売り場を作りましょう!」
このように営業が提案する売り場づくりにはPOSデータの分析が必須なのだ。
 
POSデータを分析するには、もちろんのことだが、POSデータ自体を収集する必要がある。POSデータの収集手段は提供する小売企業によって様々だ。EDI、メール、CD-ROMを郵送で提供する企業もある。様々な方法がある中、Webサイト経由でPOSデータを提供している企業が多く存在する。Webサイトでの処理の流れは、①ログイン、②データ検索、③ダウンロードというのが基本的な処理フローだが、データ検索、ダウンロードに大きな制約があるサイトが存在する。その制約とは、小売企業がグループ企業だと、企業単位でのダウンロードという制約や、商品群ごとにダウンロードしなくてはいけないという制約だ。その小売グループの企業数が10、ダウンロード対象商品群が10あるとすると、単純計算100回(=10×10)のダウンロードが必要となる。1回のダウンロードに3分かかっているとすると、当小売業グループの1日のPOSデータを収集するだけで、5時間(=3分×100回)かかるということになるのだ。POSデータの分析に時間をかけるべきなので、収集時間はなるべく削減したいというのがメーカーの思いだ。
 
そこで役立つのが、RPAツールだ。RPAツールで上記WEB作業を自動化することで、収集はロボットが勝手にやってくれるため、人間はデータ分析に時間を多く割くことができる。分析の高度化により、小売業への提案の質も高まる。
 
実際の効果を試算してみると、上記の具体例で示した小売企業グループ1社だけでも下記の年間効果が期待できる。
5時間×5営業日/週×52週×2,000円/時間=2,600,000円/年
 
また、提案の質の高度化による売上アップ効果は測定できないが、大きく効果をあげるだろう。
 
今回RPA導入の1つの具体例とともに効果をみてきたがいかがだろうか。
 
ホワイトカラーの仕事には、本日上げた業務のような時間をかけるべきでない自動化できることが多く潜んでいるはずだ。まずは自社の業務の棚卸をし、自動化対象業務を上げてみよう。
RPA導入後のスマートな自社の姿がイメージできてくるはずだ。