11月16日、
見舞いに行きました。
男性の看護師さんに案内されたのは、
4人部屋の窓際のベッド。
久しぶりに見る祖母は、
膨よかだった面影はなく、
痩せてしまい別人のようでした。
2ヶ月という余命は本人には伏せており、
来年の春までと言われた通りに
信じている祖母は、
しきりにその事を私達に話します。
風邪なんかとは違う、
聞いた事のない
鈍い咳で苦しそうな祖母は、
話すのもやっとの状態。
既に食欲はなく、
唯一好んで食べれる氷を
美味しそうに頬張っていました。
帰り際、
私が手を差し出すと、
手を握り返してくれました。
骨ばっている手には、
柔らかい皮膚が
薄く頼りない感じで付いており、
とても弱々しく、
だけどとても暖かかった事を
覚えています。
「カーテン閉める?」
「うん」
最後の最後に交わした会話です。
カーテンを閉め歩き出すと、
また咳き込み始め、
その独特な音が廊下まで響くのは、
ずっとずっと、
私の気を引く為のように感じました。
これが生きていた
祖母の最後の記憶です。
それから
1週間後の2017年11月23日、
祖母は息を引き取りました。
体調を崩し、
癌が発覚したのが11月7日。
余命宣告では2ヶ月と言われていましたが、
わずか16日後に生涯を終えました。