私が初めて【人の死】に直面したのは

小学校2年生の秋だった


幼なじみの千賀子ちゃん。

毎日毎日遊んでいた千賀子ちゃんが病気になったのは小学校入学の少し前。


白血病だった。


まだ幼かった私は

その病気がどんなものなのか?は理解出来ていなかったし、2度と会えなくなるなんて1ミクロも思っていなかった。


千賀子ちゃんが入院して

会えなくなって半年程たった頃

千賀子ちゃんが退院して来た。


その退院は

千賀子ちゃんの命が残り僅かであり

残りの時間を自宅で過ごさせたいという

千賀子ちゃんのご両親の意向であったことは

当時は知らなかった。


千賀子ちゃんは

髪の毛が抜け、やせ細っていて

カツラをかぶっていた。


千賀子ちゃんは

やせ細って髪の毛もぬけてしまったけど

明るく振舞っていたし

いつもの千賀子ちゃんだニコニコってホッとしてた


体調の良い日は学校へ行き

早退はするけど皆と授業を受けていた

男の子たちは、カツラを取ったり

「禿げ」とからかったりしていた


それでも、千賀子ちゃんは笑って

「髪の毛ないんだから返して!!」と笑いながら言っていた。


私も薬で髪が抜けたとか

今なら理解出来ることも当時はイマイチ理解出来ずにいた


だんだん学校へ行ける頻度が減っていき

とうとう寝たきりになった


具合が悪いんだな

可哀想だなと風邪が長引いてるんだくらい軽く受け止めて過ごし、千賀子ちゃん外に出られないからつまんないなーと思いながら。


私がうちの近くの公園で遊んでいたら

千賀子ちゃんのお父さんが私の元へ走ってきて

「いずみちゃん 千賀子に会ってあげて」と深刻な顔で言ってきたので


おじさんと千賀子ちゃんの家へ行った


千賀子ちゃんは、酸素マスクをつけて

ほとんど意識はなく


お医者さん、看護師さんも来ていた


おばさんが泣きながら手を握って

「千賀子!千賀子!」と叫んでいて

なんだか私は怖くなり震えが止まらなくなって

部屋の入口から動けずにいたら

おばさんが「いずみちゃん千賀子に話かけてあげて」と言ったので、部屋へ入り千賀子ちゃんが寝ている傍へ行った


千賀子ちゃんは

意識が遠のく中涙を流していた

私も涙が止まらなくなり言葉が出てこなくて

名前を呼ぶことしかできず…


おばさんが

「千賀子頑張ったね。もぅゆっくり休みなさい」

と声をかけたら


千賀子ちゃんは自分で酸素マスクを外し

ガバッと上半身起き上がって


死にたくないよ!お母さん!


と叫んでバタンと倒れそのまま息を引き取った


あの時の千賀子ちゃんの言葉、声

今でも鮮明に残っていて


最期の言葉は頭にこびりついていて

今でもたまに思い出して苦しくなる


千賀子ちゃんは生きたかった

幼ながらに神様は居ないんだ…と思った


千賀子ちゃんのお父さんは

千賀子ちゃんが息を引き取った瞬間


「ずっと仲良くしてくれてありがとう」

と言って私を痛いくらい抱きしめて泣いた


皆泣いた


あの日の光景全て

一生忘れることはない


「死」と言うものを

正しく理解するにはまだ幼かった自分だったけど


千賀子ちゃんには、

もぅ会えないんだと言う事だけは理解した


千賀子ちゃんの顔も声も全て

ずーっと忘れないよ


千賀子ちゃんはあの日まで精一杯生き

死にたくない!と日々病気と闘って

やり切ったんだ


痛みや苦しみから解放されて

穏やかで安らかであることを祈っています。