小学生の頃、遠足でのお土産に金木犀の小さな苗を頂き庭に植えました。
 陽当たり具合が微妙だったためか全く花を付けないまま少しずつ大きくなるのをぼんやり眺めているうちに、その家を離れる事になりました。
 庭の樹木はそのままにしたか伐採したか•••詳細は記憶に無いんですが、この金木犀は私が幼少期からお世話になったご近所のお医者さま宅に引き受けて頂きました。私はよく熱を出して学校をお休みする事が多い子で、本当にしょっちゅう往診にも来て頂きました。
 
 何年か経って、その金木犀が花を付けたと聞きましたが実際目にすることは無いままどれくらいの時が流れたか•••
 
 この間、他の事でストリートビューを開いていてふとその頃を思い出し、見てみたい衝動にかられてその近辺を探してみました。
 
 医院のところは建物はそのままなんだけど、人が住んでいる気配が無い。石を積んだ塀も形は残っているものの、手入れされておらず、医院の看板も無くなっていました。未だ残っている表札にはお世話になった先生のお名前が薄く残って見えてますが、現在はどうかな。
 先代のお医者さまが亡くなられた後、ご長女が引き継いだと聞いていたのですが考えて見ればそれも随分前の話。
 
 病気のときはもちろん受験の事とか日頃の相談とか、公私ともにお世話になったおうちでした。小さい頃遊んで頂いた事もあるお嬢さんが悲しい選択をされたと伺ったときは本当にショックでした。
 
 床がちょっと反り返っていた診察室や、器具の煮沸器、待合室の時計、なぜか足の踏み場の無いお勝手口の土間・・・
 
 
 親世代が鬼籍に入ると行き来も無くなり、いつしかそれぞれの記憶から消えていくんですね。
 
本当にお世話になりました。
 

上差し近所の公園で素敵な香りを撒いていた大木の金木犀
下差し本当にいい香り✨🌳

 
TSUKEMEN (🎹SUGURUさん)の
「金木犀~追憶のカケラ~」
     を聴くと、いつも思い出す光景 私の追憶のかけらです。