随筆なるものを書きたい衝動に駆られたのは、私の住む町の小さな図書館での出来事。
ふと、手にとった随筆本を読みながら、自己発信の手段として書いてみようと。

ろくすっぽ書き物などしたことも無かったが、ブログでなら自己満足で書いても良いだろうと、素人ながらに書き始めてみようと心に決めたのは数日前のこと。

自己満足だから、私が書いていることはできるだけ知られないようにしなければならない。
なぜなら、恥ずかしいから。

私のいないところで、「へっ、自己満野郎!!」なんて思われた日には、近所を歩くこともできない。

と、図書館の一角でヘラヘラと妄想に耽っていたところ。

「こらっ!!お前が良かったら、他人はどうでも良いのかっ!!」と怒鳴られた。
まさか、見知らぬおじさんに心を読まれたのか?と思い、心臓が全力疾走している。
声の方向を見ると、おじさんがこちらを見ている。
しかも、席に座っていた形跡がある。
つまり、わざわざ立ち上がって怒鳴っている。

「そうか、私の向こうにマナーの悪い人がいて、その人を怒っているのだ。」
そう信じて、おじさんとは反対の方を見てみる。

・・・おらん。否。いない。
・・・誰もいない。

やっぱり、私の心を読んでいたのか。
素人が余計なことを考えて、本当に申し訳ない。
二度と自己満足でも良いなんて考えは起こしません。
と、頭を垂れて謝意を表す。

おじさんに何の反応も無い。
人とはそれほどまでに一方的に怒れるものなのか?

次の瞬間。

おじさんの隣から、チッと舌打ちが。
本棚の影で携帯電話で話している若者の姿が。

なんで?
なんで、隣にいる人に怒るのにこっち向くの?
わざわざ、席の後ろにいる私を見るの?

そうか。
勝手に推測するに、相当に気が弱くて、若者の目を見て怒れなかったのだろう。
最近の若者は、何をするか分からないと私の母も言っていた。
それはそれで仕方が無いと思いつつ、その様を見ていると。

「なに見てんねん!!」

しっかり目を見て言われました。