まえがき
過去とはすでに起こった事実でありますが、未来とは何が起こるか分からぬものでございます。
そのような当たり前のことも、その未来では当たり前ではなくなり、未来が未来ではなくなることもありえないと断言できるものなどないでしょう。
さて、今はそのような粗末な問答を繰り返し、その未来を貪っては過去が嘆きをあげてしまうかもしれませんのでこれは小さな宝箱に保管することにしましょう。
デジャヴ
人というのは不思議なもので、自分の記憶と言うものがどこまでの信憑性があるのか、自身の中と自身の外では変わったりするものです。
今でこそ、記録を残す媒体が普及しているのであればその事実というものを証明することは可能でしょう。しかし、そのようなものを所持していたとしても、自身の行動および言動を常に記録するものなど自己責任の強い職業をするものか、よほどのナルシストでありましょう。なので、個人の中での記憶しかない状態では他の者がそれを否定されますとその濃かった色もとたんに色を褪せ変色してしまうのです。
そしてそれは特別性もなく平凡なことがらともなればその印象も薄くなります、それが昨晩の夕飯のこととなれば―――
昨晩の我が家での食事の時のことでございます。食卓には主食であるご飯と小松菜と油揚げの味噌汁、大根と豚肉を甘辛く煮たものと、ジャガイモと鶏肉の煮もの、サラダ、ビーフンが並んでいたのです。
このことに対して私はありがたさを覚えるものの特別な感情も湧くこともなく、いつもの通りどれをどのくらいの量を食べて、どの順番で食べていくかなどを考え席へとつきまして、皆が集まったところで食事を始めました。
基本的に食事中は黙って箸を進める私と違い、向かいの側に座して食事をしている母が私の上家に座している父と主に話し食事をする風景は、まさに千古不易とも思えるような一般家庭における夕食時の光景でございます。
この時も例にもれることもなく母が今日の出来事や観たテレビの話などを話したり、父が仕事の話をしたりとしていました。
そしてその内容が今食べている話になったときのことでございます。
「そういえばビーフンを食べるのなんて初めてじゃないかしら」
そのようなことを母が大皿に盛ってあるビーフンを取り皿に取り言ったのですが、私はこの時は大した驚きもなく、母が以前食べたことを忘れていたのだろうと流していましたが、思いもよらないことにそこに父は同意を示したのです。
「春雨はよく使うけどビーフンはね。春雨置いてある所の横にあったからたまにはいいかなってね」
私は思わず、箸を止めて会話に参加することにしました。
「ビーフンうちで食べたのは初めてじゃないよ。去年やったじゃない」
しかし、この発言に私は正確な食べた日が何日かなんていうものは到底覚えているわけもありませんで、ましてや去年だったのかも覚えていないのです。ただこの食卓で食べた記憶があるというだけであり、記憶の明るさからみるに一、二年の前のものだろうと推測し発してはみたものの、父母ともに否定をしたのです。
さらに私の下家に座して、私と同じようにしゃべる口を閉ざし食事を進めている兄が、その沈黙を殺し会話に参加するもそれは私の記憶を擁護するものではなく、私が食べたという記憶がここではなく別なところで思い違いをしているのではないかというように、三人の記憶には自宅でビーフンを食べたという記憶がないのでございます。
二つの煮ものを挟んだ先にあります、なんのおかしなところもない副食として置かれていますビーフンをみていますと、以前食した時の記憶というのが磁気テープのようなもので砂嵐がかかりながら断片的に思い出してきまして、盛られている皿の配置、交わされる会話―――そう、私が以前ビーフンを食べたのが初めてだったのでございます。その時も母からビーフンを食べるのは初めてだと話をしてきたのです。そこに父がさきほど申しておりましたようなことが記憶に合ったものですので、思わず言葉が出てしまったのです。
しかしながら思い返してみれば見るほどに次第と過去の記憶というものが現在の記憶にシンクロをし始めてくるものですからどうにも気分が悪くなってしまったのでございます。
所謂これが”既視感”というものなのでございましょうか。その思案をした途端に自分の以前に確かに食べたと思っていました記憶というものが本当に事実してあったものなのであろうかと疑心暗鬼になり、自身の信憑性というものが崩れてしまったのでございます。そうなりますと、私が以前食卓で食したというのは夢での出来事で、即ち予知夢あったという可能性をあり、それを否定できるほど志操堅固ではござりませんので、周りの事実と自身の事実の矛盾を調和するには、人知も及ばぬ不可思議な現象であったと思ってしまった方が湖は穏やかゆえ、波紋を立てたくないのであれば自分の胸にとどめてその記憶というものを宝箱に入れておくのもよいでしょう。
―――この事実が真実であるか本人でもそれを事実であったと証明することは今にしてはできないのでございます。
あとがき
いやぁ、ただの日記書こうとしただけなんだけどね…ちょっと不思議テイストなんでこうヌルッとした文体になった!
しかも特段面白いものでもなし、ぺーぺーが書いたものなんでね…もっとかけたとは思いますが日記に一日を費やしたくは…HAHA…それにもっとおかしくなってお見苦しさが一入ですよ、きっと…。
ここまで読んでくださったかた有意義に感じてくれれば幸いでござい。